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好きなことが仕事になる時代

不思議なことが起きている。

今年1月から始めたvoicyは、周囲から音声配信を勧められた勢いで、というのが正直なところで、そこから新しい読者との出会いや広がりは期待していたものの、何か具体的な計画や目標の達成を掲げてスタートしたわけではない。

とりあえず慣れるまでは基本的に毎日やる、とだけ決めて、2週間、1ヶ月、2ヶ月……とやってきて、3ヶ月半で放送100回を迎えた。
その時点でフォロワーさんは2000人を超え、再生回数は約50万回。と書いてみたところで、実際この数字をどう受け止めるべきか、よくわかっていない。もっと速い人、もっと多い人も山ほどいる。でも肌感覚として、自分らしい速度だという気はする。

よいリスナーさんに恵まれていることだけは、はっきりとわかっている。日々届くコメントを読んでいると、胸があつくなったり、フフッと笑えて元気になれたり、やったね!とハイタッチしたい気分になったりする。

わたしがvoicyのなかに持たせてもらった番組が、一つの場所として、わたしとリスナーさん一人一人のなかに存在していることを感じる。こんなことをnoteに書く日がくるなんて、スタートしたときは想像もしていなかった。

「sketch」完売を目指して


キングコングの西野亮廣さんのvoicyに触発されて、毎回の放送で自費出版作品『sketch』のおしらせをすることに決めた話を、以前のnoteで書いた。

驚くことに、おしらせをするたびに必ず数件のお申し込みがあり、voicyスタート以来すでに100人以上の方が『sketch』を購入してくださっている。
『sketch』は1と2があり、voicyから買ってくださる方は全員2冊セットを購入してくださるため、200冊以上を売り上げたことになる。

8年前に出版した1冊1000円の本が、音声配信によって再び売れ始め、4ヶ月で200冊超が売れたという事実に、ただただ感動している。
それを狙ってvoicyを始めたわけでもなく、そのときどきで、これを今やるべきではないか、と感じたことをやってきただけなのだ。

一方で、やっぱりそうか、そういうことなのかと腑に落ちる感覚もある。
というのは、昨年秋から始めた、毎月の新月と満月の日に願い事をノートに書く習慣のなかで、わたしは何度も、いろんな角度から、いろんな文章で、この『sketch』が完売することを願っているからだ。

月星座占星術家のKeiko先生が、「風の時代は好きなことや得意なことがいつのまにか仕事なっていた、ということが当たり前になっていく」とよく話していて、ワクワクしながら聴いていたのだが、でもそれってまさに今、自分の身に起こっている、このことじゃないか。

『sketch 1』『sketch 2』あわせて3000部制作したのは8年前。
最初はブログ読者に向けて販売し、6割売れた時点で動きが止まった。
そこで好きな書店さんに営業して直取引で販売してもらい、その後はコロナ自粛を機に現在の価格に値下げして、ここ2年は自分たちのサイトでの販売を続けてきた。その売り方で、在庫をはける日がくることを、自分自身がちゃんと想像できていなかったように思う。でも今は、本気で完売を目指している。

なぜなら、もう在庫は「山」とよぶほどでもないから。
数えたら、『sketch 1』が残り240冊あった。
書店さんに卸していた際、『sketch 1』が先に売れて、追加注文をいただくことがあったため、『sketch 2』の在庫数が少し多い。
それはともかく手元に予備として少し残すことを考えると、『sketch』を1と2のセットで販売できるのは、あと200ちょっとということだ。
4ヶ月で100セット売り上げたことを考えれば、気が遠くなるほどの数字ではないと思える。

こうした具体的な目標があるかぎり、voicyは「なんとなく始めて、毎日なんとなく続けている活動」ではない。放送して、おしらせをして、作品が売れていくならば、これは仕事だと自分に言い聞かせられる。そうやって怠け心に喝を入れることもできる。
今は執筆に集中した方がいいんじゃないかという思いがよぎっても、いや、なんとかvoicy収録の時間を捻出して続けるべきだ、と思い直すことができるのだ。

自費出版でつくった『sketch』の制作費はすでに回収できており、今の売上はすべて純利益となる。その利益は次に新しい何かを始めるときの資金となるわけだけれど、そこが第一の目的というよりは、しばらく動きのなかった在庫に新しい風を入れて動かしたい、そして今この本の存在を知って興味を持ってくれた人たちにきちんと手渡していきたい、という思いが原動力となっている。

ともあれ、「風の時代は、好きでやっていることがいつのまにか仕事になる」というのは、わたしに関しては、本当だった。
怠けず、考えすぎず、ためらわず、風に吹かれて動いてゆこう。


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