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夫のいない日の食事と、ユダヤ人のシルビアと食べたたこ焼きと素麺。

日曜日の朝、久しぶりに料理をした。

うちの主夫である夫が、昨日から旅に出てしまったので、私と、息子の分の夕飯を、しばらく何とかしなくてはならない。

先週、家に友人を呼んで、一緒に食事をしたばかりで、そのときの残り食材がわやわやと冷蔵庫に残っている。これをひとまず片づけてしまわないことにはすっきりしない。

友人と一緒に何を食べたかって?

なんとたこ焼きパーティーをした。
106歳のシルビアとは、20年近いお付き合い。
彼女は今年の春に2年ほど暮らした、彼女のお気に入りの孫娘の住む、ブラジルから戻って来た。

嬉しかった。

だって、彼女を送り出した2年前、私は彼女に会うのはそれが最後かと覚悟していたから。
シルビアは、ブラジルに行く前と、ぜんぜん変わっていなかった。
彼女の白かった肌が、少し小麦色になって、もっと健康そうになっていた。


その彼女と、ブラジルから帰省していた孫娘、(私と同世代)が来て、我が家で早めの時間に、夫が夕飯を支度してくれた。

新しいタコ焼き器を買って、私も夫もそれを使いたくて仕方がない(笑)。

まず前菜にと、タコ焼き器でアヒージョをした。
丸い穴のひとつひとつに、エビやホタテ、白身魚やサーモン、カラフルな野菜やキノコを入れて、ニンニクと鷹の爪の入ったオリーブオイルで煮る。

楽しくて、美味しくて、ふたりともすっかり喜んで食べたので、次に来るたこ焼きはほんの数個しか食べられなかった。

けれど、たゆたうカツオ節に見とれながら、オタフクソースとキューピーマヨネーズをかけたたこ焼きで、私たちは、引き続き、白ワインを楽しんだ。

暑い日だったので、〆に冷たい素麺も用意していたけれど、会話が弾んで、シルビアのベッドタイムの8時半を過ぎてしまった。急いでデザートを出してお開きにした。


でも、二日後に再びランチに二人を誘って、ちゃんとお素麺も食べてもらったからミッションはコンプリート。

孫娘のリーはともかく、106歳のシルビアの味覚の幅にはいつも感心する。
お素麺は 白だし、めんつゆをベースに、スライスしたオクラと叩いた梅干し、紫蘇の千切りを混ぜ、浅い丼に入れて出した。

普段、私たちはこれに、あればもずくも入れて楽しむけれど、オクラで十分、とろりとしていたので良しとして、仕上げにプチトマト、ネギ、錦糸卵と糸唐辛子をトッピングした。
どの具材もしっかり冷やしておくのがコツ。
果てしなく辛いものが好きなリーは、それにチリオイルをたっぷりかけて。

シルビアは、おいしいわ~と連発して、お汁も最後の一滴まで飲み干した。
シャキシャキの大根サラダも完食。
オーブンで表面をぱりっと焼いたさつま揚げも、ぱくぱく。

この、ユダヤ人のおばあちゃん、やっぱりいいわあ、と思う。

国籍も、年代も超えて、一緒に楽しむ食卓。
こんな機会を与えてくれて、ありがとう、と思う。

というわけで、冷蔵庫にはアヒージョの材料の切れっぱしが、てんやわんやに残っていた。
バゲットも硬くなって、ジップロックに入っている。

庭にはズッキーニが実り始めていて、油断するとすぐに巨大になるので毎朝収穫に行く。それがもう何本もキッチンカウンターにごろごろしていた。

野菜を集めてラタトゥイユにした。

庭のトマトはまだ青いので、先日届いた電動缶切りを使って、缶詰のトマトで代用。(電動缶切りの仕事にしばし見とれる)。

アヒージョで使ったオイルの残りを使えば、美味しくならないわけがない。

オレガノやローズマリーも庭にあるけれど、40度の暑さの中、庭に出ていく勇気がなくてやめた。
その代わり、暑さで飲む気にならなかった赤ワインの残りが活躍してくれた。


お鍋いっぱいできた…

そして、野菜たちはカレーにもなった。

トッピング用のゆで卵はサラダ用にもなるから、たくさん茹でた。ブロッコリーも同様。

息子は今夜、このカレーを夕べ私がテイクアウト専門の、うちの店から持って帰ったカツ丼の、カツにかけて食べる予定。

お店では、おスシやおむすび、かつ丼や照り焼きチキンなどを売っているけれど、ここのところ暑くて丼ものが売れ残りがちだった。

売れ残っても、町のホームレスシェルターに持って行けば喜ばれるし、その前に、うちのスタッフで争奪戦が始まる。
売れ残りは残念でも、フードロスがないのはありがたい。

さて、冷蔵庫に一切れだけ残っていたサーモンも焼いた。
これは後でほぐしてサラダに入れる。
常備しているコストコの、6株も入っているレタスは全部洗って、ジップロックに入れ、いつでもすぐに食べられるよう、用意した。

バゲットはアーモンドミルクと玉子、砂糖のミックスに浸して、リンゴと、レーズンとでオーブンに入れ、ブレッド・プディングになった。

簡単、フレンチ・トースト的な…


冷蔵庫の中がすっきりしたので、ついでに冷蔵庫の掃除もした。

これでホントにミッション・コンプリート。

夫が帰って来るまで、もう何もしたくない(笑)。


シルビアのことは、ここでも。



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