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共産主義者、友人Kの思ひ出#8


淡路島バイク女子。友人Kの松田聖子激似の「ごっちゃん」への告白。

フェリー乗り場から海沿いの道を2台で走っていく。
あの頃はレーサーレプリカ同士のカップルもたまに見かけた。
バイクブームだったように思う。
しばらく走ると細い山道を400cc2台は登っていく。夜なんかまったく道が見えない路。
池もあるから気おつけないとドボン!だ。

別荘宅についた。一緒にご飯を食べたりおしゃべりしたり楽しい時間を過ごす。
YAMAHAバイク女子の友美ちゃんは特に可愛いとは思えなく、不細工でもない。性的なものは感じとりにくい外観だった
ただ色白で巨乳なのは室内に入り厚い上着を脱いだときに目視、確認、そして認容せざるをえなくなった。
二人でまた淡路島の外周を走りに行こうと彼女の方から言ってきた。
Kを別荘に残しバイクに跨がり出発。
ラーメン屋を見つけ入ることにした。
何を話たかは覚えてない。
自然に仲良くなっていく。
Kの別荘に戻り、夕食、雑談、お酒。
夜が来た。
掘り炬燵に入りみんな3人とも気持ちよく酔ってる。
Kはほろ酔いの友美ちゃんの胸を触ったりしたりして不純な破廉恥な雰囲気だ。
友美ちゃんがトイレに行った時にKはパンツを下ろし異様に勃起したポコチンを私に魅せて笑った。
「うぉぉメチャ勃ちか。ワハハハハ😂」

二人の真ん中に友美ちゃんがベッタリ付いて座っている。
二人どっちが良い?という話しになり、友美ちゃんは私の方を指差した。

つまり知識階級の血統を持ち色黒の端正な容貌を持つ自称西欧諸国、或いは大英帝国の音楽家的美少年のKが淡路島の山奥に於いて燃やした情欲の炎はキッパリと誰にも理解できるようにわかりやすぐ消火され換言するとすればプロレタリアートいやある意味ルンペンプロレタリアート階級に属すると予断される私に敗北、判定負けをしたのだ。

しばらく後になってKはこの時、友美ちゃんが私の方を指差した事に対し敗北感を感じたという無意味な告白を笑いながらしてきた。
Kは私を明らかに男として格下と断定していたのだ。
Kは少なくともその当時、女子にモテた事は一切皆無だったしなぜそういった根拠のない自信を所有していたのだろうか。

その夜、Kの淡路島の別荘で
Kは独りで
私は友美ちゃんと仲良く二人で一緒の布団に寝た。

別件の話。Kはその後、「もうたまらん、告白したい」やたら発音し悩んでブツブツ言うK。
前から好きだったKの言うには松田聖子激似の「ごっちゃん」後藤さんに告白をすると言う。
Kは聖子命だった。中学入学と同時に出現した松田聖子のレコード、写真集は全部所有し私がK宅の書斎から聖子の写真集の水着のページを開くと露骨に機嫌が悪くなった。
毎日毎日シコるのに松田聖子ではシコらないという規定を実践。
換言するとすれば自発的に我が身に課すある種の宗教的懲罰として「聖子」では決して抜かないんだと周囲に断言していた。
そういった弱く創られている人間の間違ったある種の観念、「おもいこみ」から培養され派生したKのインテリゲンチャの優れたかつて聡明であったとされる脳、思想、イデオロギー、本能、欲望、純情、清潔な正義感、魂はしだいにゆっくりと確実に「ロックスターになって米国に行きフェラーリに乗って松田聖子と結婚する」という大殺人者的な妄想にまで無限に膨らんでいった。

ごっちゃんも坂本実華さんと同じく美少女で、男から勝手に寄ってきて、それをポテトチップスをつまむように大勢の男からチョイスするだけの立派なポジションにいた。

次から次へと彼氏が変わる、関係があるかはそれはわからない。そういったタイプ。
ごっちゃんが今の彼氏と別れたと言う話がKの耳に入った。
別にハンサムな男子ばかりセレクトしてたわけじゃないのでKにも薔薇色の人生を獲得するチャンスは0%ではないだろう。
Kにとっても明らかにチャンスだ。
私はKの告白を応援していた。
純粋な友情でなくただの好奇心からだが。
しかしKの告白が成就され美少女の「彼氏」になる事ができれば普通に嬉しくなるだろう。
美少女「ごっちゃん」には面識もないし。

期待と不安に戯れるKを煽り続け、勇気ずけた。
「大丈夫やって!はよ電話かけたらいいやん」
「お前、顔とかやったら結構男前やし!」
「行け、往け!男よ往け!」

淡路島。昼だったか、夜だったか、たぶん夕方だった。受話器の前で考えこみ座るK。
日本酒の一升瓶が横に立ってる。
酒には強い。
顔色は色黒というか赤ちゃけて脂ぎっているので
読み取りにくい。
髪型は中途半端な偽のインチキパーマで毛先があちこち向いてる自称ロックスターのスタイル。
酔っているかわからない。が
酔っている
基本、私といる時はほとんどギャグ中心で会話するが明らかに気持ちは「ごっちゃん」の方を向いてる。
「はよせぇや」
無責任にいい放つ私。
「絶対イケるっつーの」
「ロックスターやろお前は!」
受話器に手を置いて自虐ネタで笑っていたKの顔がしだいに真剣な顔つきに変化していったところまでは視つめていた。
右手でプッシュフォンを押した。

さんざん無責任に煽ったが恥ずかしく視線を他にに持っていく私。
こういったシーンは苦手だ笑笑
男が街でナンパするシーンも苦手。
よくあんな事ができるなといつも感心する。

プルルル  プルルル
電話は繋がった。

スマホケータイなど夢だった時代か。

割とすぐに繋がった。
「もしもし、後藤さんですか?Kですけど、加代子さんいますか?」・・・・


                  続く


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