“社会的に評価される人“になる、影響力についての記事
みなさんは影響力と聞いて何を思い浮かべますか?
影響力なんて有名人やインフルエンサーに使う言葉であって、自分にはあまり関係ないなんて思ってませんか?
しかし決してそんなことはありません。
いきなりですが、あなたは仕事をしていますか?
そうであるなら影響力は確実にあなたに必要なスキルとなっているでしょう。
なぜなら全てのビジネスは誰かに“お金を使ってもらう“事で成立するからです。
影響力とは他者の選択・行動を変化させる力の事です。
つまり仕事をするということは自分の影響力を行使し、誰かにお金を使ってもらうように努める事とも言えるのです。マーケティングといった方が伝わりやすいかもしれませんね。
ピーター・ドラッガーも「企業の基本的な機能はマーケティングとイノベーションの2つである」とも言っているくらいマーケティングはビジネスにおいて必要不可欠なものです、そのマーケティングの根幹が影響力とも言えるのです。
それに何も影響力はビジネスだけに役立つスキルではありません。
むしろ仕事以外の日常生活でこそ自分の影響力は大切になってきます。
それにあなた自身も影響力の大切さには気がついているはずです。
例えば、あなたには“なりたい自分“がありますか?
有名人みたく綺麗になりたい!だったり、もっとお金持ちになりたいだったりと何かしらの“なりたい自分“というものがあると思います。
ちなみに私はもっと賢くなりたい!と常日頃から思っておりますw
ではなぜそうなりたいのですか?きっとそうなれば周りの世界が変わるのではないかと思っているからではないでしょうか?
綺麗になればモテる、金持ちになれば周りに羨まれる、賢くなれば人に認められる、といったようにあなたが自身がこう変われば、周りの世界もこう変わると信じているから“なりたい自分“があるのでしょう。
そうであるなら“なりたい自分“はあなた自身が自分の影響力を信じているからこその願望だと言えます。
もちろん私たちは皆、社会の一部であって全て自分の思い通りにいくなんて事は絶対にありません。
しかし自分の周りの世界の一部を、自分の影響力が作っていることも事実でしょう。
この記事ではそんな影響力について少しでも詳しくなり、あわよくばご自身の周りの世界をちょっとだけ思い通りにに動かせるようになる、、かもしれない影響力について説明していきたいと思います。
返報性
まずは影響力の一つ目、である返報性の原理について説明しましょう。社会心理学者ロバート・チャルディーニが唱えたこの返報性も他人の行動をコントロールする強力な武器です。
返報性の原理とは簡単にいうと「借りは返す」という事です。多くの人は誰かに親切にしてもらったらそれを返すために多くの努力を費やすのです。
例えば日本の年賀状やお歳暮、私は個人的に面倒くさくて嫌いな風習なのですが、自分に送られてきたら、やはり返さなきゃ悪いよなという気持ちになりませんか?もちろん年賀状も返さないような非常識な人間に思われたくないといった気持ちもあるでしょう。しかしこのお返しをしないという罪悪感はあなたが思っているよりずっと強く行動をコントロールしているのです。
例えば社会生活の中でちょっとしたプレゼントをもらう機会は多いと思います。クーポン付きのダイレクトメールや無料配布のお試し用サンプルや試食、なんて事なく意識もせずに受け取っている小さなプレゼント、実はこれらは返報性を原理に基づいた効果的なマーケティングであることが多いのです。
このことは心理学者デニス・リーガンの実験でも立証されています。
その実験はシンプルなもで、初めて出会った人(被験者)に「自分は新車が当たるくじ付きのチケットを販売しているのだが、もっとたくさん売る必要があるので何枚でも良いからチケットを購入して欲しい」と頼むというものです。そしてここが重要なのですが、一部の被験者には前もって自然な流れでコーラを差し入れているのです。
そして結果としてはコーラを差し入れられたグループはそうでないグループより2倍以上も多くチケットを購入するようになっていたのです。さらに興味深いことに、被験者から調査したチケットの販売者の好感度とチケットの購入枚数には相関はなく。コーラの差し入れの有無だけがチケットの購入枚数と相関していたということです。
つまりお返し(チケットを購入)するかどうかは相手が良いやつかどうかとは相関しなかったのです。私たちはどんな嫌なやつから恩を受けても返さずにはいられないというわけです。
この返報性の原理には3つの特徴があります。
返報性は強力
1つ目は非常に強力という事です。
前述したように自分が好ましく思っていない人にも返報性の原理は働くのです。
例えば普段から鬱陶しいと思っている訪問セールスがちょっとした親切やプレゼントを用意してきたとします。
そしたらあなたは気を引き締めなくてはいけません。
なぜならあなたは返報性の原理よりそのセールスマンの商品を購入する確率が普段よりグッと高くなっているからです。
どんなに鬱陶しいセールスマンでも借りを作ってしまったら返したくなるのが人間なのです。
これは人間の社会性の強さに起因しているかもしれません、
自分が何かを提供する代わりに相手にも何かを提供してもらうという取引が人類が文明を発展させるのにあたって重要だったという事は言うまでもありません。
この取引は基本的に返報性に基づいて行われるものです。
もし古代の集団においてこの取引を常に破棄し自分は何も恩を返さない人間がいたら、集落全体から村八分のような迫害を受けたりと子孫を残すをは難しかったでしょう。
現代であってもクレジットカードの支払いを延滞すれば、次に部屋を借りるのが難しくなるといった契約違反による社会的制裁はあるのですから、それはきっと1万年前から変わらないでしょう。
つまり私たちは返報性の原理に従い取引を守る事で文明を発展させてきた人類の子孫とも言えるのかもしれません。
確かに返報性には義理堅さのような良い面も多くあります。
しかし、それを利用にある種騙そうとしてくる人たちがいる事も事実です。
次にそんな2つ目の特徴を説明しましょう。
お節介でもOK
2つ目の特徴は望みもしない厚意でも有効であるという事です。
前述したコーラにしたって被験者がコーラを飲みたがっていたわけではありません。
もしかしたらあまりコーラが好きではなかったかもしれません。
しかしそれでも返報性の原理は働くことがわかっているのです。
つまりどんなにいらないプレゼントでも一定の効果があるという事です。
このことが3つめの特徴を引き起こします。
不公平な取引
3つ目の特徴は不公平な取引の助長です。
要するに返報性に原理は相手が望んでいないプレゼントや親切でも発動してしまうということは、先にあげたもん勝ちのようになってしまうのです。
先にプレゼントする物も後に相手に要求するものもどちらも自分で選ぶことができるのでこれは平等な取引とは言えないでしょう。
つまり「俺はこれをあげるから、お前はこれをよこせ!」という取引が成立しやすくなってしまうのです。
前述したコーラの実験でも差し入れるコーラだって仕掛け人が一方的に選んだものであり、チケットを購入して欲しいという要求も仕掛け人が一方的にしている要求です。
「ただより高いものはない」とは良くったもので先に与えるプレゼントは合法的な賄賂ともいえる交渉を有利に進めるための有効な手段なのです。
どうだったでしょうか?このように返報性は世の中に至る所に隠れている影響力のテクニックです。
これを知っておけば、あなたの罪悪感に漬け込んで不平等な取引を持ちかけてくる輩を回避できるかもしれません。
まあそんなに大袈裟な話は少ないかもしれませんが、事実として事件性のあるような洗脳の手段として無理やり相手に恩を着せるという手法はよく使われています。自己防衛のためにおばえておいて損はないでしょう。
しかし悪用しなければこのテクニックは人間関係や仕事などで非常に有効になります。
例えば大阪のおばちゃんがもっているイメージのある飴ちゃん。
誰かにちょっとしたお菓子をあげたりすることで、もらった方は少しあなたに親切になってくれるでしょう。
商談でも先にちょっとした親切を仕掛けることで少し交渉が有利になるというわけです。大阪のおばちゃんは交渉のプロだったということですねw
最後に返報性を利用した交渉の超有名テクニック
ドアインザフェイスについて説明しましょう。
ドアインザフェイス
これは難しいテクニックではありません。
先に大きな要求をして相手に断らせてから自分が譲歩したという形でそれより小さな本命の要求をするというものです。
例えば気になっている女の子をデートに誘うというシチュエーションで考えてみましょ
男性「今度の日曜日、二人で遊園地に行かない?」
女性「ごめんなさい。いきなり2人きりで遊園地は難しいかも、、」
男性「そうだよね。分かった!
