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サヴィーニ(Savini): イタリアのバール文化とは?ミラノ・ガレリア内のセンスが光る老舗より

1. イタリアの生活に根付いたバール

イタリアの街の至る所にあるバール(Bar)

今回のnoteでは、ミラノの老舗「サヴィーニ(Savini)」を紹介しながら、目的に合わせたバールの使い方を説明したい。

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バール(Bar)を英語読みすると、「バー」(酒場)であるが、イタリアでいうバールとは、コーヒーや軽食を提供する喫茶店のことである。

もちろん、カクテルや食前酒などアルコールも扱われている。

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大抵のバールは、朝は早いところで6時台から、店によっては夕方18時前後で閉店するところもあるが、夜にはお酒を提供する場として営業しているお店も多い。

(特にドリンクに関しては時間帯によって頼めるものが決まっているわけではないので、日中からお酒を飲むこともできる)

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また特にクラシカルなバールには、シャンデリア、コーヒーを飲むカウンター、そしてカウンター内のエスプレッソマシーン(これがなかったら珈琲さえ飲めない)が必ず備え付けられている。

ガレリア内の老舗サヴィーニのカウンターとシャンデリアは流石に豪華である。画像9

ところが、“Un caffe, per favore”(ウン・カッフェ・ペルファヴォーレ;珈琲1杯お願いします)。

イタリア語のテキストの始めの方に必ずと言っていいほど出てくるこのフレーズを、立ち飲み用のカウンターで言ったのと、テーブルで言ったのとでは値段が倍以上違ってくることをご存知だろうか。

次の章では、バールのカウンター(Bancone)とテーブル席(tavola)の違いについて書いていきたい。


2. 目的に合わせて使い分けたいカウンターとテーブル席

大抵のバールでは、カウンター(Bancone)テーブル(tavola)、2種類の値段が設定されている。

人々にとって、カウンターは、朝食や軽めの昼食、または休憩の時間に、さっと飲食をする場所。


反対に、テーブルは、人とゆっくりおしゃべりをしながら飲食を楽しむ、あるいは一人でゆっくり読書をする場所。

もっとも、カウンターでアペリティーボということで、一杯のカクテルとオリーブなどのおつまみをゆっくり飲む人もよく見かけるので、この時間の区分は臨機応変にと言ったところであろうか。


また店によっては全く見かけないというわけではないが、日本のカフェのように、コーヒー1杯で何時間もパソコンで作業する人はあまりいない。

もっとも、2018年、スターバックスがミラノに誕生したように、コーヒー片手にノマド作業をする場所が市内に増えているのも、事実である。


バールは喫茶店でありながら、ノマド作業をする場所ではない。


ミラノに限らず、「薄い(lungo)コーヒーを長い(lungo)時間をかけて飲む」と他国のコーヒーを揶揄するくらいのイタリアの人々にとって、バールとは純粋にコーヒーと会話を楽しむ場所である。

サヴィーニでは、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガレリア内という立地もあって、なんと次のような値段が設定されている。

・エスプレッソ:1.5ユーロ(カウンター)→6.5ユーロ(テーブル)

・カプチーノ:2ユーロ(カウンター)→8ユーロ(テープル)

ただサヴィーニのテーブル席は、ガレリア内を行き交う人を眺めながらゆったりと座ることができる上にフリーWi-Fiが使い放題である。


Wi-Fiを使いつつ、ゆっくり旅の計画を立てたい場合はテーブルでという使い方もできる。

またショーケースに並ぶお菓子の値段もカウンターとテーブルでは変わってくるのだが、カウンターだと一つ1.5ユーロの一口サイズケーキ(パスティチーノ)とカフェ、テーブル席だとこのパスティチーノの盛り合わせか普通サイズのケーキ(モノポルツィオーネ)と飲み物という取り合わせが多いかもしれない。

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甘党の筆者は、よく一口サイズケーキ1.5ユーロとエスプレッソ1杯1.5ユーロをカウンターで頼むことが多いが、たった合計3ユーロで本格的なコーヒーと宝石のようなデザートを楽しむことできる。

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イタリアのバール文化の良いところは、大理石の床に年季の入った木のテーブル・カウンターと言った一見敷居の高いお店でも、カウンターに入ってしまえば気軽に利用できるということである。


うっかり座ってコーヒーブレイクに1000円以上費やしたということにならないよう、目的に合わせて、「バンコーネ」(カウンター)or「タヴォラ」(テーブル)ということを、カメリエーレ(ウェイターさん)に伝えるようにしたい。

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1867年創業のサヴィーニ。
まさにガリバルディによるリソルジメント(イタリア統一運動)が最終局面を迎えていた時期である。


16〜19世紀前半にかけて、長らく外国の支配を受けていたイタリア半島の各都市。

ようやく、「イタリア」が近代国家として産声をあげた瞬間を目撃したバール、それがサヴィーニである。


店内にはお土産もあるので、要チェックである。

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ミラノ観光の際には是非立ち寄りたい老舗バールである。


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サヴィーニ ミラノ(Savini Milano)

住所:Via Ugo Foscolo 5 | Galleria Vittorio Emanuele II, 20121 Milan, Italy

営業時間(バール):年中無休 (8:00〜23:00)

営業時間(レストラン):年中無休(12:00〜14:30/ 19:00〜22:30)

デザート、コーヒーの他、食事メニュー、お土産用の食品もあり。

公式HP: savinimilano.it

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