#404美術館:イタリアの教会・お菓子屋さんより
今回のnoteでは、お題企画「#404美術館」として、イタリアで撮影した写真3枚をエントリーするとともに紹介したい。
404美術館とは、Webページ上に度々現れる
404ページ「お探しのページは見つかりませんでした。」を
素敵な画像で彩ろうというnoteの企画である。
今回紹介するイタリアの宗教施設及びお店は、2020年4月現在では、アクセスできないが、また再びこの美しく華やかなものを見ることができるようになれば良いと願っている。
1. サン・ジョヴァンニ洗礼堂・ヴォルテッラ(San Giovanni Battista:Volterra)
2018年2月、筆者は、史料調査のために、イタリアのトスカーナ州の小さな都市ヴォルテッラに訪れた。
標高531メートルの城塞都市であるヴォルテッラ。
鉄道を降り、1日に何本か通っているバスに乗れば、ようやく城壁に囲まれた街にたどり着くことができる、まるで天空の城である。
中世の街がそのまま保存されたかのようなこの都市は、映画『トワイライト:ニュームーン』や『鋼の錬金術師』にも登場する。
404美術館の作品としてエントリーしたいのは、このサン・ジョヴァンニ礼拝堂で撮ったもの。
題名「光」
図書館での史料撮影の休憩がてら、街を散策。
午後にふらっと入った洗礼堂、大理石の台座や石の壁が冬の日の淡い光に照らされて鈍く輝いていた。
余談だが、noteを書く前に『鋼の錬金術師』のトレーラーを確認したら、この洗礼堂が盛大に破壊されていた。
(0:30のあたりでこの洗礼堂が粉々になっている...)
(洗礼堂の正面)
(ヴォルテッラの城壁からの景色)
サン・ジョヴァンニ礼拝堂(Baptistery of San Giovanni Battista)
住所:Piazza S. Giovanni, 8, 56048 Volterra, Italy
2. サン・マウリツィオ教会(San Maurizio)
以前のnoteでも紹介したフレスコ画の装飾が美しいサン・マウリツィオ教会(San Maurizio)。
その起源は16世紀にまでさかのぼるこの教会の装飾を手がけたのは、ロンバルディア派の画家ベルナルディーノ・ルイーニ(Bernardino Luini; 1480-1532)とベルナルディーノの息子アウレリオ・ルイーニ(Aurelio Luini)親子であった。
数あるフレスコ画の中でもこのインディゴブルーの天井画はひときわ目を引く。
題名「青の天井」
『創世記』がモチーフになっているこちらには、父なる神と天使たちが描かれている。
隅々にわたるまで細やかな装飾が施されたこの教会は、一見の価値ありである。
サンマウリツィオ教会(Chiesa di San Maurizio al Monastero Maggiore)
住所:Corso Magenta, 15, 20123 Milano, Italy
開館時間:9:30-19:30
公式ホームページ:chiesadimilano.it
3. マルケージ 1824(Marchesi 1824)
最後に、このnoteでも幾度となく紹介している1824年創業のミラノの老舗パスティチェリア・マルケージ。
もとはスフォルチェスコ城近くに1店舗だけあったマルケージも、2014年にモンテナポレオーネ店、2016年にはガレリア店がオープンし、現在では3店舗展開している。
ガレリア店とモンテナポレオーネ店の新しい店舗は、建築家のロベルト・バッチョッキがデザイン。
(ガレリア店の様子)
そのディスプレイはいつ見ても心が躍る。
3つの店舗のうち、どの店舗のディスプレイを今回の企画の作品とするか迷ったが、本店の味のあるディスプレイを選ぶことにした。
題名「シック」
まるでヨーロッパの映画の一場面のようであり、年季の入った木の棚とカラフルなお菓子たちがなんとも言えない味を出している。
ちなみにガレリア店とモンテナポレオーネ店のディスプレイはこんな感じ。
こちらもこちらで、カラフルでポップな世界観。
カフェメニューだけではなく、凝ったデザインのお土産も充実しているため、色々な人にお勧めしているお店である。
《店舗情報》
(1)本店
住所:Via Santa Maria Alla Porta 11/a, 20123, Milan
営業時間:7:30-20:00(火曜から土曜)、8:30〜13:00(日曜)、月曜定休、メーデー5月1日休み
(2) モンテ・ナポレオーネ店
住所:Via Montenapoleone 9, 20121 Milan
営業時間:7:30-21:00(年中無休)、メーデー5月1日のみ20時までの営業
(3) ガレリア店
住所:Galleria Vittorio Emanuele II | In Galleria da Prada, 20121 Milan
営業時間:7:30-21:00(年中無休)、メーデー5月1日のみ20時までの営業
公式ホームページ: Marchesi 1824
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以上、筆者がこれと思ったイタリアの綺麗なものを3つ紹介した。
個人的な話をすると、筆者はルネサンス期のイタリア史を研究の対象にしており、一番目に紹介したヴォルテッラのようなイタリアの小さな都市に史料調査に行くことが年に数回ある。
日本語のガイドブックにはなかなか載っていないような秘境の地と言ってもいいほど、アクセスが難しい都市に行くこともある。
もちろん本来の目的は、そこの文書館で史料の撮影を行うことだが、撮影中にとても美しい風景や建築に出会うことがある。
2020年4月現在では、イタリア全土に移動制限が命じられており、もちろん史料調査に行くことはできない。
また街が元気になったら、調査のために遠出したいと思っている。
(写真・文責:増永菜生 @nao_masunaga)
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