京都のおすすめカフェ・レストラン5選 vol. 2
第一弾の京都のカフェ・レストラン特集に引き続き、今回も京都滞在時に訪れと店を紹介していきたい。
1. Davada Coffee & Records(七条高倉)
こちらは七条高倉に位置するカフェ。
名前の通り、レコードショップの中にカフェがあるという面白いスタイルのお店である。
壁一面のレコード。
丁寧にジャンルや年代ごとに分けられたレコードたち。
店内では、コーヒーのほか、焼き菓子も食べることができるとのこと。
カヌレ、スコーン、マドレーヌ、パウンドケーキ、マフィンなどが揃っている。
カヌレ380円とアイスアメリカーノ450円をオーダー。
このnoteでは筆者がカヌレ好きなためにカヌレの登場率がわりと高いが気にせず読み進めていただきたい。
お店のコンセプト枯らしてコアなお客さんが多いのかと思いきや、普通にコーヒーだけ飲みに来ている人もいるので居心地が良い。
夏の暑い日だったので、スッキリした飲み心地のアイスコーヒーが身に沁みる。
こういう日はエスプレッソではなく、日本式(アメリカ式?)のアイスコーヒーを飲みたいもの。
京都駅からも徒歩圏内なので、美味しいコーヒーと焼き菓子、そしてレコードに興味がある人にお勧めである。
Davada Coffee & Records
住所:〒600-8146 京都府京都市下京区材木町469−11
営業時間:11:00-19:00(金曜定休)
公式ホームページ:https://llamalabo.shop-pro.jp/
2. Kaikado Café(七条高倉)
こちらも七条高倉にあるお店であり、京都駅から徒歩圏内である。
開化堂(kaikado)とは、明治8年(1875年)にイギリスから輸入したブリキを使い茶筒を作り始めたことで有名な京都の老舗の会社である。
寺社仏閣や料亭、和菓子屋さんの多い京都では、美味しいお茶をお客さんに提供する場もそれだけ多いはず。
そのような環境でお茶の品質を損なうことなく保存できる茶筒が重宝されたことは、容易に想像がつく。
今回紹介するのはそんな開化堂が運営するカフェであり、建物自体は、旧京都市電の施設を改装してできたとあってとても風情がある。
こちらを訪問したのは2022年夏であったが、2023年からは自家焙煎のコーヒーも提供しているとのことである。
コーヒーの他にもイギリスや台湾、そして日本のお茶を提供しているとのこと。
置いてある本も建築や文学、美術などととても幅広い。
店内では開化堂の茶筒や珈琲缶のほか、伝統工芸作家による陶器やガラス製品も扱っているとのこと。
真鍮や銅、ブリキで作られた茶筒は、修理して繰り返し使える上に、経年による素材の変化も楽しむことができるのである。
カウンター席もゆったりしている。
今回筆者がオーダーしたのは、アイスコーヒーとあんがさねというお菓子。
このあんがさねは、後に紹介する京都の甘味処・梅園で作られているものとのことであり、クッキーの生地に柚餡と餡子が挟まっているものである。
そのほか、中村製餡所のもなかや鍵善良房のカラキ餅、オリジナルのチーズケーキや餡バタートーストなどがメニューにはある。
珈琲と、しっかり甘い小豆のお菓子との組み合わせは最高である。
ほかランチメニューもあるようだが、ホームページのメニューを見ていただいても分かるように、こちらの店はコーヒーだけでも1000円超えとかなり高めの値段設定である。
それでもこだわりの味とゆったりした空間を味わいたい、とっておきの贅沢な時間を過ごしたいという人にはお勧めしたいお店である。
Kaikado Café
住所:〒600-8143 京都府京都市下京区住吉町352
営業時間:10:00-15:15(水曜)、10:00-18:30(金曜から火曜)、木曜定休
公式ホームページ:kaikado-cafe.jp
3. マールブランシュ ロマンの森カフェ JR京都伊勢丹 3F(京都駅)
あの茶の菓の抹茶クッキーで有名なマールブランシュのカフェが京都駅近くにあると聞いて行ってきた。
ちなみにマールブランシュは、京都北山本店にはシックなカフェ、山科にはマールブランシュのブランドを運営する会社ロマンライフ創業の地でロマンの森というカフェ、京都駅近鉄名店街みやこみち内のカフェなどを営業しており、それぞれのカフェごとにメニューが違うのもポイントである。
今回紹介するのは、JR京都伊勢丹店の中にあるロマンの森カフェである。
山科のロマンの森カフェでは、簡単な軽食メニューもあるとのことだが、このJR京都伊勢丹店のロマンの森カフェは「森のティータイム」をコンセプトにマールブランシュの焼き菓子とお茶に特化しているとのことである。
ここでは焼き菓子によく合う京都和束産のオリジナル京都紅茶が提供されているとのこと。
焼き菓子に目がない筆者にとっては、京都に来たら絶対訪れたいカフェであった。
