「伝え方が9割」才能ではなく技術

結論 言い方や伝え方の技術を手に入れれば、ビジネスマンとして、そしてひとりの人間として「新たな世界の切り口」になる。

1 「強いコトバ」は技術で作れる!

「記録より、記憶に残る選手」これは、プロ野球で語り継がれているコトバです。これは、「記憶に残る選手」を強めるために「記録より」というワードを付け足すだけで強いコトバに生まれ変わるのです。強いコトバにするための5つの方法について説明しよう。

①「ギャップ法」

ギャップ法は伝えたいことと、正反対のコトバを先に述べることで、強いメッセージを作ることができるものです。これは多くの名言でも使われています。例えば、「点は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」は、福沢諭吉の「学問のすゝめ」の中の有名な一節です。ここでは、「人の上」と「人の下」がギャップになっています。

②「サプライズ法」

この技法は極めてシンプルで、文章に適した「サプライズワード」を入れるだけです。「海賊王に俺はなる!!!!」がいい例になります。「海賊王に俺はなる」このようにサプライズワードを入れないとクールな感じになります。逆にサプライズワードを入れるだけで、強いコトバに生まれ変わるのです。

③「リピート法」

リピートするとその言葉が頭の中に残りやすく、伝えたいことを時短で表すことができます。「女々しくて、女々しくて、女々しくて辛いよ」は、歌詞の一部ですが、人の記憶に残りやすく、真似したくなるものです。

④「赤裸々法」

この方法は、人間味があって人を惹きつけるコトバを容易に作ることができます。「やめられない、とまらない、かっぱえびせん」がよい例ですね。この赤裸々法は意中の人を口説く時に使うのも効果的かもしれません。僕が考えたものだと、「頭が真っ白になるくらいあなたが好き」ですね。こんなことを書くのも「顔が真っ赤になるくらい、恥ずかしい」ですね(笑)。

⑤「クライマックス法」

クライマックス法は、「これから重要な話が始まるから聞かなければならない」と集中力を高めさせることができ、此処一番の時に使える技術です。学校の先生が、「ここテストに出ますので、よく聞いてください。この文章の和訳は〜」と言われれば、より一層注意して先生の話を聞いたものです。日常やビジネスでも、「ここだけの話だけど〜」「あなただけには話します」など文頭に持ってくることで、後ろの伝えたい文章のコトバを強めることができます。

結論 強いコトバを作る方法

1 ギャップ法

2 サプライズ法

3 リピート法

4 赤裸々法

5 クライマックス法

2 「ノー」を「イエス」に変える方法

ステップ1 頭の中の言葉をそのままコトバにしない

頭の中に思ったコトバを口にすることで、反感を招きやすくなり「ノー」を言われやすいのです。あなたは同僚に上司との飲み会に参加してほしいとします。同僚に上司との飲み会についてきて欲しいからといって、「同窓会参加するよな」と言った際に、好きな上司でなければ「ノー」と言われる可能性が強くなります。

ステップ2 相手の頭の中を想像する

自分のお願いに対して、相手はどう考えるのか、普段相手は何を考えているのか、「相手の頭の中」を想像します。先ほど同僚に上司との飲み会を誘いましたが、同僚は「行く意味がない」「そこまで私のことは気にされてない」と考えて「ノー」と言うかもしれません。そこで、あなたが「上司は同僚の◯◯くんのこと気にしてるよ」と伝えたらどうでしょう。同僚も「気にしてくれているのなら行ってもいいかな」と少しは考えるのではないでしょうか。

ステップ3 相手のメリットと一致するお願いをつくる

「気にされているなら行ってもいいかな」と思っている相手のメリットと、「同僚に来て欲しい」と言う自分のメリットが一致するお願いをつくっていきます。そこで、「◯◯が来ないと盛り上がらないんだ」と言ってあげましょう。そしたら、同僚も行っても悪い気がしないなと思うはずです。

このようにして、相手の「ノー」を「イエス」に変えやすくなります。

3 「ノー」を「イエス」に変える切り口


「イエス」に変える3つのステップの中の2番目にある「相手の頭の中を想像する」時の7つの切り口を説明していきます。

1 あなた限定

先程の例を引き続き使うと、同僚に「◯◯さんじゃなきゃダメなんです」と言うことで、相手に「私こそ必要と思ってくれている」と思わせることで、相手のメリットに変えることができます。「あなただけ特別」と言われると、私たちはついつい動いてしまうものではないでしょうか。

2 相手の好きなこと

これは人に好かれる最強の技法であり、かつシンプルです。例をあげると以下のようになります。「〇〇さんの行きたがっていた刺身が美味しい居酒屋に行こうと思っているのですが」と伝えたらどうでしょう。相手はより「イエス」を言いやすくなります。このように相手の好きなことやものをつくることで、相手のメリットに変わりました。

3 選択の自由

2つ以上の選択肢を相手に与えることで、押し付けてる感を出さずに、「自分で選んだ」と認識させる効果があります。「〇〇さんは、飲み会に行くなら今日の7時からか、明後日の8時からのどちらが都合よろしいですか」と切り出せば、思わずどちらかを選んでしまうものです。

4 認められたい欲

人は期待されると、その通りの結果を出したくなるものです。また、誰であっても認められるとその期待に応えようという気持ちが生まれます。「〇〇さんのこと尊敬しており、仕事では聞けない話を聞きたいと考えているのですが」と切り出せば、「仕方ないから行くか」という気持ちになるはずです。

5 チームワーク化

面倒なことでも、人は「いっしょ」であれば動くものです。人は本能的に誰かといっしょに何かをやりたい生き物です。学校生活で「いっしょに勉強しよう」と言われて、同じテーブルで勉強したことはないでしょうか。嫌なこともいっしょにすることで人は動きやすくなります。

6 嫌いなもの回避

相手がいいと思っている中にもデメリットが存在しているものです。例えば、公園の芝生に入らないで欲しい場合、どのようにあなたは考えるでしょうか。「芝生立ち入り禁止」とパッと思い浮かぶではないでしょうか。しかし、それでは芝生に入る人が減らないはずです。もし、ここで相手のデメリットを伝えたらどうでしょう。「芝生に入ると農薬が服につきます」と書かれてあったら、芝生に入りたくないと思うのではないでしょうか。このように相手の嫌いなものやデメリットを伝えた結果、服に農薬がつかなくなったという相手のメリットに変換できます。

7 感謝

人は好意を受けると、その相手に好意を返したいという気持ちが働くという心理学の「好意の返報性」で、説明できます。つまり、「この資料をコピーしてもらえるかな。ありがとうね」とお願いをした瞬間に相手がまだ何もしていない状態で、「ありがとう」まで言ってしまうのです。人は、「ありがとう」を言われると一瞬ではありますがほのかな信頼関係が生まれ、断りづらくなります。つまり、感謝から入ると「ノー」が言いづらくなります。

感想

SNSの普及に伴い、直接人に伝えることが難しくなっている現代社会において、話し方や伝え方の技術を学ぶことでビジネスの場面ではもちろんのこと日常生活でも活かされるのではないでしょうか。私自身も頼みごとや人に伝えることが苦手なので、まずは上記で説明した技法を頭に叩き込んで、日常生活の中から意識的にアウトプットして行きたいと考えております。皆さんも伝え方を変えて自分だけでなく、豊かな人生を歩んでみてはいかがでしょうか。