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細尾直久
2021年1月21日 17:36
空所イタリアの旧友が勤めているジュエリーブランドの展示会があり、大阪まで見に行ったことがあった。梅田の高級レストランを貸切にした会場で、ただただ鑑賞するだけだったが、とても美しかった。ラグジュアリーとは中身がなく、役に立たない空虚な存在だと見なされている。だが、役に立たない「空っぽ」という点にこそ、ラグジュアリーの本質が宿っているのではないだろうか。そうした意味で、宝飾品は宝飾品でしかないから
2021年1月4日 17:37
装飾のふるさとぼくが子供だった頃、落書きが楽しかった。ザラ半紙やチラシの裏に、憑かれたように絵を描いていたものだが、無地の面があると落書きをしたくなるという衝動は、ぼくの先祖である猿が毛皮を失ったからではないか。過酷な自然の荒野に晒されていても、毛皮で覆われた動物は生きていくことができるが、毛皮を失った人間は、肉体的に耐えることができない。そこで、動物の毛皮、草木、土、石などといった、入手