世界のヒエラルキーが急速に壊れつつある時代に
京都の老舗料亭である「岡崎つる家」に、妻とお昼ご飯をいただきに行った。この料亭は数寄屋建築で、吉田五十八の設計によって既存の邸宅が改修・増築され、纏りがつけられたものだ。
池のある、大きな庭園を南面に臨む個室に通される。庭から水音のせせらぎが聴こえてきて、浄土に行ってしまったかのような時間が流れていた。水面に映る光は輝き、六月の緑はこうも鮮やかだったんだなと思った。
こうした日常の直接的な用途・目的から外れた時間と空間は、ヴェネチアビエンナーレの展覧会場の一角にある、カルロ・