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マーケターが考えるグロース過程におけるSaaSのCSOpsのスタンスや役割について

こんにちは!
株式会社アトラエのWevoxチームにて、マーケティング/カスタマーサクセス/グロースハックを兼任している伊達と申します。

私の所属している、組織力向上プラットフォーム『Wevox(ウィボックス)』では、エンゲージメントサーベイを中心に組織開発や働きがい向上を支援しており、ローンチから6年目になりますが、まだまだグロースフェーズのサービスです。

今回は、そんなグロースフェーズにいるSaaS事業にて『CSOps』としての働き方について共有できればと思いこのnoteを書いています。記事を通して、アトラエで働く雰囲気を少しでも感じてもらえたらと思いますし、Wevoxの価値観やCSOpsとしての働き方に興味を持ってくれる方がいれば、なお嬉しいです!

今やっていること

私のキャリアは、営業からスタートしてBtoBマーケティングやグロースハック、PdMやカスタマーサクセスなど、これまでいろいろな挑戦に恵まれてきました。広く深く本当にさまざまな経験を積ませてもらったと感じています。

そんな中、最近「CSOps」を採用しようという動きがあり、「CSOpsとしてどんなことやってるか教えてよ」と採用担当者から声をかけてもらったのですが、「そもそもCSOpsってなんだ?笑」という疑問が浮かびました。

SaaSにおけるCSOpsって?

改めてCSOPsを言葉のまま捉えると、CSOps = 「Customer Success Operation」ということになり、システム・オペレーション面からプロダクトを通した顧客の成功を支援すると読み取れそうです。

また、openpageの藤島さんのまとめを拝借すると、

「カスタマーサクセス組織が効果的、効率的に運営され、ビジネス戦略と目標をサポートするための一連のビジネス活動とプロセス」

https://note.openpage.jp/n/nb21f01d61dd1?gs=8b5091d69354

という言葉で非常に綺麗にまとめられていました。

ふむふむ、つまり「カスタマーサクセスを実現するため、あるいはカスタマーサクセスチームを支援するために、ビジネス戦略と目標の達成をシステム・オペレーション面からサポートする人材」ということになりそうです。

と、自分なりに解釈してみましたが、システム化やオペレーティブなアプローチと聞くと、個人的には「守り」の印象が強くなる気がします。

ただ、SaaS(特にスケールフェーズにいるアーリー〜ミドルフェーズあたりのSaaS)においては、守りだけではなく、「攻めを作るCSOps」が大事なのではないかと感じています。

そこでさらに考察を深めるために、まずは私がやっている業務について書き出してみました(一般的には私の業務も「CSOps」という職種に重なると考えています。)!

  • データ分析

    • サイト内情報はGoogle AnalyticsやHotjarを使って分析しています。Hotjarは動画形式でユーザーの動きが見れるのでおすすめです。

    • ユーザーの実際のプロダクト内での状態分析には、Bigquerryを使っています。Redashも使いますが、最近はLookerでビジネスサイドでも検索・データ探索ができるように、Bigquerryを活用することが多いです。

  • 業務改善:Salesforceを使って自動化を行うことも多いですが、限界があるので、Zapierも併用しています。Zapierは業務改善以外にはSendgridと連携してBigquerryと合わせ技でプロダクト内での行動に合わせてメールを出しわけたりしています。

  • グロースハック:エンジニアとの連携が多い領域ですが、ノーコードでやれる部分はIntercomでBizサイド&デザイナーだけで、できるだけ完結させるようにしています。

  • LP作成:LPもノーコードで実施できるようにStudioを使っています。WevoxのLPは全てStudioですし、ヘルプセンターなど既存ユーザー向けのサイトなども一部Studioで作成しています。

  • SFA/MA:Salesforce & Pardotを活用しています。Pardot(MAツール)では顧客情報に合わせたCRMメールや、セールス/CS担当への通知/連携、プロセスの自動化、ダッシュボード作成などで活用しています。

余談ですが、好きが高じて探求を続けた結果、Pardot(Accout Engagement) Award 2022にも選出いただきました。

本件はとても嬉しい受賞でした。Saleforceの皆さん、いつもサポートありがとうございます!

CSOpsに求められるスタンスとは?

では、「攻めを作るCSOps」とはどのようなものなのか?

