大会スポンサーとブランド
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大会スポンサーとブランド

松岡 直紀

注目を集めるスポーツの場とビジネス

今回のテーマは特にスポーツにおいて企業活動として大きな資金が動く大会スポンサーとブランドの関係について書いていきたいと思います。ある程度大きな大会になってくると、必ず大会スポンサーが多額の費用を払ってその大会へのロゴ掲出やTVCM枠の確保などを実施するようになります。近代スポーツにおいては競技そのものが人々の注目を浴び、多くの人の目に付くスポーツのスタジアムなどは企業が広告活動を行うには格好の場所となっています。企業側からすると商品やサービス・ブランドを告知するには効率が良く、ビッグな大会になればなるほど、メジャーなスポーツになればなるほどそのスポンサーフィーは高額になります。大会運営側からすると、大会運営に関わる多額の費用を賄えることに加えて、あらゆるマーケティング・プロモーション活動の資金を得ることができるので大会そのもののクオリティアップが図れるようになります。
このようにスポンサーフィーという大きなお金が動いていくという状況が生まれ、近代のスポーツを「スポーツビジネス」に変えた一つの大きな要素でもあります。

サッカー日本代表戦の地上波放送なし

ここまでは何も説明することもないような基本的なことなのですが、今般、その大会スポンサーという形に少し変化が出てきています。私がスポーツビジネスに関わり始めた4〜5年前くらいから徐々に変わり始め、今ではその動きは明らかになってきています。
このところ実施されているサッカーワールドカップのアジア予選についてのテレビの地上波の状況がまさにその姿を表していると感じています。アウエーのゲームの地上波放送がなくって、DAZNが独占放送をする、という形になっているのです。地上波放送がなくなったから、という理由もあると思いますが、ピッチ上に掲出されるスポンサーロゴも日本の視聴者向けと思われるものは少なくなっていると感じました。アウエーのゲームについては、ライブ放送の場合、深夜放送となることがあり、元々視聴率自体は悪いのですが、それでこれまではサッカーというメジャースポーツで、かつ日本代表戦という注目度の高いゲームは地上波放送されてきました。今回、それが打ち切られるような形となったのですが、これは視聴率を取れないから取りやめたという側面以上のことを示しています。

ブランドにとって何が大切か

その変化は色々な要因があって起こってきていると思うのですが、

ロゴ掲出だけでは認知そのものは上がらない
嗜好性の強いスポーツの視聴者層が明確化
地上波放送そのものが力がなくなってきた

などが考えられると思います。そもそもロゴを掲出するだけでブランドが確立したり、商品やサービスが売れる時代はとっくの昔に終わっているし、スポーツのような嗜好性の高いコンテンツはDAZNのようなサブスクのオンデマンド放送に変わってきています。相対的に地上波の広く遍く情報を届けられるという特徴が、今後求められる企業活動とは乖離し始めていると考えています。
ここで考えるべきなのは、では特にブランドにとってスポーツという場をどう定義し、スポーツビジネスの環境の中でどう関わっていくか、を戦略的に考えることです。この #みんなのブランディング では何度も書いている通り、ブランド側に求められているのはブランドからのメッセージや世界観を伝えていくことです。このブランドにとって大切なタスクをスポーツを通じてどう伝えるのか、それを考える時期に来ているのです。

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松岡 直紀
主にスポーツ領域でブランディング・マーケティングのサポート事業を展開するallcompass 代表。P&Gをはじめ、ブリヂストン、ポルシェ、スペシャライズドなどでマーケティング・ブランディングに従事。多くのスポーツマーケティング/ブランディングの業務に多く携わっています。