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#22 4000日超の英語学習 〜四方良しの継続のコツ〜

こんにちは、なおきまです。

今回はタイトルの通り、私が英語学習を継続できている裏にある意識について書いていきたいと思います。

この4000日については、大学受験以降ほとんど英語に触らなくなった私が医学部6年生の時にやり直し学習を始めてからの期間のことです。他に学習時間数や日数を公開している方々の大半と同様、中学高校の期間を含みません。

さて、英語学習を継続しているSNSアカウントはたくさんありますが、「普段から英語を勉強している人は周囲にほとんどいない」という人が大半と推察します(私もそうです)。

身近に仲間がいないことは英語学習の継続にはハードルとなります。だからこそSNSで同じように頑張る仲間を見つけ、切磋琢磨していくことで継続の助けになるでしょう。

「私もその一員になれたら」という思いから、日々英語学習の、特に根本的な意識づけや向き合い方を中心に発信しています。

今回、私が考えたのは「英語学習を続ける上で、日常生活で直面する課題について書かれた記事がほとんどない」ということです。

それぞれの人生、それぞれの状況に応じて勉強する中で他者の経験は大きな助けとなるはず。

そのような思いでこの記事では、

①長時間勤務
②モチベーション維持
③周囲からの雑音、ヤジ
④家族の理解


という、学習継続の視点からは壁になりうる4点に焦点を当て、私がどのように向き合ってきたか、私が思う「四方よしの英語学習とは何か」を書いていきます。

本記事の著者:なおきま

医師。某科の専門医、日本医師会認定産業医。医学部時代の短期留学で語学の重要性を痛感し英語学習を開始。

地域の中核病院等に勤務し臨床に励む傍ら、教育研修事業にて米国・欧州・アフリカ地域へも派遣、国際機関の認定教官となる。2024年3月大手通訳学校の同時通訳科を卒業、不定期ながら2023年から海外招聘講演等の通訳を務めている。医師としてフルタイムでの勤務を継続しつつ、2024年10月に通訳稼働は100時間を突破。

【英語検定等】
英検1級、TOEIC LR990 & SW400、国連英検 特A級、工業英検1級(現 技術英検プロフェッショナル級相当)、全国通訳案内士、英単語検定1級、JTFほんやく検定1級(医薬・日英)、ビジネス通訳検定TOBIS 1級、TOEFL iBT 114点(MyBestScore 116点)、EPT (英語発音テスト) 87点、技術英語指導者養成基礎コース修了(技術英語協会) ほか

① 長時間勤務と継続


長時間勤務、というと過労死ラインである残業100H/月を思い浮かべる方が多いかもしれません。これは1日8時間、月20-22日を基準に考えると、月に260-270時間程度の労働時間になります。

私の場合、人手不足の施設で勤務した期間がそれなりにあり、医師人生のうちかなりの期間が月400時間を超えるような労働環境でした。自慢できる話ではないですが、長時間労働での英語学習を語らせたら右に出るものは少ないのではないかと思います。

