見出し画像

24歳の誕生日、ひとり旅で"旅"を知った。【源光庵・京都府】

お久しぶりです。
24歳になりました! 旅するライターの中口直子です。


まさか、この歳になっても学部生をやってるなんて思わなかったな。
昔の私は、キャリーケース片手に世界を飛び回っているような、スーツの似合うかっこいいお姉さんになっていることを想像してたのに。

今の私はキャリーケースではなく、バックパックにメモ帳とペンを入れて日本を味わう旅をしています。
久々の旅するライターのnoteだから、旅の道中で見たもの感じたものを、残していきたいな。


そうだ 京都、行こう。

6月9日。私の誕生日。

6月生まれらしく、紫陽花が大好きなのです。


「この日は絶対に、何が何でも1人で京都で過ごす!」

大好きな街で、今となっては貴重な1人きりの時間を満喫したい。
人と会うのも大好きだけど、そろそろ1人の時間が足りない。


思い立ったが吉日、1週間前からホテルを予約し、ざっくりと当日のスケジュールを組み始めました。
京都1人旅は5月の貴船神社以来で、すごくワクワクした。これもそのうち書きたいな。


迷いの窓、悟りの窓(源光庵)

天候の影響をとっても受けやすい私は、5・6月が一年で最も憂鬱になる。
人生の岐路に立たされるのはいつも、6月。

仮面浪人、編入、休学などなど。
ちょっと変わった選択肢は、ぜーんぶ梅雨の時期に降ってきたのです。

今もまた、ひとつの節目に悩んでいます。
挑戦するのか、しないのか。

そんな私にぴったりだと思った、この源光庵を訪れました。

迷いの窓
悟りの窓

四角は、人間の生涯における生老病死の苦しみを。
丸は、禅における大宇宙を表しています。


今この瞬間、私はこの眺めから何かを得られるのかな。

そんな淡い期待を抱いて、2つの窓に向き合ってみたけれど、無性に心がざわついて落ち着けなかった。

血天井

実はこの源光庵の天井、集団自決の遺物でもあります。

徳川家康の家臣だった⿃居元忠と、その一党の血痕が残った「血天井」。
最期まで伏見城を守ろうとした彼らの供養のために、この床板を源光庵まで持ってきて、天井としたそう。

このことは着いてから知ったけど、窓の前でもどうにも落ち着かなかったことと関係してるのかな。
当時の彼らの想い、私には想像もつかない。


5時間の帰阪

固定シフトの塾講バイトのため、チェックインだけ済ませてまさかのいったん帰阪。スケジュール管理が下手すぎる。
中学3年生に「先生の体力バケモン……」と呟かれました。私もまだまだ若いな。

電車代をケチった私、22時に父を駅まで迎えに来させ、車で京都駅まで送ってもらいました。
ドライブ好きな父に感謝。

夜の京都駅は、過去を思い出してなんだか切なくなっちゃうな。


平安貴族の別邸にて(メルキュール京都ステーション)

そんなこんなで、やっと戻って来れたのは23時。

エントランスがおしゃれやの!

「平安貴族の遊び」をテーマにしたらしい、高級感と宿泊費のアンバランスが素晴らしいホテルに泊まりました。
ずっと泊まってみたかったんだ~!

想像以上の綺麗さにご機嫌になりつつ、毎度のごとく洗面台やらソファーやらサイドボードやらに荷物を分散させて、これまたいつもの通りにメモ帳とペンを取りだした。


旅の終わりに

国立西洋美術館(世界遺産)で購入した、お気に入りなのです。

私は旅先に、必ずこのメモ帳とペンを持って行く。
普段つけている日記代わりにも、ふと思いついたときのためのネタ帳にもなるから(今は東京、江の島、名古屋、京都の思い出が書き留められてる)。



夜、こうして旅先でひとり非日常を過ごすとき、私はひそかに楽しみにしていることがある。

好きな音楽を大音量で流しっぱなしにして、ふかふかのベッドに飛び込んでしばらくゴロゴロする。
家では怒られてしまうことも、人前では恥ずかしくてできないことも、全部できちゃう。


そうしてひとしきりのんびりしたあと、ペンを取ってメモ帳に向き合い、今日一日で感じたことを思い出すんだ。


旅って、自分にとって心地良いものを選び取る、選択の連続なんだな。


何時に起きて、どこに行こう?
ご飯は誰と何を食べよう?
宿はどのポイントを重視する?
私の旅に欠かせない持ち物って?


移動手段ひとつ取ったって、たくさん観光するために特急に乗るのか、手前の駅で降りて景色を楽しみながら歩くのか、その人特有の"旅"の楽しみ方が滲み出る。

そうして旅を続けると、自分なりに心地良いものや譲れないものの輪郭が、だんだんと鮮明になってくる。

よく自分探しの旅っていうけど、確かに旅って、自己決定の瞬間の連続だから納得。


となると私は、忙しない日常から離れ、自分の心地良いものに囲まれて特別な日を迎えたかったわけだ。

メモ帳に走り書きしてあった言葉。

誕生日は、1人でもこんなに充実させられる。
私はもう、人生を豊かにする術を知っている。


旅を通して、自分にフィットするものに気付いて選び取って、それを求めてまた旅をする。

「自分で選択している」という感覚を得られるから、旅人は得てして幸福度が高いのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?