ジーズアカデミーの卒業ピッチイベントで優勝させてもらった話
こんにちは。松本です。昨年の秋口くらいから通っているジーズアカデミーの卒業ピッチイベントで1位をいただくことができました。
ジーズアカデミーについては別記事になりますが、デジタルハリウッドが運営しているインキュベート・投資機能を備えた起業家・エンジニア養成学校です。(巷ではプログラミングスクールと呼ばれやすい。でも、実際は受動的な学校ではなく、能動的なコミュニティと僕の中では思っている。)本当に通ってよかったなーと思っている。
dippa! ってどんなプロダクト?
今回プレゼンしたのはdippa!というプロダクトです。dish(これ食べたい!)がパッと決まるからdippa! が由来です。
作った理由は、自分が欲しいと思ったプロダクトが世になかったから。
営業としてのキャリアが長かったので、ランチもディナーも結構出先で済ませることが多くて、食べログは大好きでよく使うんだけども、どうしてもちょっとした使いにくさがあったり、Instagramもビジュアルで探せるのは楽しいけどもノイズが多かったりと色々と思うところがありました。
dippa! のウリ
①メニューの1品写真をクルクルするUI
これが一番大きいところ。食べログ使ってて困ったのは「食べたいものって明確に決まってない」「でも、何か美味しいものは食べたい」っていう思いに応えてくれるものが僕の知っている限りなかった。
食べログの評価を気にするというのは「自分自身が気にする」というのもあるんだけど、「一緒に食べに行く人をがっかりさせたくないから、ハズレをひきたくない」とか、「お店情報をシェアをしたときに不安にさせたくない」とか、そういった意味での評価の重要性が大きいと思っていて、1人や少なくとも2、3人の仲良しで食べに行く時に「美味しいもの食べたい」に応えるにはドンピシャじゃないと思った。
なので、メニュー写真をクルクルしながら決めてもらうUIにしました。(最初はTinderUIだったんだけど、変更した経緯は、リリースまでの検証の歴史を記事にしているところなので、また今度)
実際に使ってみて言われるのは、いつも同じもの食べてばかりの人に新しい発見とワクワクがあったこと。これが嬉しかった。結局意思決定は自分の認識してる幅でしか行われないのだから、その幅を広げてあげられることは価値があるんじゃないかと思ってる。
②今いる場所から300m以内の「今」食べられるメニュー
このアプリを起動した瞬間に求めているのは、今食べたいし、わざわざ遠くまで行くことは想定してないってこと。だから、立ち上げ瞬間に、すでに何かしらの提案が成されていることにこだわった。実際に渋谷でよくあるのはいいなと思ったら線路の反対側なんてことはよくある。その段階でエネルギーが下がってしまう。それを無くしたかった。
実際エリアを拡大する中で300mは適切ではないかもしれないし、探すシチュエーションが商談前の移動時間だったり、最初の4枚の提案の質を上げるために簡単なスクリーニングは必要かもしれないけど、一旦はこれがミニマムでよいと思っている。
③メニューに対しての評価・コミュニケーション
食べログの評価の高いお店はだいたいどのメニュー食べても美味しいと思うけど、そこまで店が高くないお店はメニューの当たり外れがあると思う。メニューに対しての評価が積み重なっていくことで、お店は自分たちのメニューがどう評価されているのかわかるし、どう改善していけばよいかその指針になればと思っている。
実際に1年間ある小規模の飲食店の店長会議のファシリテーターのお手伝いをしたことや、実際に飲食店のヒアリングをする中で、本当にユーザーさんと対話できるお店って少ないし、とっても属人的。近いようで遠い、それがお店とユーザーの距離感のように感じる。もっとお店とユーザーがコミュニケーション取れるようなプラットホームになれればなぁ。
プレゼンはだいたい準備で決まる
僕が発表した卒業制作発表イベントは、「GLOBAL GEEK AUDITION」という名称で、卒業を控えた受講生が卒業制作の作品を発表し、参加する企業や投資家とのマッチングをおこなう場で、起業志望者、就職希望者の受講生がその経歴やスキル、今後の希望を明らかにして登壇する。といったもの。
開催されたのは2月7日18時半から。一人5分の持ち時間で評価やコメントをつけるのが3分間。僕の出番は15番目だった。
プレゼンはとにかく事前に人前に晒すのが大事だと思っている。「聞き手を意識して、何がメッセージなのか。を意識して作るのが大事。」とは言われるけども、プレゼン資料を作ってる時はついつい主観的になってしまう。なので、一度まっさらな人に聞いてもらって、何が伝わったか確認するようにしている。
実際に1週間前にメンターさんに本番と同じ5分間で実施して、結構ダメ出しをしてもらった。実際に喋ってみると自分自身も何が小慣れて話せていて、何がうまく言葉にできないかがわかるし、だいたいスライドの間の繋ぎがスムーズじゃないところがわかる。
本番に向けてフィードバックしてもらって改善したのは
・冒頭の共感を得るための文脈をシンプルに。もっと一人一人のこれまでの体験が思い出せるように。
・文字のサイズを大きく。あまりプレゼン資料の下部に書き込まないように。
・数字を出来る限り意識して伝えられるように。
・印象に残すために、プレゼン最後に再度コンセプトを伝えるように。
・せっかくロゴがあるので、Tシャツを用意。
・髪切った(笑)
このあたり。
ちなみに。LINEで人事をされている青田さんの記事はとても参考になります。
プレゼン当日を振り返って
準備でどれだけ短くと意識していても、だいたい話しすぎちゃうタイプなので、予想通り、本番も後半時間が足りなくなった(笑)ただ、そうなったらどこを削るかの優先順位は決めていたので、最後の締めだけ意識して終わった。
手応え的には1〜3位くらいの間かなーという感触はあった。でも、正直順位よりも、聞いてくれた人たちの生の声が大事だったので、プレゼン終わった後の名刺交換で何て言ってもらえるかが何よりも大切だった。
いやー、めっちゃ共感しますよ。とか、早くエリア拡大してくださいよ。っていくつも言ってもらえたのは正直嬉しかった。一方で、同じようなサービスで失敗してるんですが、写真集めとかユーザーの拡大とかどうなんですか?とか、間違いなく言われるだろうなってことも厳しく言ってもらった。今のフェーズはいいこと言ってもらえるより嬉しい。VCの方から引きが強かったかと言われればそうでもなかったと思ってる。収益構造やスケールについてはまだまだ詰めることがあるし、そこが今後の課題。
改めてピッチイベントってスタートラインだなと思う。
最後に
結果発表は当日じゃなく、2日後の卒業式で発表された。さっきは順位よりも・・・みたいなこと書いたけど、やっぱり嬉しかったです(笑)
dippa!の検証しながら、コードも書きながら、コンサルの仕事もしながら、共働きの妻と間も無く2歳になる息子の子育てをしながら、正直もう学校も辞めてしまおうかと何度も思ったけど、同じ釜の飯を食ってるような仲間たちがいたので、頑張れたのかなと思います。半年間どうもありがとうございました。