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「厄年」の本当の意味

鎌倉の鶴岡八幡宮へ初詣参拝へ行った際、混雑していたので並んでいたのですが、前にいた老夫婦と雑談からの流れで「厄年」についての話をするに至りました。

今回は、その内容を記してみようと思う。

厄除けに行く理由

なんとなくある不安やネガティブなものを打ち消すために神社に足を運ぶ人が多いと思います。
厄除け参拝などは、その最たるものかも知れません。

因みに私は厄除け参拝をしたことがありませんが。。。

平安時代の頃には既に慣習としてあったとされる厄年。
現在では数え年で、
男性の場合は25歳、42歳、61歳(還暦)
女性の場合は19歳、33歳、37歳、61歳(還暦)
が厄年にあたるとされています。

それは本厄の話であり、前後に前厄と後厄があるので、生涯のうちで9年間(女性は12年)は注意して過ごして下さいね…という時期があると理解されている方も多いかと思います。

まあ、これだけ設定されていれば、厄除けのお参りに行きたくなる気持ちも分からなくはありませんが。。。

厄除けに最適な神社って?

占導師として活動しているので、「厄除けのおすすめ神社はどこですか?」と聞かれる事は年中ですが、特におすすめはありません。

現在住んでいる場所の氏神様を何はともあれ一番大切にすべきですので、そちらに出向き、いつもより多めのお賽銭を入れて下さい。
祈祷していただける神社であれば、受けられると宜しいかと。

神職の方々がいらっしゃらない小さな神社であれば、お札の賽銭を入れて、いつもより丁寧に参拝すれば十分です。

氏神様が小屋のような社のところで(我が家の氏神様がそんな状況なんです)、やはり祈祷を受けたいという事であれば、近くの社務所がある(ご祈祷していただける)神社で受けられたら良いです。

因みに氏神様は各都道府県の神社庁へコールしてみて下さい。
大まかな住所を伝えると、どこも丁寧に教えてくれますよ。

個人的には厄除けの神社は、通常の神社と比べ「厄を払いたい」という念(氣)が集まる場であることは間違いないので、私は通常はお勧めしていません。

結界を張れる方は問題ありませんが。。。(笑)

苦しみや災害を表す言葉

「厄」という文字は苦しみや災害を表しています。
辞書によると、

  • わざわい

  • まがごと

  • 災難

  • 災厄

  • 厄難

という、見事にネガティブな状況を表す言葉ですから、厄年と聞けば、良くない年だと脳内で自動的に関連づけてしまいます。

しかも自動的に一生のうちで9年間も。。。
さらに地方によっては、もっと回数が多かったりします。

正確には地方の慣習によるケースもありますが、神社により政策的と言いますか、マーケティング的な回数増なケースも実はあったりします。

まあ、それは今回置いといて、、、

「厄」の本当の意味は?①

昔は、女性は19歳あたりで出産することで一人前の大人として。
男性は25歳あたりで本当の意味での一人前の大人としての役割を担うようになるとされていました。

そして女性の30代は、出産後の子育てから、妻として家庭の真のコントロールをする役目に変わっていくタイミングとして。
重責ですよね。だから2回。

男性は40代で社会の中心世代としての役割を。

そして還暦。
60歳以降は「年長者」として、社会をバックアップしていく役割は今も昔も同じですね。

役割が変わっていくため「カラダの変化を迎える歳だから、注意しなければいけない」といった言葉を聞いたことがあるかも知れませんが、それだと、どうしても「厄が降り掛かってくるかも知れない」とネガティブに捉えがち。

そもそも、昔からの教えに「ネガティブ思考」はありません。
だから、厄祓いをしないと不幸が起きるなんてことは、100%ありえないのです。

新たなフェーズにステップアップする年齢(時期)なったってだけの話。

いつもと同じく、どういう気持ちで新たなフェーズに臨むのかを神社で宣言するのが、厄祓いの真の意味になります。

「厄」の本当の意味は?②

気持ち一つで見える景色が明るく感じるのか、どんよりと感じるのかは、皆さん既に経験してきているはずです。

ライフスタイルの多様化により、社会的な役割が変わるのも人それぞれ。
今日の占いカウントダウンみたいに、その年の生まれや星座の人たちが一斉に不幸になる訳がありません。(テレビや雑誌の占い欄は、ホント見てはダメな部類のひとつ)

自分にとっての運気低迷期(厄年的なもの)がいつなのかは、生年月日から導き出される生まれながらの先天的氣質のものと、自分自身の体調のサイクルから自ずと決まってきます。

  • 結婚する事になった

  • 出産する事になった

  • 昇進した

  • 役職から離れた

  • 定年退職した

など、役割が変わるタイミングで「その役割を全うしてきますよ」と神さまへご挨拶に行けば万事OKです。

役割が変わり、縁ある人たちの関係が増え、責任が生まれる事に思いを馳せる事は「自分以外の誰かのために生きる」ことでもある訳で、当然健康にも気を配ることもするようになるでしょうし、事故に遭わないように気をつける行動を取るようになるでしょう。

新たに生まれる命だったり、伴侶だったり、或いは部下だったりの存在がいるから自分の成長を実感することができる訳です。

それらの存在に感謝できるように…が「厄」の本当の意味なのです。

単に「厄が降り掛かってくる❗️」と怯えるより、
「神さまお願いします、守ってください」と祈祷を受けるより、
より良い一年を過ごせるのは間違いありません。

厄年は役年。

そう覚えていたら万事OKです。

途絶えた「教え」

「厄」の真の意味するところは「感謝」にあるのですが、今の日本にはすっかり忘れ去られてしまっているようです。

人は「感謝」をするとき、ネガティブな気持ちになることは先ずありません。
単にポジティブであればOKではありませんが、ネガティブよりは断然良いですよね。

ただ、人間はネガティブになりがちなのも事実。
その仕組みは次回に記しますが、ネガティブになりがちだからこそ占いに頼る方も多々いらっしゃる訳で。

2023年は、単なる占い鑑定で終わらせず、ポジティブな一歩を踏み出す為のコーチングに主軸を移していこうと計画しています。

根拠のない、なんちゃってスピリチュアルや迷信の一人歩きが多過ぎだと感じるこの頃。
厄年には何をやってはダメだの、無責任な記事は本当にやめて欲しいところ。

親族が神社を守る立場にあり、小さい頃から古い言いについて、それらがロジカルに説明できる事を聞き続けてきた身からすると、今のスピリチュアルの状況は悩まし過ぎるのです。

上っ面のスピリチュアルに振り回されず、日本で生きているからこそ日常的に触れることができる古来からの教えを見える化することでロジカルに解釈(科学)し、日々の行動につなげることができる講座をやります…と、決意を新たにした2023年の正月でした。

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