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どんな場面でも相手にこちらを向いてもらえる方法

相手に「理解」と「感動」の二つをもたらす自己表現は、いつでも最高のコミュニケーションを生みだします。
自分が伝えたいと思って相手に投げかけた言葉やビジュアルが、相手に受けとめられ、しかも相手が心を動かせば、双方の間の関係は発展的、創造的なものになるからです。

相手を説得しようとか、相手に行動を起こさせようというように、何か意図を持って自己表現するとき、すなわちプレゼンするときは、
「自分の考えをわかってもらう」、
そして、
「納得して決断したり行動を起こしたりしてもらう」
の二つを実現すればいいといわれます。
これは、そのとおりです。
この二つを実現するためには、論理的であることが要求されます。
「理解」のためには論理が必要です。

しかし、人間は、ワクワクドキドキしないことに関しては、「理屈はわかるけれど、どうもその気にならないな」という心理がかならず働きます。
ですから、じつは、行動を起こしてもらうためには、「感動」がないとだめなのです。
これは、自分の話をおもしろいと思って聞いてもらうこと、つまり、エンタテインメント(*)を提供することでもあります。

筋の通ったロジカルなプレゼンをどうやって実現するか、という次元を超えて、どうしたらロジカルでありながら、なおかつ「感動」を提供できるプレゼンができるかという視点をもつことは、ただ「相手を説得する」という成果をもたらすだけでなく、プレゼンする自分自身をかならず明るく元気にします。
感動してくれた人は、目が輝きます。体を震わせるかもしれません。笑いが起きて、それが周囲に波及して空間いっぱいにアルファ波が充満するかもしれません。
そういうエネルギーの反射を、この身に浴びることができるのです。

(*)エンタテインメント
この英語にはもともと「我を忘れてワクワクドキドキしてのめり込んでしまう」という意味がある。一般に普及している言葉の意味のように、かならずしも娯楽性があるとか、遊びの要素があるという観点にとらわれる必要はなく、心と頭が刺激され、深く考えさせられたとか感動してしまったというものは、テーマが柔らかいものであろうと堅いものであろうと、すべてエンタテインメントだと考えていい。

キーワードとゴールの予告編で相手はこちらを向いてくれる

「理解」と「感動」を生みだすプレゼンは、どうしたらできるか。
導入に鍵があります。
プレゼンの導入では、これから話を聞いてもらう相手に、ほんの短い時間で
「よし、この話をきちんと聞いてやろう、いや、これは聞いておいたほうがいいぞ、おもしろそうじゃないか」
と思ってもらいたいわけです。
これが実現できると、理解と感動の創造にむけて確かなレールが敷かれることになります。
そのために非常に効果的な方法があります。

  1. これから話したいことに大いに関連する印象的なキーワードを一つ示し、そのキーワードの意味を30秒程度で話す

  2. これからする話がどこに向かうのか、ゴールのイメージを簡単に予告する

この二つをすることです。
プレゼンのはじめにこれらをすると、話を聞いてくれる人は、話の中身を自分の頭のなかであらかじめ整理できます。心の準備もできます。
さらに、キーワードとゴールの予告編が魅力的なら、脳裏にパーっとイメージが湧き、これからはじまる話に大いに期待してくれます。
聞く人に、安心とエンタテインメントを提供できるのです。
これら二つのことは、話す側、聞く側双方のあいだの心理的な壁をなくし、しかも聞く人にワクワクドキドキしてもらうという大変重要な意味を持っています。

説得したい相手を前にプレゼンするとき。
会議で自分の主張を述べるとき。
百人以上の聴衆を前にスピーチするとき。
就職したい会社の面接で自己アピールをするとき。
好きな人に想いを告白するとき。

どんな場面でもこの方法は有効です。

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