私は「攻めのCSOps」には下記の2点が必要だと考えています。
①全ての活動が顧客への付加価値に繋がること 
②顧客への付加価値を生み出す為にチャレンジし続けていること 

私が考える攻めのCSOpsに求められるスタンスとは、「顧客への付加価値と真摯に向き合い、付加価値を生み出す為のチャレンジをし続ける」ことだと感じています。

Wevoxのように、グロースフェーズにいるSaaSにおいては、誰も正解を持っていない状況も多く、より高い付加価値に挑戦できるチャンスは至るところに転がっているのではないでしょうか。
そのチャンスを、人の手を介さない形でどう価値転換できるか(事業企画的な観点)、あるいはチャレンジした方が良さそうな領域の解像度をどう高められるか(データ分析的な観点)に、とことんこだわることが「攻めのCSOps」にとって重要だと考えています。

余談ですが、私はカスタマーサクセスチーム(CSチーム)にも所属し、お客様と対話をさせていただくことがありますが、CSチームが持っているノウハウは、まさに宝の宝庫だと思っています。

1顧客に引っ張られすぎない視点ももちろん大事ですが、お客様と対話の中で得る深いインサイトから顧客視点でどのようなアプローチが必要なのか、またそれを顧客・事業双方の視点でwin-winになるような仕組みや機能にどう組み込むのかを考えるための材料が、CSチームが持っているノウハウには多くつまっています。

ただ、現場で顧客と向き合っている状況ばかりが続くと、どうしても『自分が』『目の前のお客様』のペインを解消したい!という思考が強くなりがちです。その際、俯瞰して同じ価値をより多くのお客様に届けるにはどうすれば良いかという視点が持てると「攻めのCSOps」としても付加価値を高められるのではないでしょうか。

CSOpsに求められる役割とは?

続いて、CSOpsに求められる役割について書き出していきます。
CSOpsに求められる役割は、大きく下記2点だと考えています。

①顧客に価値を届けるプロセスを滑らかにすること(イシューの解決に向けて前進させること)
②価値につながりそうな種の解像度を上げること(イシューそのものを発見すること)

それぞれの具体的な業務イメージについても書き出してみますね。

①顧客に価値を届けるプロセスを滑らかにする

SaaS事業においては、お客さまの状況に関するフィードバックを定性・定量の双方から大量に得ることが可能です。

定性面では、
・サポートデスクに寄せられる問い合わせや
・CSチームが顧客折衝で得る具体的な顧客状況

定量面では、
・サイト内での動向やページビュー/ログインなどのデータなど
あげればキリがないですが、データベースやGoogle Analyticsに蓄積されている顧客データになります。

ここで求められるCSOpsの役割は、大きく以下2つの観点が大事だと思っています。
1. データが取得できない状態を取得できる状態にする
2. 定性/定量のデータから攻めるべき領域を考える

前者については、
・他チームから共有を受けられる状態にしておくこと
・CSやSupportチームが得た知見や事例がチーム全体に還元される仕組みを作ること
・重要なタイミングで顧客からのFBが得られるようアンケートやNPSの取得を考えること
なども含まれます。

また、後者についてはそのデータを元に、より多くの対象に価値提供を行う方法(量の観点)や、個の能力に関わらず多くの顧客に同じ価値を届ける方法(質の観点)を考えるなどでしょうか。

② 価値につながりそうな種の解像度を上げる

もう一点は、なんとなく良さそうだがチャレンジには至らないことや、可能性が秘められている領域の解像度を高めることで、次のチャレンジを作っていくことです。

日々顧客と接点を持つ中で、得られる学びは非常に多く、その学びをチャレンジにつなげるためには、一度俯瞰して目的や手段をしっかりと考え思考を深めることが大事だと考えています。ただ、そうは言っても、スピード感ある業務サイクルの中で具体から抽象に一気に思考をジャンプさせ施策を考えるのは、結構なエネルギーを要するので、結果的に想いはあるし「なんとなく良さそう」だけど、実行には至らないことが多くなりがちだと思います。

このように、重要ではあるが誰かが責任を持って実行に移していかないと流れてしまうようなポイントに足を突っ込み、主体的に次の可能性を模索すること(新しい価値の種を生み出すこと)もCSOpsに求められる大事な役割ではないかと思っています。

日々に忙殺されチャレンジに足踏みすることが私も多くあります..

貢献を考えるとアプローチが変わる

少し話がずれますが、アトラエにはコアバリューとして、「Atrae is Me.」という考え方があります。

https://atrae.co.jp/culture/values/

これは、アトラエらしさを個々人が全力で考え、ビジョンの実現のために個々人がどのような貢献ができるかを主体的に考えることを意味しています。

アトラエではこの考え方が至る所に浸透していて、私もこの問いに立ち返ることが多くあります。

顧客に届けるべき価値(より解決すべきイシュー)に悩んだ時には、目の前の人に届ける価値と、そこから得た学びをより汎用的な価値に返す方法、どちらがよりアトラエの未来につながるかを、常に自問自答するようにしています。

最後に

気づいたらかなりの文量になってしまってましたが笑、、ここまでお読みいただいてありがとうございました!
SaasにおけるCSOpsの役割について、私もどんどん解像度を上げいければと思いますが、本記事が少しでもお役に立てていれば光栄です。

また、アトラエ/Wevoxについてご興味を持ってくださった方は、お気軽にご連絡ください🙆‍♂️
https://www.facebook.com/naoki128/


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