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D51の機関室に入ってみた

水戸の千波湖のほとりには、蒸気機関車D51が展示されていて、機関室に自由に入ることができるようになっている。

写真からはわずかにしかその雰囲気は伝わらないかもしれないが、黒い巨大な鉄の複雑な操作盤の存在感は圧倒的で、実物を前にすると、そんなに機関車オタクというわけではない私でさえ、かなりの興奮を覚えた。

この車体は、1941年(昭和16年)3月に国鉄大宮工場で製造され、1948年(昭和23年)7月に水戸機関区に配属となり、1958年(昭和33年)2月大宮機関区に転属されるまで、常磐線の石炭輸送で活躍した。その後、高島線(今では専ら横浜の貨物線)の入れ換えを最後に、総計で地球を46周分も走行したのち、1970年(昭和45年)11月に廃車となったということだ。

かつて誇り高き機関士たちが、汗を流しながら石炭を炉にくべ、数々の計器類をにらみながら、熟練の技と経験で、この機関車を動かしていた時代のことを思うと、何やら感慨深いノスタルジックな気持ちになってくる。人間と機械との幸福な関係について、改めて考えてみたくなる。

日本中に機関車の展示はあると思うが、もし機関室に入れるタイプのものであれば、大人でも遠慮せず、ぜひとも一度は入ってみることをお勧めする。

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