じゃあ、今度二人でランチするのはどう?」
女性「んー、分かった。」
(それくらいなら、、、さっき断っちゃったし、、、)
このドアインザフェイスには2つのテクニックが使われています。
まずは選択の相対性です。
先に大きな要求をすることによって次にする本命の要求が相対的に小さなものに思えるという事です。
そしてここからが大切です。
一度、要求を断ってしまったという罪悪感にも返報性の原理は働くのです。
つまり一度は要求を断ってしまった代わりに次の要求は聞いてあげようとなってしまっているわけです。
このドアインザフェイスは強力な方法で理由をつけて普通に頼むよりも3倍近く要求が通りやすくなることも分かっています。
いわば要求をする側からしたら損はほとんどなく、要求を受ける側としては1度目の要求を承諾しても地獄、断っても地獄というわけです。
ぜひ悪用はしないようにしましょう。
一貫性
一貫性は影響力の中でも、認知的不協和の解消や自己説得といったプロパガンダのような大衆扇動にも使われる強いテクニックです。
影響力の中でも中核と言える内容ですので結構ガッツリ説明していきたいと思います。
一貫性とは言葉の通りです。
人は一旦決めたことや、とってしまった立場(スタンス)に対して、その考えやスタンスを守ろうとする強い圧力がかかるということです。ここではその事をコミットすると言っていきたいと思います。
某パーソナルジムで有名なフレーズですが、この言葉が最も一貫性を説明するのに適していると思います。
一見すると初志貫徹で良いことのように思えるかもしれません、しかしこの一貫性という圧力は悪い方にもどうとでも転がる強い影響力であると覚えておいた方が賢明でしょう。
例えばあるお客が自動車を買いに来たとします。
ディーラー「当店では色々なモデルを取り扱っていますが、やはりお客様のようにご家族を持ってらっしゃると、家族を守る性能の良い自動ブレーキシステムは必須ですかね?」
客「ん〜、そうですね。確かに安全性は考慮したいです。」
はいっ!
この時点でもう客は必要以上の自動ブレーキシステムが充実した車を買わざるを得なくなったでしょう。なぜならディーラーに対し車選びで大切なのは安全性であるとコミットしてしまっているからです。
さらに客が自動車を購入する事を決めたき、腕利ききのディーラーなら売り上げを伸ばすためこんな事を言ってくるでしょう。
ディーラー「えーっと、足回りのコーティングはしときますよね?」
客「あっ、はい」(反射的にうなづく」
はいっ!ここでもまた一貫性の原理にはまってしまっています。客は一度、買うと決断を下したことで副次的にオプションの有無の決断も買う方に傾きやすくなっているのです。
要は自動車購入の決断を下した事で客の頭は、買うモードに切り替わっているのです。
そのタイミングをディーラーは逃さずオプションでさらなる売り上げ向上を狙ってくるというわけです。
これに似たテクニックでフットインザドアというものが有名です。
フットインザドア
フットインザドアとは小さなお願いをして承諾してもらってから、本命の大きなお願いをするというテクニックです。
このテクニックにも一定に効果量はあるとされています。
なぜこのテクニックが有効なのかというと一度お願いを受け入れてもらうことでその人に“お願いを聞いてくれる親切な人“というコミットをさせることが可能だからです。
フットインザドアの効果はジョナサン・フリードマンとスコット・フレイザーが1966年に発表したデータが立証しています。
そのデータとはカルフォルニアの住宅街で「安全運転をしよう」と書かれたとても大きな看板をつけさせてくれを頼んだ時にどれくらいの人が承諾してくれるのか?というものです。当然大多数の人は断ったそうです。(承諾率17%)
しかしある特定のグループだけは76%も看板設置に承諾したそうです。
その特定のグループとは2週間前に「安全運転になろう」と書かれた小さなシールを貼ることに承諾したグループでした。
小さなシールを貼るという頼みを先に承諾した事で後の看板設置という大きな頼みも承諾しやすくなったというフットインザドアの効果を示すわかりやすい例ではないでしょうか?
そもそもこの一貫性がなぜ効果的かというと一貫性欲求が人には強く根付いているからです。次にその一貫性欲求の三要素について説明しましょう。
一つ目は社会的評価です。
これはわかりやすいですね。
一貫性を保つ人間は他者からみて信頼しやすく、どの文化でも信頼を築き安定した社会生活を送りやすくなることは言うまでもないでしょう。
一貫性の原理が私たちに強く働くのは、長い歴史の中で一貫性を持った人間が安定して存続できてきたという事に起因するのは間違いないでしょう。
2つ目は日常生活での有益です。
社会的評価にもつながりますが経験則として、一貫性を保っていた方が上手くいくと学んでいるということも考えられるでしょう。
しかし私としては現状維持バイアスが強く働いての結果ではないかとも思えます。
現状維持バイアスとは現状を変えることのリスクを過大評価することを言います。
要するに「やらずに後悔」より「やって後悔」の方が怖いという事です。
説明のために1つ例を出してみましょう。
私もやったことはないのですが、あえてパチンコを例にしてみました。
あなたはパチンコを今しています。
しかし、なかなか当たりが出ないので隣の台に変えることを考えています。
①台を変えずにいたら、隣の台は座られてしまい、しかも大当たりしている。
②台を変えたら、さっきまで自分の座っていた台に新しい人が座り、しかも大当たりしている。
①②どちらの方が悔しいと思いますか?
どうでしょう、なぜか②のほうが悔しく感じませんか?
これが現状維持バイアスです。
人は行動して後悔することを行動しないで後悔す
ることより怖がるのです。しかしここで大切なのはあくまでどちらの方が後悔しそうかという予想の話ということです。
でもやはり一貫していた方が悔しくもなくなぜか有益なように感じませんか?一貫性の日常生活の有益性にはこの現状維持バイアスも深く絡んでいるのではないのでしょうか?(現状維持バイアスについてもっと知りたい人は私の記事の節約脳の作り方でもっと詳しく述べていますのでよかったら参照してみてください。)
3つ目は思考的な近道です。
これも上に載せた節約脳の作り方で詳しく説明しているのですか、要は本当にその行動は正しいかという判断を一貫性をもたせた「一度決めたのだから守らないと」という簡単な理屈で処理してしまった方が色々考えなくて楽という事です。一貫性とは過去の自分に従う事なので捉え方によってはただの思考停止なのです。
ここでは一貫性の原理の中に深く起因する心理現象
認知的不協和の解消について説明しましょう。
一貫性 認知的不協和の解消
この認知的不協和の解消を用いたプロパガンダは戦争なんかにも使われます。そもそも戦争なんてものは指導者が強い影響力を持つことで起こりうることです。そうでもなければ私たちにとって何も変わらない個人が戦争に同意するメリットなどほぼないのです。しかし逆を返せば強い影響力を受ければ私たちの誰もが残虐な人間になり得るということです。
つまり戦争をしたい指導者は国民を残虐な人間に強いる影響力を持たなければならないのです。
ではそんな指導者は具体的には何をするのか?
