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医師起業日記_vol.15_「将来不安の解消」のために「挑戦」を小さくすべきか?

人生100年時代、インフレ、高齢化

「インフレで現預金だけでは将来ツむから、長期投資しとかないと」

なるべく早く投資を始めようという波がきている。NISA・iDeCoへのフルベットなどなど。何事でも分散投資するというのはとても大事なことだ。

しかし、長期投資に集中すると、現在の自分に対する投資というのが難しくなってくる。40代の安心を買うために、現在への投資を目減りさせるのもつらい。

また、詳しくは後述だが、人間は将来に注目すればするほど、幸福度に支障をきたすようにできている。慎重派・保守派の考えで将来に向き合うと、どことなく息苦しい。


なぜこのテーマを今回書くかというと「ゴール設定はどのくらい先まで見据えればいいのか」という質問をいただくことが多いからだ。

「何年先まで?」という質問に対しては、我々は「3年」という共通見解を持っているが、この点に関しては異論もあるはずだ。

ただ、目標設定の「高さ」に関しては、「これが望ましいのではないか」という考え方を持っている。それは「◯◯目標と◎◎目標」というコンセプトだ(後述)。


今回は、それに関連して「結局、将来不安に対してどう向き合うべきなのか」という話を書いてみる。


過去・現在・未来への意識のバランスが人のパフォーマンスを上げる

人間というのは、三つの時間軸に対する関心のバランスが崩れると、心身に負担を感じるようにできている

過去
・自分はこんなことを頑張ってきた
・自分はこんなことができなかった
現在
・現在やりたいことは何なのか
・現在できることは何なのか
・今日やるべきことは何なのか
未来
・将来どうなりたいのか
・将来どうなりたくないのか

よく「うつ病になりやすい人は、過去か未来に意識をずっと持っていかれている傾向がある」と言われている。これはまさにその好例だろう。

未来ばかりを考えていると、ワクワクする反面、「目標に達することができなかったらどうしよう」というネガティブな予感もまた増大してくる。

行動経済学的にも、ネガティブな事象・思考は、ポジティブなそれの6倍影響力があると言われている。たくさんのポジティブがあっても、一度のネガティブで吹き飛ぶのが人間の心理。

だから、将来のことばかりを考えて備えれば備えるほど、キリがなくなってくる。ネガティブな予感がどんどん湧いてきてしまうわけだ。

そうとらわれているうちに月日がすぎ、現在をとことん謳歌する時間・体力・精神力がなくなってしまうのはあまり望ましいことではない。未来も毎日考えすぎるのはいまいちだ。


過去に注目しすぎると、人はうつになる

逆に、過去に注目しすぎるのもなかなかに危ない。ここも未来と似ているのだが、どうしても「できた・達成した過去」よりも「できなかった・失敗した過去」が浮かびやすいこと。

仮に「できた・達成した過去」ばかりが浮かぶとすれば、それは無意識的に無理ポジ(無理やりポジティブ)してしまっている可能性がある。

過去で自分を規定し始めると、現在からどのように自分を変容・成長させていこうかという視点がどんどん抜け落ちる。何大卒か、どんな実績を残してきたかを自分に・人に説明すればするほど現状維持は強化される。

だから、過去というのは自分の特性を見極める観点、自分が達成してきた行動・結果により自分に対する自己効力感を高める観点でのみ振り返るのが大事だろう。


minimum目標とmaximum目標により、不安解消と挑戦を両立

結論、目標設定をする時に「最低でもこうなっていたい」「ここまでいければ最高すぎる」の双方を置いておくことが解決策になりそうだ。そうすると現在にも迷いなく集中できる

何となく「資産◯億円」と置いても、後で「今更何に使うんだろう、何のために頑張ったんだっけ」となってはもったいない。

逆に「人生は常に今しかない」と貯蓄もほとんどない状態で走り続けると、転んだ時に再起不能になってしまう。

だからこそ、minimun目標とmaximum目標を作っておこう。そうすれば、「達成できなくていいや」で中途半端な飾り目標になることもないはずだ。


走り書きだが、少しでも参考になっていれば嬉しい。


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