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“自分“が相手を説得しようとしている時点で交渉は失敗する

結論から言います。

“自分“の説得で相手の意見は変わりません。

なぜならその人の意見はその人にしか変えられないからです。

つまり正しい説得とはいつだって、相手に自分自身を説得してもらうように誘導する自己説得でしかなし得ないのです。

ここでは第二次世界大戦中、高タンパクな食事が不足しがちな中、国民の健康状態改善のために内臓肉の消費を増やそうとアメリカ連邦農務省の食習慣委員が行ったキャンペーンを自己説得の効果を示す例として紹介しましょう。

このキャンペーンはいわば嫌いな食べ物やゲテモノ料理を皆に勧めるようなもので非常に難航しました。

当時のアメリカ人にとって内臓を食べるという文化はほとんどなかったからです。

そこで彼らは当時ドイツから逃げ移ってきた社会心理学者のクルト・レヴィンにこの仕事を依頼しました。

彼はどんな説得が効果的かを調べるために2種類の内臓肉を勧める説得方法とその効果量を測りました。

1つ目の説得は内臓肉にどれほどメリットがあるかを講義するという一般的な説得でこの説得により内臓食を食卓に出すようになった主婦はたったの3%でした、一方、2つ目の説得方法は説得というより議論でした、まずは被験者の主婦に戦時中の食糧情勢という事実を伝え、その後被験者に内蔵食を普及させるためにどうすれば良いのかという議論をしてもらったのです。

要するに被験者自らに内臓食のメリットを考え語らせたのです。

その結果この議論つまり2つ目の説得方法を受けた32%の主婦が食卓に内臓食を出すようになったのです。

つまり自分から自発的に内臓食の素晴らしさを考えたグループはただメリットを教えられたグループより10倍も影響を受けたという事です。

どうでしょうか?これが自己説得の力です。

結局人は自分で考えたことしか信じないのなら、良い交渉とは自己説得を誘導する事に他ならないという事です。

最後に交渉に役立つかもしれない僕の記事のリンクだけ載せておきます。
是非覗いていってくれたら嬉しいです。


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