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医師起業日記_vol.19_なぜタスクに追われている方が楽なのか?
セルフ・ハンディキャッピング
「◯◯も◎◎もやらないといけなくて忙しい」
「ただ、忙しいと人に必要とされていると感じられて嬉しい」
毎日、するべき様々なタスクがふって湧いてくる。こういった状況は誰にでもあるし、むしろエリートと称される人たちには"あるある"なのではないだろうか。
かくいう自分もそんな状態になることが時折あった。「創業期ってそんなもの」と思っていたし、むしろ「暇になる・立ち止まることが怖い」みたいな気持ちもあった気がする。
たしかに仕事をいただけるというのは、どんな人にとっても喜ばしいことだ。最もつらいのは、仕事を任せられなくなることだといってもいい。
しかし、この状況を放置して良いかと自分に問うてみると、答えはNOだろう。タスクに追われると、気付かないうちにゴールからものすごい遠回りをしていることが多い。
この心理現象は、セルフ・ハンディキャッピングという名で知られている。なんでこんな生物学的にも望ましくない心理現象がおこるのだろうか。
実は、この心理現象も、当人にとって隠された大きなメリットがある。
タスクに追われたくなるワケ
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セルフ・ハンディキャッピングが発生する場面の一例を考えてみよう。
若手のA医師は、「3年以内にビジネスオーナーになりたい」という目標を掲げている。
しかし、家庭もあるし、病棟業務も医師バイトもあるし、他の仕事も掛け持ちしている。じっくり考える時間もはなかなかとれない。
そうしているうちに「今は資金を貯める時期だから」「今は忙しいから」と本当に目指すべきゴールの期限もボンヤリしてきた。
「頑張ることで何かゴールに繋がるはず」と考えてがむしゃらに仕事を頑張る。そうしているうちに数ヶ月が経過した。
一向に状況は変わらない。どうしていいのかもわからなくなってきたが、変わらず忙しいので考える時間はない。
このA医師の場合、ゴールは「3年以内にビジネスオーナーになる」と置いているのだが、直近の行動は「現状を維持する」方向に進んでいることがわかる。
こういった状況は、誰しも経験したことがあるはずだ。この状況を維持したくなってしまう人間の深層心理はどうなっているのだろう。
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「頑張っていれば、自然と自分の状況を変える転機はきてくれるはず」
「明確なゴールと計画を考えるのが億劫だし、自分では立てられないから」
こんな心理がある。かつこのさらに奥底に、セルフハンディキャッピングの最大のメリットがある。
「真の問題に本気では向き合っていない」という痛みを「自分は本気を出している"感"」でごまかすことができる
実は日常のささいな場面でも、このセルフ・ハンディキャッピングは発生する。例えば「試験直前なのに、部屋の掃除ばかりしてしまう」というのもこれだ。
このように、人間は「真の問題に向き合う」という痛みを、タスクに追われて忙しくすることでごまかそうとする性質を持っている。これは本能なので、きちんと意識して是正したい。
勇気を出して「手を止める」
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セルフ・ハンディキャッピングの解消方法は、シンプルだ。
毎週、最低でも1時間、タスクをせずにゴールや本音に向き合う時間を設けること(絶対に終わってないタスクをしたりしない)
これは固定した曜日にカレンダーに予約として入れてしまうことが重要だ。間違っても毎週気が向いた時に予約なんてしてはいけない。続かない。
ただ、このような時間を設けることで、自分が本当に向き合うべきは「目の前を"betterに見えるタスク"で忙しくすること」ではないことに気づくことができる。
という自分も気を抜くとこうなりかねないと常に感じる。自戒を込めて、このnoteにまとめてみた次第だ。
走り書きだが、少しでも参考になっていれば嬉しい。
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