これが全てではもちろんありませんが、プロパガンダにより国民の認知的不協和を解消するという手法が広く知られています。
認知的不協和とは1957年に社会心理学者のレオン・フェスティンガーが認知的不協和論で提唱したもので、一貫しない二つの考えがを1人の人間が同時に持つとき常に不協和が生じることを言います。
そしてこの状況はとても不快で、できるだけ簡単な方法でこの不協和を解消しようとすることがわかっています。
そのことを認知的不協和の解消と言います。
ではこれが戦争プロパガンダとどう関係があるのか?
そもそも多くの人間にとって戦争とは大きな認知的不協和を作る状況なのです。
「私たちの国の国民性は高潔で理性的である」
と多くの人は思っています。少なくとも自分の属する国家の国民性に肯定的な意見を持った人の方が多数派でしょう。
しかし「罪なき人を傷つけている国家の一員である」
これもまた戦争中の国家の事実です。
しかしこの二つの考えは一貫していないでしょう。なぜなら高潔で理性的な人間は罪なき人を傷つけたりしないからです
これで認知的不協和の完成です。
そしてここからが重要なのですが、人はこの認知不協和を解消しようと試みる強い力が働くのです。
この場合の認知的不協和の解消には2つの方法があります。
1つ目は「私たちは高潔で理性的な人間ではない」と認めることです。
これで不協和は解消されますが、なかなか受け入れるのが難しい考えだと思います。
そして大切なのは2つ目です。
「相手国は残虐な行為をされても仕方がない、むしろ誰かがそうしなければならないような悪者たちだ」と信じる事です。
こちらの考えの方が自身のプライドを傷つけずに認知的不協和を解消できるので1つ目の解決策より受け入れやすいのです。
しかも戦争という行動への正当性も強められる。そのために戦争中の国家がやるプロパガンダ政策は簡単なものです。
「相手はとにかくクソ野郎だ!」そんなメッセージを持った敵国のネガティブキャンペーンを行えば国民の認知的不協和は解消されるというわけです。
この認知的不協和の解消はいわば自己正当化なのです。多くの人は「自分はこうでありたい!」というポジティブなアイデンティティーを持っています。そんなアイデンティティーを一貫させる認知的不協和の解消は影響力において強力な手段なのです。
次にこの自己正当化を強めるプロセスであるローボールテクニックについて説明しましょう。このローボールとは低く投げたボールのことです。
積み木で柱を作り、その上に大きな屋根を置く事を想像してみてください。
そして柱一本では不安定なので周りもも柱を立てて補強しているうちに、真ん中の柱にボールを当てて倒しても屋根は支えられたままになる状態を表してこの名がついています。
しかしこれが自己正当化にどう関係があるのでしょうか?あくまでこの図は比喩で、最初の柱は理由で、屋根は行動だと思ってください。
例えばあなたはダイエットのために筋トレを始めたとします。ここではダイエットが最初の柱で筋トレが屋根です。
しかし筋トレという行動をするしているうちに「もっと重いものを持ち上げられるようになりたい」とか「メンタルが強くなった気がする」といった筋トレに対するポジティブな動機付けの理由を考えるようになります。
その理由が新しい柱です。
そうやって新し柱をどんどん作っていくといつの間にか最初のダイエットという柱が倒れてしまっても筋トレという行動の屋根はそのままになるというのがローボールテクニックです。
最初に理由を与えてうまく行動まで持っていければ、後は自分で勝手に動機付けをして行動を継続してくれる。
この事をローボールテクニックというのです。
ここで大切なのは結局は自分で考えた理由が最強という事です。
次に自分で考えた理由で自分を説得する自己説得について説明しましょう。
一貫性 自己説得
ここでは第二次世界大戦中高タンパクな食事が不足しがちな中、国民の健康状態改善のために内臓肉の消費を増やそうとアメリカ連邦農務省の食習慣委員が行ったキャンペーンを紹介しましょう。
このキャンペーンはいわば嫌いな食べ物やゲテモノ料理を皆に勧めるようなもので非常に難航しました。
そこで彼らは当時ドイツから逃げ移ってきた社会心理学者のクルト・レヴィンにこの仕事を依頼しました。
そこで彼はどんな説得が効果的かを調べるために2種類の内臓肉を勧める説得方法とその効果量を測りました。
1つ目の説得は内臓肉にどれほどメリットがあるかを講義するという一般的な説得でこの説得により内臓食を食卓に出すようになった主婦はたったの3%でした、一方、2つ目の説得方法は説得というより議論でした、まずは被験者の主婦に戦時中の食糧情勢という事実を伝え、その後被験者に内蔵食を普及させるためにどうすれば良いのかという議論をしてもらったのです。
要するに被験者自らに内臓食のメリットを考え語らせたのです。
その結果この議論つまり2つ目の説得方法を受けた32%の主婦が食卓に内臓食を出すようになったのです。
つまり自分から自発的に内臓食の素晴らしさを考えたグループはただメリットを教えられたグループより10倍も影響を受けたという事です。
どうでしょうか?これが自己説得の力です。
相手の意見を変えたいなら相手自身にその考えにいたらせる必要があるというわけですね。
次に自己説得を用いた説得の仕方について説明していきたいと思います。
いやむしろ説得においては自己説得をさせない
つまり相手に反論を考えさせない事の方が大切になってくるかもしれません。
例えば相手の意見を否定すると逆に相手は頑固になってしまいます。
なぜでしょうか?簡単な事です。
否定することで相手はその意見に対する反論を考えようとします。その思考を相手にさせている時点で相手の主張を強める自己説得を促してしまっているのです。
どんな場合でも意見の食い違いが小さい主張は相手の意見を変える効果が少ないことがわかっています。
では相手の意見を変えるにはどうしたら良いのか?
その答えの一つは極端な否定をすることです。
極端な否定
例えば「ヴィーガンは体に良いか?」などの意見が分かれやすい議論において賛成派なら「肉なんて一切食べる必要がない!!!むしろ毒だ!!」といった極端な否定は「少しでも肉を食べる量を減らすと良いよ」と言った弱い主張より相手の意見に影響を及ぼしやすくなるとわかっています。
しかしここで重要なのは極端ならば良いのか?と言ったらそういう訳でもないことです。
それには受容範囲がありその閾値を超えてしまうと全く相手の意見を変える効果はなくなることもわかっています。
例えば前述した意見でも「肉なんて食べてたらまず60歳まで生きられないだろう」とか極端すぎる意見になると流石に「コイツ、信用ならないな・・・」となりませんか?つまり、やばい奴認定されてしまうくらい極端な意見になってしまうと相手への影響力は一気に激減してしまうのです。
ではどうやってその需要範囲を見極めるか?
