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医師起業日記_vol.46_メンタル不調から立ち直るスピードの差

メンタル不調のとき、どうするのか?

メンタルが崩れてしまったとき、そこから立ち直るスピードには差があるように感じる。当然ながら、崩れていた期間や、それ以外の科学的要素による差もあるはず。

しかし、完全に立ち直った一経験者として、また自分の周囲で同様の経験から復帰した人を見て、メンタル不調からの立ち直りスピードへの影響因子には、一定の共通項があることも感じる。

これは結構あなどれないテーマだと個人的に思う。実は、科学的なアプローチにこだわるほど、なぜか治療に難渋するというのも結構あるあるだ。一体、なぜこのような差が生まれるのだろうか。

今回は、実際に支援するなかでメンタル不調からしっかりと立ち直られる方を見てきた経験からお話ししていく。


パートナーがそばにいるか、背負うものがあるか

これは非常に大きいファクターの一つだと感じている。

回復スピードが早い人は、定期通院のカウンセラーや親ではなく、完全に心身一致レベルで常にそばに、かつ味方でいてくれる存在がいることが多い

注目すべきは、この味方というのはおおむね親や兄弟ではないという点だむしろ、このポジションが親だと、反対に回復スピードが遅くなる傾向を感じる

親がどれだけ味方で受け入れてくれていても、それが回復スピードにあまり寄与してこない。これは、どんなに恵まれた家庭でも存在する、親との間にあるほぼ気づかないレベルの葛藤が、

実はそのメンタル不調の根本原因になっていることが多いからだと考えている。とはいえ、本人がこれに気づくのは非常に難しい。だって、今も昔も、一見、普通に味方ではいてくれるからだ。

この葛藤を「葛藤あるね、でもこれからは関係ないからとらえ方を変えよう」で処理するカウンセリングが多いが、これは正直あまり奏効しない。これが恐ろしいポイントだ。

なぜそうなのかは第3項でさらっと記載しているが、メンタル不調から立ち直るのに最も肝要なことの一つが、認知行動療法ではなく「自己受容」だからだ。これを達成するには、本当に心身一致レベルの味方が必要。

夫もしくは妻、同棲している恋人がいたり、子どもがいたりすると回復スピードは明らかに早い印象がある。無論、彼らが真に味方でいる場合に限るが。

守るものがある、圧倒的に味方で守ってくれる人がいる、これはなみなみならぬ前進エネルギーになる。


「"科学的に"治したい」を捨てられるか

怪しい画像になってしまった笑

東洋医学的というと語弊があるかもしれないが、基本的に「科学的に証明されているか」「科学的にアプローチしてくれる機関か」に固執した手法や場所でなんとかしようとすると、

これが本当に何ともならないことが多い。何なら「それでもなお、治りがそこまでよくない」という事実に絶望して、自己否定を感じてしまったりして、病状はじわじわと遷延する。

なぜ東洋医学という言葉を使ったかというと、基本的に西洋医学に比べて、その類のアプローチは、特に理系人間へのウケが悪いからだ。

やっぱり育った環境で、論理・科学への傾倒が染み付いていると厳しいようだ。いつまでも科学的なセラピーにとらわれてしまう。

ところがどっこい、実は逆に西洋医学的でない、心身を全て統合された存在とする観点を有するアプローチをすることで、癌が退縮するという研究まである(魔法の水とかそういう詐欺商法の話ではなく)。

科学的アプローチに固執している人は、自分の信じている世界以外をシャットアウトする気質があることが多い。自分が信じられるものしか信じないので、どうしても「本当に欲しい"完全に治った"という成果」より、

「自分が信じられるものが何とかしてくれるのではないかとすがってみたけど、だめだった現状」の方を無意識的に求めてしまう。これってなかなかにこわいこと。

だから、自分が考えうる、そして自分の身近な人が考えうる、論理的・科学的に正しい方法以外のアプローチを受け入れる器量がないといけない。当然、メンタル不調の最中にそこまで考えるのは難しいのだが。


自分を本当の意味で受容する勇気をもてるか

やや前項とかぶるが、ここが大きな差を生むことは間違いない。なぜなら、立ち直れていない人の多くは「受け入れたフリ」を繰り返すことで、無理やり受け入れようとしてしまっているからだ

「自分は〜しなくてもいい」「不完全でいい」と何回唱えて言い聞かせて、認知行動療法したところで、治ろうはずもない。「大谷翔平はすごくない」と何回唱えても、大谷翔平のイメージは変わらないはずだ。

そのくらい、価値観は表面的に変えるのが難しいものなのだ。

仕方がないと言えば仕方がない。多くのカウンセラーはそのようにアプローチするし、当人からしても、科学的な医療機関が提供してくれるのだから、それが正解なのだと思ってしまう。

しかし、自己受容というのは『自分に言い聞かせるルーチン』では決して到達できない。この事実を受け入れられるかどうかも大事だろう。

「よくわからないアプローチはこわいから、自分はまたいつものクリニックか、ちゃんとしてそうな違うクリニックに通い続ける」と1人合点してしまった時点で、もう手のつけようもない。


このようにメンタル不調から立ち直るスピードというのは、本当に個人差があり、そこにはぼくの主観および自分の周りの優秀なコーチからみてもそういった共通項があるようだ。

無論「大規模研究ではこんな反証がある」という反論ももしかしたらあるかもしれない。ぜひそうしたご意見があれば、コメントでお願いします。


走り書きですが、少しでも参考になっていれば嬉しいです。


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