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エイセクシャルの彼と出会って考えたこと


「僕、エイセクなんだ」と彼は言った。


彼ってわたしの彼じゃありません。笑

共通の知人を介して知った20歳の男の子が「僕、エイセクなんだ」と言ったのである。


エイセクとは、

エイセクシャル(アセクシャル)=無性愛

のことである。


無性愛とは、他者に対する性的な惹かれ(性的魅力を感じること)の欠如、すなわち性的な行為への関心や欲求が少ないか、あるいは存在しないことである。無性愛の性質を持っている人のことをアセクシュアル、エイセクシュアル、無性愛者という。

Wikipedia


わたしはこの概念を知らなかったので、とてもびっくりした。

LGBTなどの概念により、多様なセクシュアリティを持つ人も知られてきているとはいえ、知らない人も多いのだろうと思った。

彼によれば、「みんなのことは好きだけど、友情みたいな感じ。誰か一人を好きになるとかも意味がわからない。独占したいとか、自分のものにしたいとかもまったく意味がわからない。好きの気持ちの種類がちがう気がする。」と言っていた。

これを聞いてわたしはなんとなく勝手に自分の中で腑に落ちたことがあるので、書き留めておくためにこのnoteを書いている。

まず、前提として、今の10代、20代の子たちって未来人だなあと思うことがよくある。

わたしと同世代くらいか、それより年代が上の人って自分含めてすごくエゴと自我まみれで、ネガティブで感情的で、醜い感情に支配されていて、the人間って感じに見えるんだけど、いわゆるZ世代と呼ばれる子たちはそのドロドロした重たいものが限りなく少なくて、質感で言えばさらっとしていて、シンプルで、良い意味で人間ぽくない子たちがとても多いなあと思うのだ。


昨今の恋愛は、重たい。



そして、恋愛=性欲だ。


わたしは自他共に認める恋愛ど下手くそ人間なのだが、恋愛にとても違和感がある理由は、


恋愛って、ぜんぜん愛じゃなくね?


って思っているからである。


一般的にふつうとされている恋愛って、どっちかというと愛というより、所有とコントロールに近い気がするのだ。そこへ来て性欲なんてものは、さらに自分のもの、という所有欲を大きくさせる。


自分と付き合ってるんだから他の人を好きになってはいけない、sexしてはいけない

守る、もしくは支えるべきだ、こういうふうに振る舞うべきだ

自分の理想通りの人になってくれたら好き

これだけ私が愛してるんだから、同じだけ返してくれたら愛されてるって感じられる


これが所有とコントロールと条件付きの取引にしか見えないと思うのは、わたしがひねくれているからだろうか。


そこにあるのはとにかく、「相手が自分の思い通りになって欲しい」という自分勝手な欲求であるのに、それを「あなたのため」とか、「愛」とかいうきれいに見える名目でラッピングしている。


しかも意外と仲が良いカップルだったり何年も続く夫婦ほど、この所有と愛情の取引がぴったりお互いの利害に当てはまって依存関係になっていることも多いので、側から見てるだけでも息苦しくて仕方がない。


THE MENTAL MODELの一節

https://amzn.asia/d/exI8nrA


また謎にAmazonリンクが貼れないので、THE MENTAL MODELという精神分析の本の一節だけ貼っておきます。
(エラーが直ったら修正します。)



わたしが愛だと認識していることは、見返りを求めないこと、相手がどうであってもジャッジしないこと、受け入れること、対等であること、自由や考えの違いを尊重することなどなのだが、昨今の恋愛関係はなんだか少しもこれに当てはまらないものが多い気がする。


一夫多妻制とか、昔の日本では当たり前の風習としてあった夜這いや乱交とか、ポリアモリーとか、なんかそういうゆるいのではだめなんだろうか?とにかくなにかといえば自分のもの!彼女!彼氏!妻!夫!と所有したがるおもたいものから、適度な距離を置くことを許してもらいたくて、わたしはいつもヘトヘトになっている。


話がとんでもないところまで行ってしまった気がするが、恋愛って「重たさの権化」だよなとここまで書いて思った。


それらを考えた時、エイセクの彼の「好き」の概念がなんか軽くていいな、と思ったのだ。


特定のひとりに執着せず、誰かのものにならないし、したいと思わないのはとても心が穏やかなことかもしれない。


そして、現代人がエゴや自我や所有やコントロールや、不安や恐れや嫉妬や妬みや劣等感や、いろんなそういうドロドロしたものをだんだん削ぎ落としていって、軽くてシンプルになっていったら、もしかしたら未来は彼みたいな概念を持つ人が増えるかもしれない。


エイセクシャルは自然なアイデンティティになっていくのかもしれない、と思った。


こちらの記事は完全に独断と偏見に満ちており、イヤな気持ちになる人もいると予想されるが、わたしの個人的意見としてそのまま置いて欲しい。

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