当然かもしれませんが、相手が自分に好意的であれば受容範囲は広くなると言われています。
つまりまとめると、
好意的な相手には少し極端な反論
そうでなければ中くらいの反論で相手の意見は変えやすいということです。
どちれにしても控えめすぎる反論は相手の自己説得を促すだけであまり効果がないということですね。
この相手に反論を持たせないというのはある種、説得方法においては2軍と言えます。
やはり1軍は相手自身に自己説得してもらう方法なのですがこの方法はある程度相手が好意的でなければ時間がかかるでしょう。
そこでまず相手に反論を持たせないテクニックを3つご紹介したいと思います。
1つめは基本的なことなのですが、なるべく相手に説得だとばれない方がいいです。
いわゆるこの人は私の意見を変えようとしてくるといった疑念を強く持たせない方が良いということは覚えておきましょう。
疑念を持てば持つほど相手は反論を考えやすくなってしまうです。
とにかく反論を相手に考えさせたら終わりということですね。
2つめは気を逸らせてしまうという事です。
気を逸らせる
例えばCMのBGMなんかですね。
弱いメッセージであれば集中していないつまり気が逸れているときほど相手に浸透しやすいことがわかっています。
これも簡単な理屈ですね気が逸れているということは反論を考えていないということなので自分の意見が通りやすくなるのです。
逆に強いメッセージは相手によく考えてもらい自己説得してもらう方が意見の強化につながるのでメッセージのみをダイレクトに伝えた方が良いでしょう。
悪い使い方をするのであれば都合の悪い話をするときは相手の気を紛らわせる状況の方が良いということです。
みなさん都合の悪い話はぜひクラブで踊りながらしましょうw
3つめしゃべる速度です。
これも2つめと同様に相手が否定的な場合は反論を考える暇も与えないほど早く口で語りかけると良いでしょう。逆に相手が好意的な場合はゆっくり話すことで相手に考える余裕を十分に与えると良いでしょう。
最後に相手に影響を与える最強の真理効果であるスリーパー効果について解説しましょう。
スリーパー効果とはインパクトの強い話が相手の心に残り、無意識に相手の行動に影響を与える事を言います。
例えば健康のために水素水を飲んでいる方に「水素水なんてただの詐欺だ!!」と言った事をいきなり言っても自分の信念を否定された抵抗感ばかり強くなりすぐには意見を変えてくれないでしょう。(ちなみに水素水が健康に良いかの意見については私はコメントを控えますwけど私は飲んでいませんw)
しかし月日が立つことでこの抵抗感だけが抜け落ちていき「水素水は詐欺」と言ったインパクトの強い情報だけが頭に残ることことで心を動かされてしまうのがスリーパー効果です。
次にイェール大学が2005年に行ったメタ分析ではスリーパー効果の効果を高める2つの要素について説明しましょう。
1つめは最初のインパクトの強さです。スリーパー効果にはある程度の時間が必要です。その期間に抵抗感とともに抜け落ちてしまうようなインパクトの弱いメッセージでは効果が薄いというわけです。
2つめは後から有効なエビデンスが出てくるかという事です。
例えば水素水の例にしても時間が経って抵抗感が抜け落ちた人はきっと「水素水は詐欺だ!って言ってたけど本当かなぁ?」と思い調べてみるでしょう。この調べた際に水素水に効果はないという信頼できそうなエビデンスが出てくればもうスリーパー効果は成功です。
直ちに水素水についての意見を変えざるを得ないでしょう。
次にこの一貫性を強める四要素について説明しましょう。
一貫性を強める四要素(行動)
一つ目は行動です。
この行動とは発言、書き残すことがわかりやすいでしょう。
例えば誓約書の最後に書き記す著名には内容を納得したという同意の確認を著名するという行動で表してもらうことで約束を守ってもらいやすくなる効果があります。
さらには発言、あるレストランはこの発言によるコミットメントを取ることで10〜30%も予約のすっぽかしを減らしたそうです。
その方法とは予約の際にかけていた「キャンセルの際にはお電話ください」という言葉を「キャンセルの際にはお電話いただけますか?」に変えただけでした。
これだけ?と思うかもしれませんが後者では質問にすることで相手に返事を求めているのです。ここで相手が「わかりました」と返事をした時点でコミットメントは完了です。このように相手に発言、著名を募るコミットメントはかなり有効です。
さらにはこのコミットメントはなるべく具体的な方が良いかもしれないということもわかっています。
行動経済学者であるバカ・モーツらがカルフォルニアのホテルと協力して行った実験では、宿泊者のタオルの再利用率を上げるために1つのグループには「宿泊中は環境に配慮した行動を取る」という全般的なコミットメントを項目へのチェックという行動で促し、もう一つのグループには「タオルは再利用する」という具体的なコミッメントを同じく項目へのチェックで促しました。
その結果全般的なコミットメントには98%の人が同意し具体的なコミットメントは83%しか同意してくれませんでした。
さらに結果の再利用率では全般的なコミットメントのタオルの再利用率は61%で具体的なコミットメントでは66%となりました。
このデータでは全般的なコミット面との方が良いように思えますよね?しかし興味深いのはここからです。
具体的なコミットメントをしたグループは全般的なコミットメントをしたグループより他の環境に配慮した行動、例えば電気をこまめに消すなどの実践率がグッと高まったのです。
例えば子供にお手伝いをしてくれるようになってほしい親御さんは。お子さんに「風呂掃除はしてね」とコミットメントしてもらう方が「お手伝いしてね」とコミットメントした方が全般的なお手伝いしてくれる効果が高い可能性があるわけです。
このコミットメントは非常に強力でしかも結構扱い扱いやすいテクニックです。
相手に約束を守ってほしい時は自発的な意思表明の行動を求めると良いでしょう。
一貫性を強める四要素(認知)
2つ目の要素は認知されることです。
これはわかりやすいかもしれませんね、人は広く認知されている約束の方が守りやすいということです。
いわゆるパブリックコミットメントというものです。例えば自分1人で「今年はダイエットする!」と心の中で思うよりも、そのことをSNSで周りの人に表明した方がやる気になりそうですよね。
それは周りにコミットメントが認知されているということは強い圧力になるからでしょう。
広く認知されるということは自分が一貫性を保てず約束などを破棄した時にその事実も多くの人に知れわたるということです。
みな大人数に「あいつは口だけ」と思われるのは怖いということでしょう。
この認知はときに面白い現象を作るときもあります。
それは周りに逆に認知してもらい認めてもらう事で自身の正当性や一貫性を保とうとする事です。
ここではこの事がわかりやすい例とした1950年代初頭にアメリカ中西部で起きた興味深い出来事を紹介したいと思います。
この出来事はキーチという女性が宇宙からのメッセージを受け取ったと主張した事から始まります。
そのメッセージの内容は「12月21日に地球は大洪水により壊滅する。
しかしクラリオン星から彼女と彼女の信者を救済するUFOが来て信仰を捨てなければ助かる」といったものでした。
そして彼女の周りにそれを信じる信者も何人かいて彼らは家族や仕事、貯金や財産といった多くのものを捨ててしまいました。
クラリオン星に移住するならそんな財産に価値がないという事ですね。(確かに私もNASAや国家が大々的に地球が滅びると報じたらそうするかもしれません)
この事はマスコミにも話題になりキーチ夫人やその信者への取材は増えていきました。
しかし彼らは取材に積極的に応える事はありませんでした。
彼らは救済されるために信仰する事だけが重要で周りの目などどうでも良かったのです。
つまり周りがどう思おうと地球が滅びる事実があって自分をその為に信仰しているという信じて疑わなかったのです。
そして12月20日の朝、キーチ夫人は再びメッセージを受けとりました「今日の深夜0時にUFOで迎えに行く。その際に衣服などの金属は全て取り外すように」というものでした。
そしてその夜キーチ夫人とその信者は衣服の金属を全て取り外しUFOの到来を待機しました。
しかし結局UFOは来ないでそのまま4時間が経過しました。
信者たちは絶望と不信に包まれていきました。
それはそうです「地球が滅びるのを信じて家族も財産も全て捨ててしまった・・・・私が今までしてきたことは全て騙されていたのか・・」そう考えたに違いないでしょう。
つまり強すぎる認知的不協和に対面したのです。地球は滅びることを信じていたのに現状滅びてない事実、さらには全てを捨てるという十分すぎるコミットメント・・・