焼き菓子のショーケースはなんとも言えないほど魅力的。
メニューの名前もちょっと凝っていて面白い。
甘いものだけではなく、キッシュなどもあるみたいなので、甘いものが苦手な人とも訪問することができる。
窓の外から見える京都タワー。
この時オーダーしたのは、芳醇なカラメルラムと7種のフルーツケーク570円とラム香る本格ボルドー風カヌレ〜カリカリもちもち〜290円。
朝から何も食べずに午後になってしまった日だったので沢山頼んだ。
パウンドケーキなどコンビニやスーパーで買えばもっと安いのだけど、このようにクリームを添えて綺麗なお皿に入れてサーブしてもらえるのは嬉しい。
京都の市バスもちらっと映り込む。
ピンクや緑のちょっと毒々しい色のチェリーが魅力的なフルーツケーキ。
着色料など気にせずに、こういった宝石箱のようなフルーツケーキが食べたい時もある。
カヌレと京都タワー。
カトラリーはシンプルなフォルム。
京都や東京、そして空港などで売っているマールブランシュのお菓子はもちろん美味しいが、京都府内限定でいくつかあるマールブランシュのカフェはどこもこだわりのメニューを提供しているので、京都に訪問する人にはぜひお勧めしたい。
マールブランシュ ロマンの森カフェ JR京都伊勢丹 3F
住所:〒600-8216 京都府京都市下京区東塩小路町901 ジェイアール京都伊勢丹 3F
営業時間:10:00-20:00
公式ホームページ:https://www.malebranche.co.jp/store/8385/
4. 李朝喫茶 李青(河原町今出川)
こちらは李朝の陶磁器や家具調度品、西欧、アジアのアンティークも扱う、韓国のご飯やお菓子、お茶を楽しむことができるカフェ。
綺麗な外観から新しいお店かと思うかもしれないが、なんとオープンしたのは1998年とのこと。
筆者が京都に住んでいた2010年代前半にも何度か訪れたお店であったが、2022年夏に久々に訪問した。
オーナーの鄭さんは、東京の神田にあった茶房『李白』に影響を受け、京都で李朝文化を紹介する店として『李青』をオープンしたとのこと。
メニューはこちら。
手作りの韓国のお菓子やビビンパ、キンパ、お茶などが提供されている。
食べるお茶のような漢方茶も美味しそう。
このビビンパは今回はオーダーできなかったのだが、京都に住んでいた頃に食べたことがある。
オーダーを済ませ、店内の骨董品を見ることに。
この文字入りのタンスは薬草を入れるものだったのであろうか、気になる。
こちらの写真に写っている李朝白磁壺は、オーナーの鄭さんがイメージする李朝そのものであり、店の象徴的存在。
今でこそ李朝の骨董品として扱われているが、元は生活用品として人々に使われていた磁器や家具たち。
そのような実用品の中に生活の美を見出すことを重視するのがこのお店のポリシーのようである。
この白磁が置かれている棚は竹で編まれたもの、額に入っている絵は李朝中期の作品とのことである。
オーダーしたものを待つ間、店内で売られている雑貨を物色。
ミニチュアのビビンパやサムゲダンなど、このミニチュアもオーナーの鄭さんのコレクションということである。
真鍮製のスッカラ。
高い李朝のアンティーク品ものもあるが、手の届く範囲の素敵なデザインの雑貨もあり、生活に取り入れてみようかなという気になれる。
そうこうしているうちにオーダーした韓国餅500円が到着。
これを数年越しに食べたかったわけである。
こちらの韓国餅は、餅米を使った日本のお餅のように粘着力があり伸びるという感じではなく、よもぎが練り込まれており、一応もちっとしているのだがさくっと歯切れが良い不思議なお餅である。
パラパラとからめられている小豆も、日本のあんこ餅やおはぎのそれとは全く違い、甘さも控えめで小豆そのものの甘さが引き立てられている。
韓国の餅は調べれば調べるほど色々な種類があるようで、色々な種類のものを食べていくことができたらと思っている。
静かな空間でゆったり流れる時間。
体と思考をリセットしたい時、リラックしたい時に行きたい喫茶処である。
李朝喫茶 李青
住所:〒602-0841 京都府京都市上京区梶井町448−16
営業時間:11:00-16:00(日曜、月曜、火曜定休)
公式facebook→ ★
参考:「「自分を客観的にみる」『李青』オーナー・鄭 玲姫さんの、暮らしとセンス_前編」『& Premium.jp』(2023年4月1日付記事)
5.梅園(河原町三条)
こちらは京都市内に幾つかの店舗を運営する甘味処 梅園である。
京都に住んでいた時にも河原町通りを歩くたびに気になってはいたのだが入ったことがなく…
2022年秋に初めて入店したのであった。
昭和2年創業という老舗の梅園は、みたらし団子やぜんざい、豆かん、あんみつ、わらび餅などを提供しており、まさに孤独のグルメに出てきそうな正統派の甘味処なのである。
