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一片の花びらに君を想う

風がひとひらの花びらを運んできた。私は、髪に付いた桃色のそれを指でそっと摘む。

「髪にいっぱい花びらついてるよ」
君の手に触れるその桜の花びらになりたいと言いたかったあの日

青春いっぱいだった高校時代
同じグループだった君への想いはとうとう伝えられなかったけど、たぶん気づいてたよね?

一緒にみんなで並んで座った嵐山の桂川河川敷
桜の季節が来ると思い出す

グループ内のカップルが結婚して
式で久々に集まったね
社会人2年目の春、私は追いかけるだけのしんどい恋をしてた
君はそれを聞いて
「なおちゃんが結婚するまで僕は結婚しないから」って言ったけど、それって何だったの?

桜の花びらが舞う季節が幾度か過ぎて
私は結婚
2年後君も結婚したね

いまも幸せだよ
君もきっとそうだよね
これからもずっと私たちそうだよね

ふっと風が吹いてひらひらと舞う一片の花びらを追いながら
満開の桜を眺めた

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yucaさんの「小説noteでお花見」に参加させて頂いています。
https://note.com/appletea21/n/n26f5fc09ffbc

#お花見note



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