ここでキーチ夫人は巧みにこの不協和を解消しようとしました。
「みなさん!クラリオン星からの新しいメッセージです。私たちの十分すぎる信仰に免じて神が今回の地球滅亡は中止にしたそうです!」そんなふうなことを言ったのです。これで今まで信者たちがしてきた行動に新しい正当性ができましたね。「地球を救うためだった」と。
そして面白いのはここからです。
あれだけマスコミに興味がなかった信者たちが今度は大々的にマスコミを使って自分たちに信仰が世界を救ったことを広めようと躍起になったのです。
つまり周りに認知してもらうことで自身のこれまでの行動やコミットメントに正当性を持たせようとしたわけです。
この話、超興味深くないですか?自分が多くを失ったという事実さえも周りが認めてくれさえいれば正当化できると多くの人が考えたというわけです。
それほど一貫性の原理において他者からの認知は強力だということでしょう。
一貫性を強める四要素(努力)
一貫の原理を強める3つ目の要素は努力です。
要するに自分のリソースを注ぎ込めば注ぎ込むほど一貫性の原理は強くなるというわけです。
例えばIKEA効果なんてものがわかりやすい例でしょう。
大手家具会社として有名なIKEAでは多く家具が組み立て式になっています。
つまり完成品の家具に比べて組み立てるといく努力が必要になるでわけです。この組み立てる努力のおかげでIKEAの家具には愛着が湧きやすいと言われているのがIKEA効果です。
あとは過酷な通過儀礼がわかりやすい例でしょう。
例えば部族の中で行われる一人前の大人になるための過酷な通過儀礼もその一つです。
例えば南アフリカのツォンガ族では一人前の男になるために、3ヶ月間も殴られるような暴力を受け、過酷な寒さの中何も身に纏わず眠らなければならず、水も一滴も飲めない。
さらには食事にはカモシカの胃から取り出された消化しかけの草がかかっており、規則違反をしようものなら容赦ない体罰を受けるといった過酷な通過儀礼を受けなければなりません。
他の部族でも性器に刃物を入れたり何日も監禁されたりといった過酷な通過儀礼は多々見られます。さらには近代の大学の新人歓迎にも過酷なものは見られるのです。
例えばアメリカのフラタニティという学生組織の加入には地獄習慣と言われる過酷な加入儀礼が存在し大学側が禁止するなど問題になっています。
そしてここからは私の実体験で僭越なのですが、私自身もドン引きwされるような過酷な通過儀礼の経験があります。
今は行われていませんが私が入学した某国立大学の学生寮の新歓は過酷なものでした。
朝は3時起きwで起床後の12時間つまり午後3時まで先輩の部屋をまわり寮歌という歌を教えてもらい、その後の午後4時から深夜0時までの8時間は先輩に怒鳴り散らされながら覚えた寮歌を声が枯れるまで全員で歌うというものでした。
今覚えば全く意味が分かりませんが当時はこれで結束力が強まったとか思っていた気がしますw
こういった過酷な通過儀礼は新人歓迎や新人研修のような新しく何かしらのコミュニティーに入る新人に行われる事が多いです。それは新人にそのコミュニティーへの愛着や忠誠のようなものを強める効果があるからです。
「自分は今、こんなに苦労してこのコミュニティーに入ろうとしているのだから、このコミュニティーは価値あるものに違いない」そう思えるわけです。
この過酷な通過儀礼は宗教でも多く見られます。修行なんてものはまさしくそこに当てはまるものも多いと思います。
いわば過酷であればあるほどそこに価値を見出すのは簡単なのです。
重要なのは価値を見いだしているだけであって本当に価値があるかはまた別問題という事を肝に銘じておきましょう。
次に似た事例としてサンクコストバイアスについて解説しましょう。
サンクコストは埋費用とも言い、どう頑張っても回収のしようがない費用の事を言います。
合理的に考えれば回収できないのであればさっさと諦めて投資の継続を断念するべきです。そうすれば損失が増えることはないのですから。
しかし過程の投資が莫大だったため諦めきれずに投資の継続を促してしまう事をサンクコストバイアスと言います。
サンクコストバイアスの最も有名は例はコンコルドという旅客機開発の例でしょう。
イギリスとフランスが共同開発した旅客機コンコルドは開発しても採算がとれない事実が途中で分かりました。しかしそれまでの投資が膨大だった(つまりこんだけ努力したのだから・・・)ため開発を継続し、さらに赤字を増やす事になってしましました。
この事例からサンクコストバイアスはコンコルドの誤謬なんて言われ方もします。
もしあなたが今まで頑張ってきたからという理由だけで採算の取れないプロジェクトを進めてしまっているのなら、辞める勇気を持つことが賢明だということです。
一貫性を強める四要素(自己決定)
最後の一貫性の原理を強める要素は自己決定です。
最も基本的に事に思えるかもしれませんが自分で決めたという事は強力なコミットメントなのです。人は外部からの圧力なしに自分で決定したことに強く意味を見出すものなのです。
例えばこの自己決定のコミットメントの強さはこんな利用方法があります。
相手に何かをして貰いたい時は2つの選択肢を用意しどっちかをやってもらうように頼むとよりちゃんとやってもらいやすくなります。
具体例で言えばお母さんが子供にお手伝いを頼みたかったら、「皿洗いとお風呂掃除のどっちかをやって」といったように頼むのです。
そうすると子供はどちらかを選ぶはずです。
これでもう子供が自分のやることを自己決定している構図は完成するのです。
きっと選んだ方はいつも以上にしっかりやってくれるでしょう。だって自分で選んだ事だから・・・
さらに応用するとこんな使い方もあります。
「何もしない」を選択肢に入れるという方法です。ここではペンシルベニア大学のロン・シュリフトとジョージア大学のジェフリー・パーカーが行った実験をご紹介しましょう。
この実験では日被験者を3つのグループに分けて行いました。
グループ1 2つのパズルの中から1つ選んで取り組んでもらう。
グループ2 3つのパズルの中から1つ選んで取り組んでもらう。
グループ3 2種類のパズルの中から1つ選んで取り組んでもらう。
その説明の際に「何もしないで帰っても良い」という3つ目の選択肢も明言しておく。
この実験では時間制限はなく被験者がパズルにどれだけ長く取り組んだかの時間を調べました。
要するに一番根気強く取り組んだグループを調べたのです。
その結果グループ1と2とではパズルに取り組んだ時間の差はほとんどなく、グループ3だけは他のグループより平均して40%以上も長くパズルに取り組んでいる事がわかったのです。
つまり「何もしない」という選択肢がパズルへの取り組み方に大きな影響を与えたという事です。「何もしなくても良かったのに、わざわざ取り組んでいるという事はこの作業は意味あるものに違いない!」ロジックとしてはそういう事でしょう。
最後に少し話がずれるかもしらませんが私の好きな逸話を紹介しましょう。
スティーブ・ジョブズがマーケティングに優れたペプシコの役員ジョン・スカリーを引き入れる時の有名な口説き文句
このまま一生砂糖水を売り続けたいのか、それとも私と一緒に世界を変えたいのか?
これもわざと選択肢を与え、自分でアップルに入社することを決めさせるという一貫性の自己決定を用いた強力なテクニックなのではないでしょうか?
社会的証明
みなさんは自動車免許を持っていますか?僕は一応持っています。(ゴリゴリのペーパードライバーですか・・・)
もしかしたらその免許取得の際に免許センターで1500円の会費を払いを交通安全協会とやらに加入した覚えがありませんか?
交通安全協会とは交通安全を目的とする非営利団体の事です。
交通安全協会に加入すると都道府県ごとに違いはあるそうですが事故時に入院したらお見舞金をもらえたり、チャイルドシートをレンタルできたりと色々特典はあるようです。
しかしここで重要なのはこの交通安全協会への加入は任意、つまり加入しなくても良いという事です。
僕もこの交通安全協会への勧誘の事はよく覚えています。
簡単に交通安全協会についての説明があり、そのあと協会の方が「この後入会手数料1500円を集金しますのでみなさん机の上にお金を用意してお待ちください」と言ったあとお金を集金し始めました。
免許を取得したばかりの僕たちは少し困惑していたのを今でも覚えています。
教習所の説明には免許取得に1500円が必要だなんて書かれてなかったからでしょう。
そして最初の人がわけもわからずお金を払いその後の人もほぼ全員がお金を払っていました。(なぜならみんなも払っているから・・・)
そんな時に救世主が現れました!!