1日24時間しかない限られた中、学習時間を確保する方法は、

・今までやってたことを早くこなす

・優先順位の低いことをやめるor頻度を減らす

・活用できていなかった時間(隙間時間)を有効活用する

くらいしかありません。

本質的にはどんな時間の捻出方法もその組み合わせです。

ここでは2つ紹介します。

1つ目は「隙間時間を徹底的に利用すること」です。

重要なのは、


3分あれば単語帳
5分あれば解いた長文の読み直し
10分あれば語彙問題
15分あれば長文問題やスピーチ暗唱



のように何をやるかあらかじめ決めておきます。


いつでも取り組めるよう単語帳、問題集、あるいはそのコピーやノート、アプリの入ったデバイスを身近に置いておきます。

この隙間時間、まとめると月400時間労働でもそれなりの時間になります。細切れの時間を有効活用すれば、何か1つ手応えのある成果を得られるでしょう。

2つ目は「まとまった時間を確保すること」です。

基本は朝活のように誰にも邪魔されない時間を確保するか、1つ1つのやることを早く終わらせる努力をします。



30分掃除をして、10分休んで45分かけて買い物に行く。

25分で掃除をしてすぐに買い物。事前に買うものを整理して移動を早歩きにして35分で終わらせる。

これで25分の節約。

実際はこの通りにはいかないことも多々ありますが、このような意識をもって学習時間を確保しようと努めるところから全ては始まると思っています。

小さな意識の積み重ねで、家族と過ごす時間も大切にしつつも場合によっては60分以上のまとまった時間を確保できることもあります。


特に忙しかった時期については、過去にこのような記事を書きました。

参考までにリンクを載せておきます。

② モチベーション維持と継続

モチベーション維持は学習における重要な課題ですが、私は2つのアプローチを意識します。

1つ目が、成果を意識することです。

「英語の勉強を楽しむことが継続のポイント」などとSNSでは言われていますが、

「楽しもうとして楽しめる物事なんてそうそうない」

とここで明言しておきます。

「楽しむ」は感情であり、「理性」「理解」ではありません。

そもそも、楽しもうと思っただけで楽しめるわけがないんです。

「頭では楽しむことが大切とわかっているんだけど…やってみても楽しくないんだよね。向いてないのかな?」と思ってしまう方も多いでしょう。

そういう場合、「何があれば楽しめるのか?」と自問自答して、それを『成果』として意識しましょう。

ここでいう成果とは、

・TOEICや英検での目標達成
・学習仲間とつながる
・仕事に活かす
・転属&転職
・話せるとかっこいい

など、自分がなりたい姿や手に入れて嬉しいものなら何でも構いません。

できれば短期で手に入る成果を定めて、成功体験を1つ作ることをお勧めします。

「自分はやればできるんだ」という感覚を持てると、自然に頑張れるものです。

2つ目は、モチベーションに頼らない仕組みづくりです。

楽しむことと同じで、やる気も感情です。

何かのきっかけで「英語学習をやろう!」と思っても、衝動的に沸いた感情は本当に一時的なもので、数日後にはサッパリ消えている。三日坊主のできあがりです。

やる気は、やると自然と出てきます。

時間を決めてテキストを開く。

英文を音読してみる。

5分経ち、「もう5分か、今やってるパッセージをもう少しやって終わろう」と10分できる。

10分が20分になり、1時間になり、自然と学習継続につながっていく。

このようなプロセスを自然に作れるように、「〇〇の後にテキストを開く」のように簡単に実践できるマイルールを作ることです。

マイルールだけで続けられない人は、勉強する時に「やります」とLINEなど送りあう仲間を持つ、周りにいなければSNSで宣言する、などして強制力を持たせましょう。

そうしているうちに、自然とやることが当たり前になってくるでしょう。

モチベーション維持には、成果への意識とモチベーションだけに頼らない仕組みづくり。

ぜひ意識してみてください。

③ 周囲からの雑音、ヤジ

増えてきたとはいえ、日本で英語を日常的に使う環境は少ないです。

英語を勉強していると、「何で勉強してるの?」「意識高いね」といった奇異なものをを見る声も聞こえてくると思います。

かくいう私も「何を目指しているの?」と言われたことは数知れず。

ここでも「雑音は無視」「嫌味を言ってくる人からは離れましょう」というアドバイスがよく見られます。

顔の見えない関係、かつ文字でのやり取りが中心のSNSなどではそれが正しいことも多いでしょう。

一方、職場などで直接顔が見える人の場合、「嫌味だ!」と突っぱねる前に一旦考えてみてほしいのです。というのも、これらの人は応援してくれる、強い味方になる可能性があるからです。

「何でわざわざ英語を勉強してるの?」と聞いてくる人の中には、本当に理由がわからないで聞いているだけの人が結構います。向こうの心理的にはただの「疑問」、スタンスとしては中立なのです。

ただ、嫌味で言ってくる人と同じ文言で聞いてくるのでどちらか判断するのは難しいだけです。

そんな状態で「そんなの私の自由でしょ」みたいに相手を突き放したり、「何で理解してくれないんだ…」と落ち込んだり、先入観から1人で人間関係のストレスを抱え込んでもいい結果にはつながりませんし、いい人間関係も築けません。

