地方のプロモーション
地方創生の手段の一つによく使われるのがプロモーション。移住、観光、ふるさと納税など、人を呼ぶ、外貨を獲得する、関係人口を創出する際の手段。
確かに、認知されていなきゃ何も始まらないのでプロモーションは必要ではある。ただ、プロモーションといえば、クリエイティブだよね、みたいな考え方は微妙だと思ってる。
何が微妙かって、認知拡大の手段はプロモーション以外にもあるし、それを検討し尽くしてない感があるからだ。
都市部のクリエイターがつくる動画、サムネ、画像、チラシ、ポスターは凄くプロの仕事。でも、ゴールがないから、心も動かないし人も動かない。
めちゃくちゃ感じるのが、フォーマットでもあるわけ?ってぐらい、どこの地域も同じ内容のクリエイティブが作られてる。
観光も移住も、ほぼ全てが自然、自然、自然!食が最高!人が良い!確かにその地域の魅力の一つではあるんだけど、考えきれてないでしょ?って思ってしまう。
例えば、射止めたい意中の異性がいるとする。ライバルがバラ10本を贈ることを知って、じゃあ私はバラ20本贈るぜ!と同じことをしてる。
何が言いたいかというと、相手のことを全く考えてない。思考量が全く足りてない。
相手視点で考えるとは、例えば、アパレルショップで働いてる人としよう。
・仕事が終わるのは20時過ぎ
・友人と休日が合わない
・仕事柄、服にはこだわりがある
※職業が分かってれば想像できる
きっと、あまり外食できないし、飲むとしても家が多そうだな。じゃあ、自分が入手できる範囲で、手に入りづらいワインか、カラスミか、グラスか。
もしプレゼントが微妙ってなったとしても、バラ20本よりはマシ。相手は、プレゼントのセンスないやつ、って思うかもしれないけど、私のこと、そこまで考えてくれて選んでくれたんだって思い、嬉しくなる。
あいつがバラ10本だから、俺は20本にしたよ!よりも、あなたって、こーだから、これとこれとこれでプレゼントを悩んだけど、カラスミにしたね。って言った方が愛が伝わる。
プライベートでは外すことがあるかもしれないけど、ビジネスはしっかり考えれば大きく外れることはない。しかも、相手からすると、今回は考えるスコープがズレたけど、ちゃんと範囲を指定すれば深く考えてくれそうだなって評価される。
ここまでが顧客視点。
じゃあ地域の強みは?ってなるよね。自然と食も人も最高なリソース。ただね、その地域に来る人は、新幹線や飛行機にお金と時間を使って、自然や人、食を堪能しにきてるんじゃない。観光で言うと、非日常な体験をしに来る。移住で言うと、働きに来るのではなく、自分の人生を良くするために来る。
本当に相手のことを考えると、訴求するメッセージが変わってくるし、媒体も変わる。もっと言うと、制度・スキーム・料金・支援体制も変わる。もちろん、地方に来て欲しい人も変わる。
こんなことは決してないと思うけど、どの地域も自分たちのWINが先行して、相手が蔑ろにされてるような気がする。
あんまりあなたの人生を考えきってないけどさ、自然とか最高だから、まぁ来てみてよ、なスタンス。そんなの透けて見えるから、人は来ないよね。
成功というか、人が流入してる地域は、相手のWINが明確だし、自分たちのWINも設計されている。そしてサービスが完璧に設計されている。
最後に、1:5の法則を紹介。
新規顧客獲得は既存顧客の維持より5倍のコストがかかる。訴求メッセージも効果検証もできないことに投資するのではなく、その資金を既に来訪しているリピーターや地域に使った方が、流出は防げる。つまり、相手の不を把握せず、その不を解消する仕組みも作ってないのに、プロモーションってゆう飛び道具に飛びつかないことが大事。
まずは、現状の延長線上で考えに考え抜いて、その手段がプロモーションであれば、間違いなく効果は出る。手段もいろいろ考えつくはず。
この世の中は答えのないゲーム。なので、複数の選択肢を作り、選択する。相対的に答えに近づけるプロセスが重要。
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