人生の設立趣意書と定款をつくろう(自分を知る)
キャリア戦略を考えるうえでまず重要となるのが、自身がなぜキャリアを築きたいと思っているのか、そもそもどういう人生を送りたいと思っているのかを考えることです。
まちづくり専門家の木下斉さんは人生をジブン株式会社と見立て経営する視点が大切だと述べています。株式会社では設立時に、設立目的やビジョンをまとめた設立趣意書と組織運営等の基本的な事項をまとめた定款というものが作成されますが、ジブン株式会社にも設立趣意書と定款を定めてみましょうとすすめています。
これまでの人生を振り返ってみれば、進学や就職等のタイミングで方向性を決断してきたように感じていますが、人生という大枠での方向性、つまり自分がどう生きたいか、人生で何を成し遂げたいかという視点に立って決断してきた自信がある人は少ないのではないでしょうか。
自分がどう生きたいかが定まっていないと、キャリア選択時に、有名企業だから入社したとか、前職より給与がいいから転職するとか、流行に乗ってフリーランスになるとか、他人軸での判断に陥ってしまいがちです。これでは、さらに有名な企業、さらにいい給与、新たな流行等キャリアに対する迷いが断ち切れることはなく、いよいよキャリア迷子のまま人生を終えるということになりかねません。
そこで立ち返って、人生をどう生きたいか、人生の目的やビジョンを定めた設立趣意書と、人生をどう運営していくかを定めた定款を作成してみましょう。設立趣意書や定款のサンプルはインターネットにあふれていますので、参考にしながら、ぜひ自分の言葉で書いてみてください。
書き終わったら、一度声に出して読み上げてみて、頭の中にインプットしましょう。そして、いつでも参照できるように保存しておいてください。これからのキャリア選択の際に迷ったらこの設立趣意書と定款を読み直し、自分軸で判断していきましょう。
ひとつ注意していただきたいのが、この設立趣意書と定款はいつでも書き換え可能だということです。会社も時代の要請等によって日々経営が合理化されます。これは自分の人生でも当然起こりうることだと思います。書き換えの際にも、単に周りに流されるのではなく、自分の言葉で自分軸で書き換え履歴を残しておくようにしましょう。
この設立趣意書と定款がキャリア選択、ひいては人生の羅針盤となってくれることは間違いないでしょう。
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