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事業や組織に悩むマネージャー達に

はじめに

部長や本部長というポジションになり、ここ数年、試行錯誤を繰り返す日々だった。周囲の同じようなポジションの人たちがすごく強そうに見えた(笑)。それは思い過ごしでみな同じように悩んでいるということは、それこそ同じようなポジションや経営者の方々と話をしていくうちにわかってきた。

今回のnoteは、事業や組織運営において今、僕が心がけていること、考えていることなどを書いた。僕と同じように事業や組織に悩むマネジャーがいれば、参考にして欲しい。

僕は「役職」を与えられてからずっと迷って、もがいて、苦しんで、自分の何が悪いのか・・考えていた。

毎年、その1年を振り返り、次の年の目標などを立てていますが、2019年の振り返りには、こんなメモが残っています。

▼マネジメントとして力不足な部分

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▼事業全般に対する力不足

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「どうしたらやってくるのか」という言葉は当時の自分のマネジメントの考え方を示すもので「やらせる」ことを主眼においていた。「なんでやってくれないんだよ!」と正直憤りばかりの毎日だった。

事業に対しても未熟だった。市場の捉え方、競合分析、それらを踏まえた適切な事業計画、これを実現するための適切なトラクション、成果・実績、各種数値の取得、あらゆることが事足らずだった。それにも関わらず、誰にでも僕は「わかったふり」をしていた。

「マネジメント」とは、とか「事業責任者」とは、どういうものか、誰かが教えてくれるわけではない。

それでも、限られた人的リソースと残された資金でPMFをはかりつつ、最短で競合にも負けない事業にし、実績を出していく必要があった。

まだまだ僕自身も事業も途上なので「成果」が出ました!というにはおこがましいですが、少しは軌道に乗ってきたかなと思うので以下に記載し、同じように苦しんでいる人の少しでも参考になればと思います。

弱さを見せて、相手を知り、信頼関係を作る

メンバーの弱さ、強さを知り、その弱点を補い、強さを生かしてリードしていくのがマネージャーの役割だ。しかしながら多くのメンバーはその弱さを隠し、不安を隠し、自分の限界を隠す。その為に、上司や同僚と駆け引きを始める。これに何の意味があるのか。

メンバーが弱さを見せないのは、マネージャー自身が弱さを見せないからだ。

まずマネージャーはメンバーに自分のことを知ってもらうようにする。(ちなみに僕は、生まれてから今までの人生を熱くメンバーに語っています(笑))次に、会社の状況や事業の状態、自分の思考を全てオープンにする。そうすることでようやく心を開いて貰える土台が出来上がる。

次に相手のことを知る。例えば、”5歳までで1番印象に残っている記憶は?”というお題で「お茶会」や「1on1」をやってみることをおススメします。

前回も引用していますが、

「人間の心の問題を解く鍵は、幼年時代のごく初期にある。幼年時代にその人の心のひな形、行動指針、目標が形成され、大人になっても継続される。幼年時代の記憶を訊けば、その人がどんな種類の人間か、正確なイメージを得ることができる」by アルフレッド・アドラー

であったり、

「脳の80%は5歳ごろまでには基礎が完成してしまう。」by 茂木健一郎

とある。

5歳までの印象的な出来事は、その人に重要な影響を及ぼしている影響があり、その人の人となりを知るうえでチーム内でその出来事を共有をするのは、有効だと考えます。

インプットとアウトプット

経営や株主と対峙し、事業計画の蓋然性を示すには、都度、その事業の状況を経営や議論に参画する人に認識してもらう必要がある。そして解像度を高くすることで判断の精度は上がり、ブレがなくなる。

例えば、TAMをはかる際に、一旦は、エンタープライズとSMBに切り分けて進めてもいいかもしれない。

しかし、「誰にどんなサービスを届け、何を解決し、決裁者、担当者などが具体的にどう嬉しいのか」を落とし込んでいくことで、自分たちのターゲットがよりはっきり見える。

エンタープライズの中でもどの程度の従業員規模の企業で、どんな業種や職種の課題解決に繋がるのか、絞り込んでいくと、TAMはより精緻なものとなり、自分たちの「強み」もはっきりしてくる。

