見出し画像

物事を習慣化するときに役立つ心理効果ー『目標勾配』について


 おはようございます!
 門野です!


 今日ご紹介する書籍は、池田貴将 著『図解 モチベーション大百科』です。


 こちらの書籍には、タイトルにもある通り、人間の『モチベーション』『心理』に関することをまとめられています。


 以前紹介した『Think Smart』にも通じる内容も多く、非常に学びの多い一冊でした。



 

 さて。


 今回ご紹介するのは、『図解 モチベーション大百科』で紹介されている心理効果 ...... 『目標勾配』についてまとめていきます!


 朝。
 みなさんの時間が始まる時間帯です。


 みなさんの時間を奪わないよう、かつ、みなさんの生活の助けになる記事であれば幸いです!


 では、目次の順にご紹介していきます。



 不思議な不思議な『スタンプ実験』


 とある『2種類のスタンプカード』の実験が行われました。


 パターンAのスタンプカードは、10回分のスタンプが押せるようになっています。まだ一つもスタンプは押されていません


 一方、パターンBの用紙には、12回分のスタンプが押せるようになっています。こちらは、すでに2つのスタンプが押されています


 どちらの用紙も『残り10個分』の空欄があり、すべてのスタンプが押された段階で、コーヒーが1杯無料になるというものです。


 この2種類の用紙を被験者(実験に協力してくれる人)に配って、コーヒーショップに通ってもらいます。一回通うごとに、1個のスタンプをもらえます。


 さて、パターンAとパターンBでは、どちらのスタンプカードがより多く使用されたでしょうか



 答えは B 。

 パターンBのスタンプカードを使う方が、最終的に全てのスタンプ欄を埋めて、無料のコーヒーにありつける人が多かった、というわけです。


 パターンAもパターンBも、残りのスタンプの個数は『10個』で差はありません。


 それなのに、なぜパターンBの方が、より多く使用されたのでしょう??


目標勾配って?


 この『スタンプ実験』のように、すでに『ゴール』に近いと感じるタスク では、残りのタスクに対するモチベーションが上がるという心理効果を『目標勾配』と呼びます。


 この実験に関して、『図解 モチベーション大百科』には、このように解説されています。

 

 このスタンプカードをすべて埋めるには、「残りあと10個」という客観的事実に違いはありませんが、すでに2個スタンプがおされた状態では、「もう6分の1も進んでいる」という認識に変わるのです。
(池田貴将, 図解 モチベーション大百科, 東京, 2019)


 つまり、パターンBのスタンプカードでは、すでにゴールに近い状態にあり、被験者はゴールを目指しやすいと考えることができます。


 これは0(スタート)から10(ゴール)を目指すより、心的負担が軽いことも意味していると思います。


 例えるなら、100メートル走で、10メートル分先からスタートするようなものです。


 実際にそんなことができるかどうかは別にして、100メートルも走らなければならなかったところが、10メートル分少なくなったと考えれば、少しは心が軽くなりますよね。


「あ、少し距離が短くなった」..... みたいに。


 これが『目標勾配』。


 人間のモチベーションに関係する心理効果です。


実際の場面への『転用』


 目標勾配に関するまとめはここで終わりですが、ここで終わってしまっては味気ない。


 というわけで、この書籍や心理効果から、私自身が得た学びや、実際にやっている行動を記して終わりたいと思います。



 まず、『目標勾配』はスタンプカードだけではなく、実際の生活の場面でも応用できるということです。


 例えば、「1週間に3回のランニングを習慣化したい」と思って行動を始めてみたとします。

 最初のうちは、物事を始めたことによってモチベーションが高いです。

 けれど、1週間、2週間と続くうちに、徐々にランニングの大変さ、習慣化することの大変さ、ゴールの見えない心的疲労を感じてしまって、ランニングするのが面倒になってきます。


 そんなとき、一度『過去の自分』を振り返ってみることで、『目標勾配』によるモチベーション・アップをうながすことができます。



 思い返してみれば、ランニングは2週間前から始めた。
 2週間前は「まだランニング0週目、0回だった」と思い出す。
 そう考えると、いまはすでに2週目
 最初のころより2週分成長しているし、回数でいえば6、7回目だ。
 なんだ、ちょっとずつだけど習慣化しつつあるじゃないか



 という感じです。
 自分はすでに「ある程度習慣化しつつある」といまの自分を認めることで、ランニングに対するモチベーションを高く保てるはずです。



////////////////////////////

 では、私自身はどのように『目標勾配』の心理効果を利用しているか。

 ここは note を例に挙げてみます。


 私が初めてnoteの世界に飛び込んだのは3月25日のこと。

 このとき、私の記事数は0、フォロワー0、フォロー0、PV数0です。


 しばらくして、記事数は10くらい、フォロアー4人、フォロー9人、PV数は 1,000も満たしていません


 ですが、4/29現在、記事数 45 、フォロワー 23人、フォロー43人、PV数 2,172 PV と、明らかに成長しています。
 さらに、1か月毎日投稿 ...... 言い換えれば30日以上毎日記事を投稿し続けています


 周りを見れば何千日も続けている方もいらっしゃいますが、私自身が比較対象として見るべきは「過去の自分」であって、「過去の自分からどれくらい成長しているか」です。


 そう考えると、少なくとも一か月前の自分よりは、少しくらい成長しているとみても問題ないですし、モチベーションを高く維持することができています 。


 ただし、悪用してしまうと、プラスの効果もマイナスに変わってしまうと考えます。


 それは、「過去の自分より成長してるんだから、少しくらい手を抜いてもいいか」みたいに、客観的なプラスの結果を、怠けるための口実にしてしまう可能性は捨てきれません。


『目標勾配』の心理効果は、自分のモチベーションを高めてくれる、非常に便利なものです。


 有用な力ほど、正しく使いたいものです。


記事の終わりに



 私自身、『目標勾配』の心理効果を利用してnoteの記事を書いている部分はあります。


 その他、ランニングやツーリング、読書など、実生活でも応用できそうな心理効果です。


 この効果に加えて、今後自分がやることを目標として決めていると、「その目標を達成するためにはどのように時間を使うのがいいだろう」という考えに繋げられます。


 『目標勾配』の心理効果は、まさに一石二鳥!



「物事をなかなか習慣化できない」と悩まれている方へ。


『目標勾配』、個人的にはとてもおススメです!


 万人に当てはまるとは言えませんが、一度試してみる価値はあると思います。



////////////////////////////////////////////


 この目標勾配の他、『図解 モチベーション大百科』では、様々な心理学的な効果やモチベーションについて、海外の文献を含めたうえで、イラスト付きで分かりやすく解説されています。


 興味のある方は、一度手に取ってみてはいかがでしょうか?



////////////////////////



 最後まで閲覧いただき、ありがとうございます!


 ♡ Have a nice day  ♡



参考


この記事が参加している募集