「今はTOEIC 500点だけど、3年計画くらいで800点取って海外系の部署へ行きたいんです。」

など、こちらから目標や勉強の理由を話してみるのも一案です。ちょっとした自己開示ですね。理由や目標は仕事と関係したものである必要はないので、さらっと言えるように準備しておくとよいと思います。

すると「へぇすごいね、頑張って」などとポジティブに受け止めてくれる人もいます。そういう人に雑談の中で進捗を話すと「目標まであと少しじゃん!頑張って!」と応援してくれたりします。

このように純粋な疑問で聞いてくる人には、しっかりその疑問に答えて向き合えば味方になってくれる人も意外といるものです。

実際、先ほど例に挙げた「何を目指してるの?」と言った人は「まじか、すげーじゃん!お前ならいけるよ」と応援してくれるようになりました。

また、職場でそうした話は広がることも多く、「〇〇さん、英語勉強してるんだって?もしよかったらこのプロジェクト参加しない?」のような新しい縁に繋がる可能性もあります。実際私が最初に通訳案件を受けた時も、そのような人と人とのつながりでした。

もちろん職場環境や周りの人の特性によると思います。嫉妬する人、攻撃的な人がいないわけではありません。上記のような対応は、個々の判断で行うのがよいでしょう。

一点注意なのは、普段から自分の仕事に真剣に向かい、周りとコミュニケーションを取り、お互いを理解しやすい環境にしておくことです。理解してほしいなら、まず自分から歩み寄る。建設的な態度で関わり合う。この辺はお互い様です。

④ 家族の理解

英語学習は仕事外の時間、すなわち本来ならば家族のために使えるであろう時間を使うことになるので、家族がいる場合には理解を得ることは必須になります。

私の場合は結婚前から妻に、

・普段から英語学習をしていること

・国内をベースにしつつ海外業務を行う形のキャリア形成を考えていること、将来的には英語教育にも携わりたいこと

・忙しい中でも英語学習を続けることが「自分のために自分の時間を使えているという感覚」の維持に役立っていること(ランニングや筋トレも同様)

などを普段から伝えていました。幸い私のワガママは受け入れてもらえて、英語学習の時間をもらえています。

ここでも一点。当たり前過ぎて書くのも憚られるのですが、家族内のコミュニケーションや家事を大切にすることです。食事、入浴、夜のひととき、休日の過ごし方、掃除や買い物など。

かくいう私も、時々

妻「○時から掃除機かけると言っていたけど、かけるのかい?かけないのかい?どっちなんだい?」

私「かーけーるっ!」

といった具合に、時間を忘れてしまうこともあり反省点は多々あります。

この辺はそれぞれの家庭であり方が異なるものと思いますので、よく話し合っておくことが大切です。モヤモヤが溜まって溢れないうちに、お互いの考えや方針を共有しておくといいですね。

まとめ: 環境を整える

さて、私が英語学習を続られている要因や心がけについて書いてきました。

お気づきの方も多いと思いますが、ここまでの内容は『環境づくり』という言葉に集約できます。私たちは英語学習だけして、霞を食って生きているわけではありません。仕事や遊びの中で色々な人と関わりながら生きています。

忙しくても時間を作る、モチベ維持と仕組みから学習を支える、周りの人や家族とコミュニケーションを取る。

英語学習をする自分がポジティブに受け取ってもらえるように、自分が行動する。

すると、英語学習もより主体的で楽しくなるのではないでしょうか。

経営には「三方よし」という考え方があります。買い手、売り手、世間(社会)の三方に良い影響が与えられるような方法が「いい商売」だ、という名言ですね。

英語学習でも同じです。家族よし、友人&同僚よし、仕事よし、自分よしの「四方よし」の英語学習こそが「いい英語学習」、言い換えれば人生を豊かにする英語学習だと思います

私はこのような思いを持って、引き続き英語学習に邁進してまいります。

長々と書いてきましたが、皆さまの英語学習に何かヒントがあると幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

なおきま

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