M&A会計士

M&A業界歴10年以上の会計士。30代後半。 Big4系FASや国内証券会社で…

M&A会計士

M&A業界歴10年以上の会計士。30代後半。 Big4系FASや国内証券会社で、TOB・組織再編から事業承継まで一通り経験。働き方を変えたくて独立を目指す。不動産投資も継続中。趣味は現在1歳の息子との散歩。

最近の記事

上場企業における第三者割当増資の手続き(まとめ)

こんにちは。公認会計士としてM&A業界に約10年携わってきました。今回は、上場企業が第三者割当増資を実施する場合の手続きについてお伝えします。 公開会社である上場企業が第三者割当増資を実施する場合、会社法に基づく各種手続きに加え、金融商品取引法上の開示や金融商品取引所規則に基づく手続きも必要となります。本記事では、上場企業における一般的なケースを想定し、実務上必要となる各種手続きやスケジュールを検討する際に役立つ情報をまとめました。 ただし、個別案件の状況によって必要な手続き

    • WACC(加重平均資本コスト)の計算

      こんにちは。公認会計士としてM&A業界に約10年携わってきました。今回は、DCF法の割引率として使用されるWACCについて、具体的な計算方法や実際にどのような数値を拾って来ればよいかなど、実務で活用できる内容をお伝えします。 ただし、WACCの計算は、各算定機関のポリシーによって異なることも多く、あくまで一例としてご参考にしていただければと思います。 1. WACCとはWACC(ワック)とは、Weighted Average Cost of Capitalの略で、加重平均資

      • 企業価値評価(DCF法による評価の概算額を知る方法)

        こんにちは。公認会計士としてM&A業界に約10年携わってきました。今回は、企業価値評価の中で最も理論的かつ計算が複雑と言われるDCF法(ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法)について、ざっくりとした評価イメージを把握するための考え方・実際に活用できる計算方法を(独断と偏見を交えて)お伝えします。 専門的な内容や詳細な計算方法には触れず、経営者や売手目線でざっくりとした評価イメージを掴むためのものという点はご了承ください。 1. DCF法とは?DCF法とは、会社が将来生み

        • 企業価値評価(類似会社比較法について)

          こんにちは。公認会計士としてM&A業界に約10年携わってきました。今回は、企業価値評価の中でM&Aにおいて広く一般的に用いられている類似会社比較法について、ざっくりとした評価イメージを把握するための考え方・実際に活用できる計算方法を(独断と偏見を交えて)お伝えします。 詳細な計算方法には触れず、経営者や売手目線でざっくりとした評価イメージを掴むためのものという点はご了承ください。 1. 類似会社比較法とは簡単に言うと、自社と事業内容などが類似する上場会社の株価と比較する(言

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          企業価値評価(中小企業M&Aで用いられる年買法について)

          こんにちは。公認会計士としてM&A業界に約10年携わってきました。今回は、企業価値評価の中で、中小企業M&Aにおいて定着した評価手法である年買法について、考え方や計算方法などを簡単にお伝えします。 年買法はわかりやすさ・公平性を重視した方法である一方、企業価値を理論的に正しく表すものとはいえないため、あくまで参考程度にとどめておくとよいでしょう。 1. 中小企業のM&Aで用いられる手法中小企業のM&Aにおいては、年買法という評価手法が用いられることが一般的です。年買法は、会

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          事業承継(M&A)の相談先の失敗しない選び方

          こんにちは。公認会計士としてM&A業界に約10年携わってきて、色々思うところや専門的な内容も含めて記事にしていきたいと思います。 1. 身近な相談先オーナー経営者が第三者への事業承継(M&A)を考えた際、身近な相談相手としては以下の選択肢になると思います。 1.顧問税理士 2.取引金融機関 1.顧問税理士については、確かに長年会社の顧問税理士として会社の実態をよく把握しているため、一見すると相談すべき相手に思えます。しかし、税理士は税金を安くすることには精通しているものの

          事業承継(M&A)の相談先の失敗しない選び方