まぁ、僕なのですがww
集金の人が私の席に来た時に不信感を持っていた僕は「それって任意ですか?」とドヤ顔で聞いてみました。
すると「なら結構です」と集金の人はバツが悪そうに僕を流していきました。
それを見ていた僕の後ろの人も今度はどんどん支払いを拒否するようになったのです。(くそっ!!あの時もっと俺が前にいら・・・)
こんな事はみなさんも経験があると思います。「みんながそうしているから自分もそうする」これこそが影響力の3つ目の原理、社会的証明です。
みんなが同じように考えているときは、誰も深く考えてない時である。
ーウォルター・リップマン
これは僕が大好きな言葉の一つです。
この社会的証明は本当に強力でそして最も気をつけるべき影響力だと僕は考えています。
ではそんな社会的証明はどのように私たちの生活に活用しているでしょうか?
またしても僕の個人的な話で僭越なのですが
先日、友人とBBQをするために僕はインターネットで「BBQ会場 オススメランキング」と検索しました。
そんな事は今や日常茶飯事ですよね。何を買うにもAmazonレビューを見る時代です。
はい!こんなのは典型的な社会的証明でしょう。
レビューやインターネットのランキングはいわば人気の証明です。
それは僕たちは人気のあるものは良いものだと考える傾向が強いからです。
確かにそれは部分的には間違いではないでしょう。
しかしそのことを裏手にとって人気があるように見せている詐欺まがいの広告があるのも事実です。
この記事を読んでどんな時に社会的証明に影響を受けやすくなるのかを学んでいきましょう。
社会的証明を強める要素は3つあります。
不確かさ
1つ目は不確かさです。
人は情報がない不確かな状況において社会的証明に影響を受けやすくなるのです。
例えばあなたがパソコンに詳しいとします。
パソコンに詳しければ購入するとき「CPUはこれで・・・メモリーは・・・」と言った具合に自分の用途に合わせた良い買い物ができるでしょう。
しかしもしパソコンに詳しくないのであれば家電量販店の店員さんに「このモデルを買っておけば間違いはないでしょう。実際うちで取り扱っている製品の中でもこれが一番人気です。」などと言われ「じゃあ。それで・・」と購入を決めてしまう事は目に見えています。
確かに不確かな意思決定においてこの社会的証明を用いることはそんなに悪手ではないことが多いです。
しかし一番人気はあくまで平均であってあなたにとっての最適解でないことも理解しておきましょう。
さらにはこの社会的証明は時には最悪な悪手になることもあるのです。
それが集団的無知と言われる現象です。
中でも1964年にニューヨークのクイーンズで起こった事件がその最たるものでしょう。
この事件はある女性がナイフで刺されて命を落とすというものでした。
しかし、これだけではたまに起こってしまう悲惨な事件くらいで片付けられていたでしょう。
驚くべきことにこの事件は35分間も被害者は犯人から悲鳴を上げながら逃げまどい、38人もの目撃者がいたにもかかわらず起こってしまった事件なのです。
この間、被害書の誰1人も警察に届け出なかったのです。
なぜこんなことが起きたのでしょうか?
理由の1つは目撃者がたくさんいたからでしょう。
「はっ?」と思われるかもしれません。
普通は目撃者が多い方が早く通報されそうですよね。
しかしこれが集団的無知の恐ろしい所です。
目撃者がたくさんいるなら多くの人はこう思ったのでしょう。
「わざわざ自分が通報しなくても・・・・他の人も目撃しているし・・」
これが集団的無知です。
大勢が見ているからこそ責任が分散してしまうのです。
例えばあなたが田舎人ひとけの無い道を歩いている時に、倒れている人がいたらきっと声をかけて助けるでしょう。
しかし都会の大勢の人が行き交う道に倒れている人がいたら助けますか?
人任せにスルーしてしまうのではないでしょうか?
さらにはこうも考えるはずです。
「ここに人が倒れているけど他の人もスルーしているし多分大丈夫だろ・・・」
これが集団的無知の怖いところです。
類似性
社会的影響力を強める2つ目の要素は類似性です。
人は自分に似た人により強く影響を受けるものです。
そんなことは周りを見渡せばすぐに確認できることでしょう。
高校生はいかにも高校生らしいファッションをしている事が多く、大学生のファッションもいわゆる量産型ファッションがやはり多いように見受けられます。
これは自分と似た人、つまり同年代同士が互いに影響を及ぼしあい平均化された結果でしょう。
しかしこれは決して悪いことではありません。
恋愛でも自分と同じ系統のファッションをしている人にに 惹かれる傾向があることがわかっています。
そうであるなら、よりメジャーなファッションに身を染めることは統計的にも無難なのです。
ちなみにそんな僕は全身ユニクロ(しかもセール時にしか買わないw)です。
偉そうにファッションを語って恥ずかしいですw
この類似性によ社会的証明の強め方はマーケティングにおけるターゲティングでよく見受けられます。
単に人気ナンバーワンと広告を打つよりも「大学生支持率ナンバーワン」とした方が大学生に対しては売れやすくなることが予想されるのです。
特に相手の信用を得たいときには類似性の提示は有効です。
あなたもたまたま出会った人と出身地が同じだった時にテンションが上がった経験はあるんではないでしょうか?
出身地が同じ、大学が同じ、やっていたスポーツが同じ、好きなゲームが同じ、こんなどんな些細な類似性であっても類似点がある人間からは影響を受けやすくなることがわかっています。
端的に言ってしまえば共通点があると好かれやすく、好かれることは影響力を上げる方法の一つなのです。
繰り返し
次にに社会的証明を強める3つ目の要素、繰り返しについて説明していきたいと思います。
要するに何度も繰り返し見たり聞いたりする事をを人間は重要な事と認識しやすくなっているのです。
これもある種当たり前でしょう。
街の中を歩いていて例えばMA1を着ている人を何人も見かけたら「あ〜今MA1流行ってるんだなぁ〜」と思うでしょう。
つまり繰り返し見たり聞いたりと言うのは数が多いことの証明であり最もわかりやすい社会的証明なのです。
ナチのプロパガンダ政策の中核を担っていたヨーゼフ・ゲッベルスは「大衆は最も親しんでいる情報を真実と呼ぶのである」とも言っています。
さらには「一般市民は、私たちは想像する以上に原始的である。したがって、プロパガンダは常に単純な繰り返しでなくてはならない」とも言っています。
これは広告などにも当てはまります。
要するに同じメッセージを繰り返し報じることで広告には一定の効果があるのです。
なぜなら見ている人は無意識の中で繰り返し見ているのだからこの情報は大切なのだろうと考えているからです。
さらには単純接触効果もあるでしょう。要するによく目にするものは好かれやすくなるのです。
学生寮で学生がみんな通る通路近くの部屋に住んでいる学生は人気者になりやすいなんて研究があるくらい接触回数の多さと言うのは好意に影響するのです。
基本的は繰り返せば繰り返すほど影響力は強くなっていきます。
しかしあまりに繰り返すと「しつこい!」と消費者に思われ広告効果が減退する擦り切れという現象が起こることも事実です。
特にこの擦り切れは笑いのなどを用いて気を引く系の広告で起こりやすいと言われています。
ではこの擦り切れはどうすれば防げるのか?
単純に言い方を変えるバリエーションを変えた繰り返しによって基本的には防げると言われています。
要するに言い方を変えて繰り返すと良いという事です。
「安い」を広告で伝えたいのであれば
「お買い得」「財布に優しい」「コスパが良い」「お得」といったように言い方を変えて繰り返すのです。
しかしこのバリエーション繰り返しもただやれば良いというものでもありません。
やりすぎると擦り切れは起こるのです。
じゃあ具体的に何回くらい繰り返せば良いのか?