メニューはこちら。
魅力的なメニューが多すぎて何を食べるか迷う。
今回は河原町店を利用したが、三条寺町店や清水店、うめぞの茶房など、各店舗によって少しメニューやお店のコンセプトも異なる。
かなり渋い感じの河原町店、年配のお客さんが多いと思いきや、ほとんどが10代から20代と見受けられる若い女性だった。
何にするかかなり迷ったが、白玉あんみつ黒みつ添え850円をオーダー。
餡は粒あん、みつは白蜜である。
文句のつけようのなほど完璧な見た目。
黒糖とプレーンの寒天、白玉、よもぎ白玉、粒あんが程よいバランスで入っており、白蜜を少しずつ足しながら食べる。
半分以上が寒天なので口当たりもさっぱりである。
みつ豆もみたらし団子も美味しそうだったなと振り返る。
もうちょっとボリュームが欲しい人は、アイスクリーム入りのクリームあんみつを頼むといいかもしれない。
このようにイートインできる昔ながらの甘味処、あるところにはあるのだが、様々な種類のカフェに押されて貴重な存在になってきた。
今度は三条寺町店を訪問したいと思っているのであった。
梅園河原町店
住所:〒604-8032 京都府京都市中京区山崎町234−4
営業時間:10:30-19:30
公式ホームページ:umezono-kyoto.com
おまけ1(村上開新堂)
こちらは言わずと知れた、有名な老舗洋菓子店の村上開新堂。
創業は1907年(明治40年)、この建物は昭和初期に建てられたものであり、とてもレトロな佇まいである。
太平洋戦争による物資不足を経て、昭和26年に営業再開、昭和30年頃より、現在も高い人気を誇るロシアケーキの製造が始まったとのこと。
また昭和の時代は、バタークリームを使用したケーキが人気だったとか。
お店の奥には築90年のカフェを併設しているとのことであったが、2022年夏に訪れた時には改装のために休業中(公式ホームページには2024年秋頃に営業再開と記載されていた)。
このカフェを目当てにお店に訪れたわけだが今回は残念。
カフェでは北欧のヴィンテージ家具や職人が手がけた器やグラス、錫のカウンターなどがあると聞いてぜひ利用したかったのだが次のお楽しみである。
これらは店の外に飾ってあったミニチュア。
昔から贈り物のクッキーとして京都の人に愛されてきた村上開新堂のお菓子、京都に訪れた際にはぜひ立ち寄って欲しいお店の一つである。
村上開新堂
住所:〒604-0915 京都府京都市中京区常盤木町62
営業時間:10:00-18:00(日曜定休)
公式ホームページ:murakami-kaishindo.jp
おまけ2(京都の宿泊施設)
2022年秋の帰国時に学会のために京都に滞在した時に利用した宿泊施設を紹介。
かつては6年間も住んだ街に観光客として訪問するというのはなんだか不思議な気持ちである。
2024年の今、さらに値段は上がっていると思うが、こちらを利用した2022年秋の時点ではすでに観光客が戻り始めており、京都の宿泊施設の値段は高騰。
ドミトリーでも1泊5000円くらいでしか検索結果に出てこなかった。
このような状況の中、利用したのは京都の中心部にある宿泊施設であり、寝室は個室、お風呂・トイレは共同という3000円台のプランを選択。
この時はオープンして間もないとあってとても綺麗。
上の写真の高くなっているところに広々とマットを広げて寝るというスタイル。
一人で使用したのに二人分の寝具が用意されていてのびのび使うことができた。
入り口の方に荷物を置くことができるし、完全個室なのでプライベート空間は確保される。
さらに感動したのは、京都市内のやよい軒の朝食券を宿泊料に含まれる形でチェックイン時にもらうことができたということである。
普段からやよい軒を利用する方にとっては何てことのない話かもしれないが、この時、筆者はイタリアから戻ってすぐに京都に滞在したために、いちいちやよい軒の設備に感動してしまった。
焼き鯖の朝食セット。
定価だと500円くらいであろうか、無料の水にとろろ、野菜のおひたし、冷奴、味噌汁、味海苔、おかわり自由の白いご飯、取り放題の漬物、そして焼き鯖と、普段朝ご飯を食べない人間からしたらご馳走である。
こんな定食(和食)、ミラノで食べようと思ったら10数ユーロはするだろうからリーズナブルな値段で食べることができるシステムに感激である。
日本を離れていると、手軽な値段で本格的かつ美味しく食べることができる日本のご飯に改めて感動することがある。
ミラノはパリに比べてこうした普通の、でもきちんとした和食を食べることができるお店は少ないので、やよい軒がもしイタリアに進出したら面白いかもしれないなどと考えたのであった。
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