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ダイカーハイツのクリスマスイルミネーションが想像以上だった

ブルックリンのダイカーハイツ(Dyker Hights)という住宅街には、毎年12月になると多くの人が押し寄せる。普段は平凡な住宅街であるこの地域が、ニューヨークで最も有名なイルミネーションスポットに変貌するからだ。

ダイカーハイツはブルックリンの南西の方に位置する住宅街で、高級住宅地としても知られている。1980年代にLucy Spataという女性が自宅にイルミネーションを施したのがきっかけで、いつしか周辺住民もそれを真似するようになり、毎年相当数の家がデコレーションするようになった。それが評判となり、今では10万人以上が訪れる人気スポットになっている。観光ツアーまで組まれているほどなので、立派な観光地だ。

ダイカーハイツは前述の通り住宅地、つまり「一般の人の家」だ。中には企業がスポンサーに付いている場所もあるらしいが、ほとんどの家は自費でイルミネーションを施している。11月下旬から1月上旬まで毎晩点灯している家が多く、飾り付けの費用と電気代を合わせると、毎年数百万円を投資している家もあるようだ。観覧料を徴収しているわけではないので、ただのボランティアである。どういうモチベーションで長年続けているのか謎だが、お金持ちも多いらしいので、細かい支出は気にしないのかもしれない。何にせよ見ている側としては素晴らしいイルミネーションをただで見せてもらえて、大変有り難いことである。

ダイカーハイツの存在は、日本人にはあまり知られていないような気がする。私も現地のニュース記事でたまたま知り、こんな場所があったのかと驚いた。今年はコロナでクリスマス関連のイベントも限られているし、せっかくなので行ってみた。

ダイカーハイツへは79 Street Stationて降りて15分程歩くと辿り着くことができる。駅から少し遠く、交通の便ははっきり言って良くない。たいだい10th Aveから13th Ave、82nd Stから85th Stの範囲を歩き回ると主な家は網羅できるだろう。行ってみると、想像以上にたくさんの家が光り輝いていたので感動した。中には飾り付けをしていない家もあるのだが、何も悪くないのに悪目立ちしてしまっている。ここに住んでいて何もしないと「あら、お宅は何もしないんですか?」とご近所さんに嫌味を言われそうで、変なプレッシャーを感じる雰囲気である。見る分には素敵だが、住みたくはない地域である。

気合の入れ方は家によってまちまちだが、暗闇を煌々と照らすド派手な家も多く「King of Christmas Lights(クリスマスイルミネーションの王)」という異名を持つ街のプライドを感じた。圧巻の光景なので、一見の価値はあると思う。特に人だかりができていた渾身の家をいくつか紹介したい。

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▲家全体をキラキラに飾り付けるのがダイカーハイツ流。中にいる住人は眩しくないのだろうか

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▲明らかにプロによる仕事。デコレーション業者の看板が目立つ

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▲膨らますタイプのドールを使う家も多い

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▲コロナ禍でも人通りが多いため、交通整理をする警察官

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▲今年の優勝はこの家!謎の人形の数も集まっている人の数も断トツ

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