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「僕とロボコ」と「ラヂオの時間」で考える「イライラさせない笑い」の時代。その①

最近私のお気に入り漫画は、少年ジャンプで連載中の「僕とロボコ」というギャグ漫画。近未来が舞台で、メイド型ロボットの「ロボコ」と小学5年生の男の子「ボンド」の日常が描かれています。「ドラえもん」の令和版、オマージュと言っても差し支えなさそうです(作者も意図的にそうしているようなので)。

私も大好きで、最初は電子書籍で買ったのですが紙の単行本でもそろえてしまいました。

私が思うこのマンガの一番の魅力は、登場人物や話の展開に「イライラする笑いがない」ということだと思います。

実は私、子どもの頃は「ドラえもん」の面白さが良く分かりませんでした。のび太がドラえもんに頼ってばかりで、そのくせ言うことをきかなくて失敗ばかり…のび太のしょーもなさに子どもながらにイライラしたものです。

「僕とロボコ」は設定など様々な部分で「ドラえもん」と被りますが、大きな違いがひとつあります。主人公のボンド君は、ロボコの破天荒さやムダな繊細さに翻弄される側であり、つっこみ役であり、ちょっと天然で優しくて誰もがイライラせずに感情移入できる存在として描かれているところです。

では、周囲を振り回すロボコにイライラするかと言えば、そこもギリギリのところでうまくおさめています。しかもロボコはロボットなので、それが何にも勝る免罪符となりますしね(ロボットだからしゃーないじゃんで許される)。

最近はお笑いの世界でも「人を傷つけない笑い」が歓迎されています。嫌なヤツがほぼ登場しないで笑いをとるこのマンガは、まさに令和的なギャグ漫画かもしれません。

で、いきなり「ラヂオの時間」の話になります。これは三谷幸喜さんの脚本・初監督映画で、1997年公開のコメディです。

何度も観たことがあったのですが、久しぶりにまた観てみました。三谷さんらしいドタバタと、人の弱さやずるさもひっくるめて「人間愛」を感じさせてくれる作品で、私は大好きなのですが…。(②につづく)


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