Midnight Desert第177回
降り続く雨を見ると、雨が描きだす景色や情緒を言葉で表現したいと思う。昔からそうだ。
雨粒が落ちて濡れていく道や建物や草花や人の影を眺めていると不思議な気持ちになる。
時間が緩やかに流れ、ゆっくりと雨に溶けていくような感覚。
その掴みどころのない感覚を上手く掬い取って表現したいといつも考えている。だけどそれはなかなか難しい。
ある時JOMI.Kにプレゼントしてもらった本がある。その名も『雨のことば辞典』。
日本人が残してきた雨のことばがこの本にはほとんど全て詰まっている。
古来から雨と共に生き、紡ぎ出した無数の言葉が。
それらは僕の想像を遥かに超えた数で、一つ一つの言葉は背景を伴い繊細で気品があり、僕が詞を書くうえでの視野を広げてくれた。
今週は雨予報が続いていますので、個人的に好きな雨のことばを一つご紹介したいと思います。
『漫ろ雨(そぞろあめ)』
思いがけない時に降りだす雨。「漫ろ」は、気まま。勝手気ままに降る雨のこと。
昔の言葉には情景的な優美さがあって素敵だなと思う。
『雨のことば辞典』(講談社学術文庫)より参照。
今週はNO-GATEのアルバム【TOKYO AS FOREST】から『MIRAGE』をお届け！
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