繰り返しPMFをしていくことの必要性はあちらこちらで語られているが、ターゲットを絞りこんでいくと小さいPMFの繰り返しになってくるのも納得がいく。

こういった思考も常にアウトプット(ドキュメント化)し、どういうモノの考え方で戦略、戦術を決定しているのか、メンバーにシェアしておくことが重要だ。

さらに、ビジョンの達成時の状態やそれまでの道筋も、誰もが思い浮かべられるような状態にする。特に四半期毎に実現したい状態を定性・定量で組織ごとに定義すること、その定義をメンバーも交えてすることで解像度はかなり高まる。メンバーも一緒になって考えることで「状態」への理解がさらに深まり、自発的な「行動」や予見した「行動」に繋がる。

よくVUCAの時代と言われるが、何が起こるか分からない状況下で、スピーディーに動いていくためには、一旦小規模にはじめて、市場の潜在性や顧客の嗜好を学び、KPIを見ながら、学習効果で判断の質、スピードが向上していくのが懸命だ。

インプットとアウトプットで常に「答え合わせ」をしていく。

フィードバックとリフレクション

インプットとアウトプットに近い部分もあるがあえて「フィードバックとリフレクション」にわけてお伝えしたい。

事業の成功確率を高めていくには、最短で物事を進め、そこで得た経験をもとにフィードバックと内省を繰り返していく必要がある。

これを組織的に行い、各人が情勢を見て、判断できる状態を作り出すことで「最短」に近づく。「最短」の意味合いは、人が8時間働いているところを1日12時間以上働くとかスピードをあげるとかではない。各事象に対して誰もが近しい事象判断を下し、上司に都度判断を仰がず、行動を起こせる状態を作ることで「最短」を担保する。

その中で、KPIやアンケートなどは貴重なフィードバックとなる。練りに練った施策がうまくいっているのか、いないのかをはかる大事な指標だ。KPIの数値未達成で取るべきは、「気合を入れ直す」ことではなく、仮説とのGapがどこにあったのかを検証し、施策を微修正もしくは大胆に次の一手を打つことだ。

アンケート結果は、定性コメントの振り返りだけでは全く意味がない。同類の回答がどれくらいあるかのボリュームを見て、インパクトのある定性コメントに施策を左右されないようにする。特に、アンケートではサマリの報告資料などでは、コメントが抜粋され、ここに資料作成者の恣意性が現れたりするので留意が必要だ。

成果と実績

「誰にどんなサービスを届け、何を解決し、決裁者、担当者などが具体的にどう嬉しいのか」を明確に定めた上で、お客様から見た時に、「経営にとってのインパクト(定性・定量)」は何か、まずは一般的な情報でも良いのでおさえておく。

成果や実績がなく、売れない時もあるかもしれないが、自分たちのサービスコンセプトや解決したい社会課題などをお客様に説明し、共感を得て、お客様の成果創出のお手伝いをする。その成果を元手に他のお客様を回る。

成果を出す上で、重要なのは言うまでもなく、カスタマーサクセスだ。特にエンタープライズをターゲットにしているSaaS企業は手厚いカスタマーサクセスが必要だ。多くのエンタープライズは歴史があり、従来のやり方を簡単に変えることが出来ず、顧客と会話しながら最適な課題解決方法を導いてあげる必要があるからだ。

このように成果を積み上げることで顧客の信頼を獲得する。これらを実績として営業に生かしていく。

再現性と持続性

仮説と検証を繰り返しながら、個々のレベルで再現性の高い暗黙知を、各人がぶつけ合い、それらに共通する本質的な内容をドキュメント化する。これも第一版から完成版までを作ろうとするのではなく、メモ書きでも簡単な図解でもいいので、ドキュメント化していくことが大事だ。

部の定例会などを使って、各人にドキュメント作成の機会を設けることでアウトプットは増えていく。各人が理解している事柄を言語化、図式化することで理解のズレを埋めることが可能となる。

この工程を省くと相手に対する期待値のズレが生じ、相互の信頼関係に少しずつひずみが生まれる可能性がある。

ここでドキュメント化されたものを組織的に紡ぎ合わせ、体系化する。ここで体系化されたものは、事業成長とともに増える人員が参考にして学習し、暗黙知化する。この繰り返しで事業は、成長していく。

自分の想いをつらつらと書き綴った為、読みづらい部分もあるかと思います。理解できないところがある、詳細を知りたいなどあればぜひご連絡頂ければと思います。

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