それは相手が中心ルートか周辺ルートかで変えなければなりません。
ここで聞きなれない言葉が出てきましたね。
中心ルートとは相手がそれを思考の中心においている時の事を言います。
例えば引っ越しを考えている時には物件探しサイトの広告に嫌でも目がいって意識しますよね。
これは物件探しが中心ルートとなっているからです。
このように探したい情報へのアンテナが高くなっている状況を中心ルートと言います。
逆に周辺ルートとは特に意識せず聞き流してしまう状態の事を言います。
例えば子供がいないのにおむつのCMを強く意識することはないですよね。
それはおむつに対しての情報が周辺ルートになっているからです。
この中心ルートと周辺ルートで擦り切れの起こる早さは異なると言われています。
一般的に中心ルートではバリエーション繰り返しでも比較的早く擦り切れが起こるとされています。
つまりホームページなどで繰り返しを過剰にするのはよくないと言えるのです。
なぜならホームページはある程度は調べようとをいう気持ちを持っている中心ルートの人が訪問する場所だからです。
逆にTV CMのような広告ではバリエーション繰り返しを多少過剰に使用しても擦り切れが起こりにくく、相手に効果的に印象づけることができます。
広いターゲット層に見られる媒体の広告はバリエーション繰り返しの多用、ある程度密人間が限定されている媒体の広告では少し控えめなバリエーション繰り返しを用いると良いでしょう。
以上で影響力における社会的証明の説明は終わりとなります。
少し感情的な話となってしまいますがこの社会的証明の圧力「みんながやっているから自分もそうする」というのは現代社会ではあまりメリットのあるものでなくなっていると私は考えております。
それは参加人数が多い椅子とりゲームに参加するようなものに思えるからです。
みんなが同じように考えているときは、誰も深く考えてない時である。
ーウォルター・リップマン
僕が大好きなこの言葉の意味をもう一度確認して生きていくことがこれからの社会では求められそうですね。
好意
好意も協力な影響力の一つです。
僕たちは好きな人やものからより強く影響を受けるようになっています。
1日平均5台もの車を売ったとされる、ギネスブックにも載ったことのある伝説的自動車セールスマンのジョー・ジラードは車を客に売るためには2つのものを客に提供すれば良いと言っています。
その2つとは
公正な価格と、客にこの人から車を買いたいと思ってもらう人格です。
要するに彼は良い人マーケティングで世界1のセールスマンになったのです。
もちろん、それはお客さんを騙していたわけではなく真摯にセールスを行った結果でしょう。
要するに僕たちは価格とか機能の合理性より自分が好きな人の影響を受けやすいということです。
この好意を持ってもらうための条件はいくつかあります。
その中の二つは前述した類似性と繰り返しです。
私たちは自分と似ているものを好きになり、よく見るものを真実と捉えやすいのです。
そしてそれ以外の3つ目は残酷な話ですが見た目の良さです。
美人・イケメンしか勝たん
科学的に見ても、見た目の良い人は、そうでない人より確実に社会的な得をします。
これは多くの実験でも示唆されていて、
アメリカとカナダで行われた調査では見た目の良い人は王でない人より平均した12〜14%も所得が高いこともわかっていますし。
企業面接から始まり、選挙ですら見た目の良い候補者の方が2.5倍も当選率が高いことがわかっています。
さらにはペンシルベニア州の裁判所での調査で見た目の良い被疑者の方がそうでない被疑者よりずっと刑が軽くなることもわかっています。
イケメンでない人が20人刑務所送りになったとしたら、同じような罪でもイケメンは10人程度しか刑務所に入れられなかったそうです。
所得から始まり、政治や司法でさえ世の中はイケメン・美女に優しいのです。
これには2つの理由があるとされています。
1つ目はまだ希望が持てるもので、
イケメンや美女は態度から自信が溢れていて、その自信に満ちた佇まいからポジティブな印象を与えるというものです。
これはすごく良心的な理由ですね。
イケメン・美女でなくても仕事や勉強、スポーツで結果を出したとか
何か自己肯定を促すような自慢できるものがあれば良いという話なので努力で全然カバーできます。
しかし2つ目のハロー効果はどうしようもない気がします。
ハロー効果
ハロー効果とは1つの要因が他の要因の評価に影響することを言います。
前述したようにルックスがいいと面接に通りやすいなんていうのは典型的なハロー効果と言えますし、そもそも好意があると影響を受けやすくなるのはこのハロー効果に起因するものでしょう。
ここで、このハロー効果がどのようなメカニズムで起こるのかを詳しく解説していきましょう。
ハロー効果の起こる原因は確証バイアスにあります。
確証バイアスとは一言で言えば都合の良い解釈のことです。
人は一度、評価をしたらその評価を確信づけるような都合の良い解釈をしやすくなるのです。
第一印象が大切なんていうのもこの事に起因します。
都合の良い解釈とは、特に両義性の無視や反例の無視のことです。
例えば「やさしい」という言葉は「思いやりのある」という意味の他に「厳しくできない」と捉えることもできます。
こういった言葉の二面性を無視することが両義性の無視です。
反例の無視はそのままの意味です。
自分の信じていることが覆されるような情報を無視してしまうことを言います。
ここでハロー効果と確証バイアスを具体例を交えながら説明していきましょう。
今から Aさん Bさん 二人の特徴を挙げますのでぱっと印象を考えてください。
Aさん
ギャンブル好き 怠け者 やさしい 公務員 高学歴
Bさん
高学歴 公務員 やさしい 怠け者 ギャンブル好き
どうでしょうか?
よく見るとAさんBさんの特徴は順番を逆にしただけで全く同じものなのがわかります。
しかしAさんの方が印象が悪くないですか?
