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Appleのフォントの話(前編)

iOS 18 Developer Betaを利用して1週間経過した。今回はOSアップデートによる機能の話ではなくフォントに関する話。Appleは凄く丁寧にブランディングされているし、製品やパッケージ、周辺アクセサリ、標準アプリも統一感のある印象。アップデートされるに合わせてフォントも変化してきている。Appleっぽいシンプルなフォントは何が採用されているのか調べてみた。あくまでもフォント好きの素人目線でのすので優しく見ていただけるとありがたいです。ちなみにiOS 18からSF Proに変わってnoteの記事も見やすくなったと個人的に嬉しい。

全部でいくつ扱っているのだろうか

ハードウェアは、iPhone、iPad、Mac、Apple Watchなど、ソフトウェアは、Keynote、Notes、Apple TVなどなど。現在での各プロダクトのデザインポリシーやローカライズの要件に応じて以下のものが使用されている。

・San Francisco
・New York
・SF Mono
・Helvetica Neue
・Arial
・Times New Roman
・Gill Sans
・PingFang(中国語)
・Hiragino(日本語)
・その他のローカライズフォント

iPhone, iPad

  1. San Francisco (SF Pro, SF Compact)

    • メインUIフォント、ヘルプや設定画面などでも使用。

  2. New York

    • iOS 13以降で追加されたセリフ体フォント。

    • 読書アプリやウェブコンテンツの表示に使用。

  3. SF Mono

    • コードエディタや開発ツールで使用。

  4. PingFang

    • 中国語のUI向けに使用。

  5. Helvetica Neue

    • 一部の古いアプリやデザインで使用。

  6. その他ローカライズフォント

    • Hiragino(日本語)

    • Geeze Pro(アラビア語)

    • その他各国語フォント

Mac

  1. San Francisco

    • macOS全体のメインUIフォント。

  2. New York

    • ドキュメントやウェブコンテンツ向け。

  3. SF Mono

    • コードエディタやターミナルで使用。

  4. その他

    • Hiragino(日本語)

    • PingFang(中国語)

    • その他各国語フォント

Apple Watch

  1. SF Pro

    • メインUIフォント。

  2. Helvetica Neue

    • 一部の古いデザインやアプリで使用。

  3. SF Mono

    • 開発ツールで使用。

Keynote

  1. Graphik

    • プレゼンテーションのデフォルトフォント。

    • AppleがKeynote用に採用したフォントで、モダンでクリーンなデザインが特徴。

一旦脱線します。Keynoteなどに関してはなぜGraphikなんだろう。そもそもデフォルトではSFファミリーのフォントがないので、ダウンロードしなければ使えない。早速ダウンロードしてみたんだけど、Font Bookていうアプリ初めて開いたかもしれない。

San Franciscoファミリーのフォントがダウンロードできる。ダウンロードファイルはアプリケーションと同じようにインストールできる。いくつかインストールして見た結果。

GraphikとSF Proを比較してみる。

どちらが見やすいかは個人の好みだと思うが、Graphikの方がアルファベットと日本語のバランスが良く、SF Proはアルファベットと日本語のバランスが異なり詰まっている印象。

日本語用フォント

少し遡ってみると、Appleは日本語用のフォントOsakaも開発している。Mac OSで日本語を使えるようにするソフトウェア「漢字Talk 6.0.7」に、Osakaが標準インストールされていた。macOS 10.11以降も互換性のために一部のアプリでは使われていたが、次第にヒラギノやSan Franciscoに置き換えられていった。話を戻そう。

SFが標準フォント

AppleとしてはSan Franciscoを統一フォントに位置付けているのだろう。Apple Watchはあの小さい画面での設計と最適化のため、Helveticaよりも丸みを帯びたSF Compactを最初からメインフォントとして採用している。Helveticaはベーシックで使いやすく、利口な印象もある。大事な書類にHelveticaを使っていて怒る人は1人もいないと思う。それゆえに失礼な言葉だが飽きてしまう部分もある。San Franciscoはそう意味で言うとモダンで見やすいフォントだし、文字を文字垂らしめる印象もある(言葉難しい…)。

後編も読んでくださると嬉しいです。OSとUIを絡めて、フォントの歴史を振り返りました。

以上


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