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Facebookがリモートワークを含む新しい働き方への長期的な移行方針を表明

Facebookが働き方を見直していくとのことで、その方針を共有した全社ミーティング内容を2020年5月22日の深夜にCEOマーク・ザッカバーグがFacebook上にて投稿及び動画投稿を通じて公開しました。

既にFacebookは年内は全従業員WFH可能とする指針は出していましたが、今回の内容は、より長期的な指針であり、仕事をする場所として「from home」に留まらないリモートワークを含む新しい働き方への指針を述べたものになっています。

リモートワークに移行するかしないかという二元論的な議論にせず、リモートワークの問題点を挙げながら単純化しすぎず、前向きに対処しようとする方針は多くの会社にとっても参考になる考え方に思えましたのでまとめてみました。

新しい働き方への指針としての述べられた要点は、以下の通りです。
・新しい働き方への移行について (概要)
・リモートワークの利点
・新しい働き方への移行に対する課題認識
・課題認識に対するアクションプラン

新しい働き方への移行について (概要)

詳細はマーク・ザッカバーグの投稿にも記されていますが、要点としては、慎重に進めながら、段階的に新しい働き方に移行していくということになります。先日、全従業員に対して永久にリモートワークを可能と発表したTwitterとは対照的な内容になっています。


今回の発表では、Facebookは、この規模の会社としてはリモートワークに対して最も前向きであると思っている。一方でリモートワークに対する未解決の疑問が多く、また最も大事と考える会社カルチャー形成にも関わることだと考えており、思慮深く責任のある方法で対処したいとのこと。リモートワークを取り入れた働き方については、学び続け進化させ続けることが必要で長期的なタイムラインで考えていきたいとしています。

Facebookとしては、5-10年かけて従業員の50%程度がリモート環境で働くようになるというような想定で考えているとのこと。

リモートワークの利点

「採用」にチャンスを見ているようです。これまで大都市に絞っていた多くの才能ある人材にアクセスできること、これにより大都市外に対する経済的な機会提供もできるし、同時に多様性のある会社構築にも寄与する。

通勤を減らすことは地球環境にも良い。オフィス外で働くことで生産性が上がると感じる人も多い。Facebookにとっては、「人々がどこにいようと繋りと存在を感じられる」というミッションの元で進めている未来のテクノロジーを進めるのにも寄与する。

こうした利点を考慮した上で、まずはリモート採用に注力することから始めるとのこと。

エンジニアリングオフィスのある都市 (フィラデルフィア、ピッツバーグ、ポートランド、サンディエゴ、将来的にはアトランタ、ダラス、デンバー) から4時間以内にある才能あるエンジニアの採用からスタートするとしています。

同時にリモート採用については本当はもっと早く着手すべきだったとも。

過去USの経済的発展は非常に集中的であり、主要企業は大都市エリアからしか採用していなかった。逆に言えば、それらの外にいるというだけで、多くの才能ある人々を見過していた可能性はある。都市外に機会を作ることで、特に多くの会社が同様にリモート採用を始めれば、経済的回復の一助にもなり得るとしています。

新しい働き方への移行に対する課題認識

まず、従業員に対するWFHに対するアンケートの結果を取ったとのこと。

・50%はオフィスにいるのと同様に生産性がある
・40%はフルタイムのリモートワークを臨む
・50%以上はなるべく早くオフィスに戻りたい
・リモートから働きたいと希望する人のうち75%は別の場所に移りたく、38%は大都市に移りたいが残りはその他の場所で住みたい

結果として、全員がポジティブな訳ではないということが見えてきた。子供を持つ両親、また一人で住んでいる人たちは苦労している。家と仕事の明確な境界を持ちワークライフバランスを保つのも容易ではない。また同僚や新人との絆が弱くなることも心配している。また人と一緒にいないとクリエイティブでなくなる人たちも一定数いるということもあり得るとしています。

リモートワークに対する未解決の疑問についても触れています。

会うことが減ってもクリエイティビティやカルチャーを保つにはどうすべきか? リモートであろうとなかろうと、キャリア昇進の公平性を保ち、仕事に対する公平さを感じられるようにするにはどうすべきか? オフィス環境での野心的な人達へのキャリアステップの機会をどのようにデザイン していくべきだろうか?トレーニングの必要な新卒はどうするか?

これらの疑問については、思慮的に慎重に、学びながら進みたいとしています。長期的に進めることで、重要視する「カルチャー」を強めていくこくことができるだろうとのこと。

全ての個人が自身のキャリアを発展させ、チームが一緒に効率的に働くことに寄与でき、同様のケアやコミットメントをリモートワークにも反映したいとしています。プロダクトは数ヶ月で構築できるがカルチャーは数年かかるとのこと。

課題認識に対するアクションプラン

従業員に対しての指針となる原則は、コミュニティに対してできる最善となり得るものを理解し、イノベーションを最大化することとしています。

自分自身の考え方もこの数ヶ月で変わったとのこと。これまでは、物理的に一緒にいた方がよりよく働けるとチームに対して感じていた。オフィスをそのような指針の元デザインをしてきた。自由に歩ける場所を作ったり、偶発的な会話が埋まれるような場所を作ってみたり。ただし、今はテクノロジーがこのことを乗り越えられると考えているし、ロックダウンは今持っているツールによって何が可能かを示してくれたとのこと。

直近の優先度は、前述のリモート採用に加え、リモートワークで生産的に働けない人をオフィスにすぐに戻すこと。つまり、ハードウェアやコンテントレビュワー、データセンター技術者、その他特別な役割の人達。これらの人達をオフィスでも安全に保つためのデスクや備品の配置等を考慮しながら進める。現在のところ年内に従業員の25%までがオフィスに戻れるようになると見込んでいるとのことです。

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