そうであれば、あなたはまさしくハロー効果にハマっているという事です。
Aさんの特徴では最初の2つが第一印象となってしまうのです。
お世辞にもこの2つのギャンブル好きと怠け者は良い特徴とは言えないでしょう。
さらにこの最初の悪い印象は確証バイアスによって後半の比較的良い特徴の解釈を歪めてしまい結果としてAさんの印象は悪いものとなるのです。
結局僕たちは目の前のものを自分のみたいように見ます。
目の前にイケメン・美女がいたらすごく良い人だと信じたいのです。
だから、ちょっとくらい意地悪でも「小悪魔的で良い・・・」と思えるし
少しだらしなくても「抜けてるところも可愛い。。」
なんて都合のよく解釈できるのです。
お世辞
お世辞も好意を与えるテクニックの一つです。
しかしお世辞というと大くの人はあまり良い印象は持たないかもしれません。
「ゴマスリ」なんて言葉があるようにお世辞にはマイナスの印象もあるようですが、残念ながら人間はこれでもかというくらいお世辞に弱いです。
先ほど紹介した伝説的自動車セールスマンのジョー・シラードは毎月1万3000人以上のお得意さん1人1人に毎月「あなたが好きです」と書かれた挨拶状を送ったそうです。
毎月定期的にくる好意だけを伝える挨拶状
お世辞、おべっかもいいところです、
しかし彼はそんな挨拶状には効果があったと語り、事実として結果も出しています。
もし、お得意さんがこんなゴマスリみたいな挨拶状を送ってきて
豚もおだてりゃ木に登る的な思考で車を売りつけようとしてくる奴は気に食わない!と本気で考えていたら、ジラードは1日平均五台も車を売れなかったことでしょう。
お世辞、ゴマスリと分かりきっていても人間はお世辞には弱いものなのです。
仲間
類似性とかぶる部分も多いのですが、人間は相手が自分の仲間だと考えることでとてつもなく強い好意を発揮します。
これは社会学者ムザファー・シェリフとその共同研究者たちが半世紀以上前に行った研究なのですが
研究チームは少年たちを集めてサマーキャンプを開きました。
その際に少年たちを2つのグループに振り分け「イーグルス」と「ラトラーズ」という名前を付けさせました。
もう予想はついているかもしれませんが、案の定少年たちは自分のチームメイトには好意を示すようになり、別チームの人間を敵対視する用になりました。
両チームの敵対視は日に日に強くなり、終いには食事の時間に両チーム間で取っ組み合いが始まる始末だったそうです。
そこで研究チームが両チームの仲をとり持つために様々な方法をためしました。
その中で最も効果が高かったものは、両チームが協力しないと達成できない課題に取り組ませるというものでした。
つまり、両チームにチームとしての仲間意識が芽生えるような枠組みを与えてやったのです。
言ってみれば両チームの不和も研究チームが両チームに異なるチーム名を付け、違う枠組みを与えたことにより発生しています。
人間はこの枠組みに強く影響をうけます。たとえそれが他者から強制的に割り振られたものだとしてもです。
有名な所ではフィリップ・ジンバルドーのスタンフォード監獄実験がそれにあたるでしょう。
このサマーキャンプの実験では両チームに協力を促すようなタスクを与えたら、すぐに両チームの不和が解消されたわけではありませんでした。
しかし、確実な効果はあり日に日に両チームの関係性は良くなっていったそうです。
フィクションにはなりますが、これってよくある話ですよね。
エイリアンもののSF映画とかで、
宇宙人が侵略してくることによって争いあっていた地球の世界各国が協力して宇宙人と戦う的なアレです。
ドラえもんで映画版のジャイアンはいい奴の法則とも言えるでしょう。
まあ、それはさておき共通の敵を作るというのは政治家の演説や戦争プロパガンダでもとても有効な協力を煽る手法として知られています。
どう言った経緯であっても、
何か共通の目的を持った仲間というものに人間は強い友好を示すものなのです。
雑談
雑談は相手に好意を持ってもらうために必要な手っ取り早いテクニックと言えるでしょう。
特にこの手の雑談はシュムージングとも呼ばれていて、交渉や商談の前に他愛も無い雑談を挟むことで、交渉の成功率が格段に上がることもわかっています。
しかし、いざ雑談しろと言われても何を話していいか難しいものです。
そこで提案したいのが雑談テンプレを作っておくことです。
テンプレとして雑談として話す内容をあらかじめ決めてしまえば良いということです。
ここではオススメの雑談テンプレをいくつかご紹介しましょう。
最も相手と仲良くなれる雑談内容は自己開示です。
要するに「初対面の人にいきなりこんなこと話しても困るかな〜」ってくらい踏み込んだ自己紹介をしてOKということです。
特に自分の価値観や自身のアイデンティティーを形成したエピソードなどが、自己開示にはオススメです。
具体的には
夢、目標、挫折、歴史(自分の)
などです。
自分がどのような挫折やターニングポイントを経て、どのようにこれから生きたいかを語るのが良い自己開示を言えます。
「初対面の人にそんな話重いくない?」と思われるかもしれませんが、それで良いのです。
普通は親しい人にしかしない話をあえてすることで「自分のことを信用してくれているのかな?」と相手に思ってもらうことでより仲良くなれるというわけです。
もっとライトの雑談内容としては箇条書きにはなってしまいますが、
仕事
通勤
季節
天気
テレビや本、映画
ニュース
幼少期の話
青春時代の話
自身の名前の由来
流行りのものの話
こんな所が無難な所でしょう。
権威
権威はわかりやすい影響力です。
多くの人は偉い人の意見を信用する傾向があります。
そして特に興味深いことは自分がその分野の権威である場合と権威でない場合においては、相手を説得するために効果的な手法が異なるということです。
結論からいうと
自分が権威である場合は極端な意見を、権威でない場合は中程度の意見が
相手の考えを変えさせるのには好ましいとされています。
これは
意見の食い違い度と、自身の意見の変更度に曲線的関係があること
相違する意見に対する受容範囲があること
という2つの要因によって引き起こされる結果がと言われています。
少し話が複雑になってきたので図を交えてゆっくり説明していきましょう。
ここでいう、意見の食い違い度と自分の意見の変更度はその言葉の通りで良いと思います。
例えば、お酒を毎日飲んでいる酒好きに対して「酒なんて毒だ!」というのは意見の食い違い度が大きい意見と言え、「休肝日を作った方がいいよ」ぐらいは意見の食い違い度が小さい意見と言えます。
また、それらの意見を聞いた酒好きが「完全に禁酒をしよう!」と考えたのなら意見の変更度が大きいと言えますし、「少しだけお酒を控えよう」くらいに考えたとしたら意見の変更度は小さいでしょう。
「酒を控える気は全くない!」と考えたとしたら、意見の変更度は0と言って良いでしょう。
そしてこの2つには曲線的な相関関係があると言われています。
つまり図にするとこんな感じです。
この図だけ見れば意見の食い違い度が高い意見を言った方が変更度は大きくなるのでどんなとにかく極端な意見を言っておけば良いように思えるでしょう。
しかしここで受容範囲の問題が出てきます。
この受容範囲とは言葉の通りどの程度の意見の食い違いまでを受容できるか?ということです。
簡単に言えば極端すぎる意見は受け入れられないということです。
例えば環境問題について「節電などでみんなで配慮していこう!」くらいの意見なら多くの人に受け入れられると思います。
しかし「文明をやめて、原始時代の生活に戻ろう!」と言われても、極端すぎてついていけなくなってしまうでしょう。
つまり受容範囲を超えてしまった意見は変更度を急激に下げてしまうということです。
図にするとこんな感じです。
そしてこの受容範囲は意見を聞く人ではなく意見をいう人によって変わるのです。
要するに一般の人の意見を聞いた場合と権威の意見を聞いた場合では受容範囲が変わるということです。
このように一般の人と権威では受容範囲が異なるので意見の変更度が最高となる意見の食い違いども異なってくるということです。
まとめると、
一般の人の意見は聞き手にとって受容範囲が狭いので中程度の食い違いの意見が受け入れやすく
権威の意見は聞き手にとっての受容範囲が広いのである程度食い違いの大きい極端な意見でも受け入れやすいということです。
自慢
権威とは評価のようなものです。決して自分から自分の実績を誇示するような自慢をしても相手に対して権力を持つことはできません。
ではどうすれば権威となれるのか?
もちろん公的な実績を持つことが最も確実です。
東京大学教授と言ったら誰もがその道の権威であることを認めるでしょう。
しかし、クローズドなコミュニティーであればもう少し手軽に権威を持つことができるっちゃできます。
それは他人に自分のプレゼンをしてもらうことです。
要するに誰かに自分の自慢をしてもらうということです。
自分のいい噂が流れていると言ったらわかりやすいかもしれませんね。
でもこれってサクラでも使わない限り難しいんではないの?という問題はあります。
しかし、1個だけ人に自分の良い噂を流してもらいやすくなる方法があります。
それは自分から積極的に他人を褒めるというものです。
こうすることで返報性の原理から、自分が褒めてもらう頻度も増えますし、何より人を褒めることは前述したお世辞でもあったように基本的にメリットが大きいです。
人をよく褒める人をあなたはどう思いますか?
基本的にはよく人を褒める人には良い印象を持つでしょう。
このように他人を褒めることは自分の信用を向上させる事にもなりますし、お世辞でも大きな効果を生むことは前述したように分かっているので、やはり積極的に他人を褒めることはメリットしかないと言えるでしょう。
以上でこの記事は終わりとなります。
人はどのような人間に影響を受けやすく何に好意を持ちやすいのか?についてこの記事では説明してきましたが
結局は他人に影響を与えられる人間は他人から信用されるほど誠実な人間です、
小手先の心理テクニックに頼るのではなく、自分の価値を本質的に高める努力を忘れないようにすることが最も大切なのでしょう。
以上でこの記事は終わりとなります。
今回学んだことは悪用厳禁ですので良いことに使ってくださいね!
最後に参考だけ載せておきます。
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