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イータロー(Italo)でお得にイタリア国内を旅しよう!

今回のnoteでは、イタリアの高速鉄道イータロー(Italo)のお得な使い方を紹介する。

1. 必見!イータロー(Italo)のお得なクーポンコード

現在イタリア国内を走っている主な鉄道は次の二つ:トレニイタリア(trenitalia)イータロー(italo)

前者はイタリアの小さな都市まで線路が走っているのに対し、イータローの方は、イタリアの主要都市を結ぶ高速列車という感じである。

それゆえにトレニタリアは発着するけど、イータローにはそこから乗ることができないという都市は数多くある。

逆にミラノ、ローマ、フィレンツェ、ヴェネツィア、トリノ、ナポリなどの大都市にはイータローが走っているのでご安心を。

そんなイータローは、定期的にセールをやっている。

このように公式ホームページに定期的に掲載されるクーポンコードを購入の際に打ち込めば、割引された切符が検索結果に出てくるという仕組みである。

鉄道の運賃が変動するなんて、日本の常識からしたら不思議に思えるかもしれないが、イタリアの場合、鉄道の切符は早く買えば買うほど割引がされており、前日や当日など直前に切符を買うと一番高い値段が設定されていたりする。

そのために旅の日程が決まり、変更がない場合にはすぐに切符を買い求める方がお得なのである。

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こちらのクーポンコードは既に無効となっているので塗りつぶしてあるが、アルファベットの組み合わせのクーポンコードをチェック。

ここには「6月24日以降の便、500.000席分が30パーセントあるいは50パーセントオフ、ただし6月20日の18時までに購入すること」と書かれてある。

全てイタリア語で書かれているので、日付などが分からなかったら翻訳機などを使って確認するのがお勧め。

こうしてクーポンコードを入れた時の検索結果の例がこちら。

ローマ・ミラノ間の片道切符の定価は大体49ユーロ、直前に購入すると80ユーロ近くするのでかなりお得なことが分かる。

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乗車時間8時間以上のローマ・ミラノ間のフリックスバスが最安で大体12ユーロなことを考えると、20ユーロを割る切符がいかにお得かということが分かるであろう。

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ちなみに切符は普通席や一等席などと等級が分かれているほか、縦の列の区分(Economy, Low Cost, eXtra)の値段は切符を払い戻しできるかできないか、変更できるかできないかで決められている。

例えば、eXtraの一番安い切符は、払い戻しも変更もできない。

Low Costの切符は50パーセントの切符の料金を払えば変更できるが払い戻しはできないなどと切符によってそのルールが異なるので、注意して自分のプランに合った切符を選んでいただきたい。


2. 半額で購入した切符でミラノ・ローマ間の旅:2021年秋編

2-1. 往路:ミラノからローマへ

実際にイータローでほぼ半額で購入した切符を使って旅をした記録を記す。

2021年秋、6:15発の列車に乗るために5:30には家を出発した。

ミラノ中央駅に到着したのは電車の発車時刻の約10分前、ちょっとギリギリになったと反省。

購入するとメールで送られてくる切符はこんな感じ。

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早朝のミラノ中央駅の様子。

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朝6時台にミラノ中央駅を出発する列車の一覧。

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ミラノ中央駅の出発・到着階のタイルの様子。

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この装飾はエスカレーターを設置する時に形を変えられたのであろうか。

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ちょっと折り曲っているのがポイント。

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早朝のミラノ中央駅、せかせかと歩くビジネスマンが目立つ。

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段々寒くなる晩秋の朝、6時台ではまだまだ外は暗い。

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出発5分前の様子。

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こちらの列車はミラノからローマ、ローマの後、終着駅はナポリとのこと。

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こちらは普通席であるが全席にコンセントがついており、席も広々、快適である。

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朝早くに家を出たのでうとうとしているうちにローマに到着。

ローマに着いた時は朝の9時台、すっかり空は明るくなっている。

ホテルに一旦荷物を置きに行く。

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手頃な値段の小さな宿だが設備は十分。

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部屋の中にシャワーと洗面所がついているのはポイントが高い。

よくあるリーズナブルなイタリアの宿には、寝室は個室になっていてもバスとトイレは共用なところがわりと多いのである。

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この時のローマ滞在の目的は、ローマ国立文書館での史料調査。

爽やかな秋の空のもとのローマ国立文書館。

この辺りには図書館や文書館が多く、また素敵なカフェやレストランも多い。

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街歩きを楽しみつつ、調査を遂行した。



2-2. 復路:ローマからミラノへ

数日間のローマ滞在を終え、ミラノへ帰る。

こちらはミラノ行きのチケットである。

値段を見ていただいても分かるように、クーポンコードを適用したため運賃が半額となっている。

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スマートな形の車体。

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ローマからミラノまでおよそ3時間。

行きと同じくゆったりとしたシートで快適な旅であった。



3. 半額以下で購入した切符でミラノ・ローマ間の旅:2022年春編

3-1. 激安チケットとミラノ中央駅の穴場カフェ

タイトルに「半額以下」とつけたが、実際2022年の年明けから春先まで、なぜかイータローのチケットが激安となっていた時期があった。

このように値段の変動が激しいのは、まず日本ではないと思うので記録として書いていきたい。

2022年2月より、所属先のローマの大学へ行くことが多くなった筆者はこの割引をありがたく利用させてもらっていた。

クーポンコードを打ち込んだ後のミラノ・ローマ間の片道切符の値段はこちら。

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「12ユーロ、16ユーロ? 」、もはやフリックスバスより安い。

しかしながら2022年4月より徐々にチケットの値段は再び上がり始め、2022年夏には今のところクーポンコードを使うと最安で20ユーロ台半ばといったところ。

2022年春を境にどんどん、さらに燃料や電気の値段も上がっていったので、この破格のプライスは、しばらく見ることはないかもしれない。

しかしながらこの値段で買うならば、ミラノ・ローマ間を往復30ユーロ以下で、しかも特急列車で往復できてしまうのである。

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出発前のミラノ中央駅。

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出発階にはホーム全体を見渡せるバールや飲食店がある。

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こちらはコーヒー+チョコレートで1.5ユーロのセット。

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チョコレートはペルジーナのバーチか、リンツのリンドールか好きなものを選ぶことができる。

これらのチョコレートは一粒あたりの大きさがかなり大きいのでお得な感じ(スーパーで箱買いした方がもちろん割安だが)。

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参考:


そうこうしているうちにローマ行きの列車がやってきた。

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過ぎ去っていく春の田園風景を眺める。

この田んぼ、6月の麦秋の季節には黄金色にさわめき、窓を開けられない列車の中にいるはずなのに見ているだけで風を感じるから不思議である。

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ウエハースみたいな田んぼ。

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所属先のローマ大学に到着。

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ローマでゼミに出席した後、ローマからミラノへ帰る。

深夜のミラノ中央駅の様子。

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3-2. クーポンを利用して一等車両に乗ってみた

こんな感じでセールの恩恵を受けていた2022年春、クーポンコードを使えば一等車両にも最安20ユーロで乗ることができたので普通車両のセール分のチケットが売り切れていた時などに利用してみることにした。

一等車両の座席の方が立派でふかふか。

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途中お菓子とお茶・コーヒーのサービスがあった。

イタリアはコーヒーは1ユーロからととても安いのに、紅茶は4-5ユーロからととても高いのでこういう場では紅茶を頼みがちになる。

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普通車でも十分に快適なのだが、ちょっとしたプチ贅沢、また切符が安い時には一等車を利用したいと思っているのであった。



4. イタリアの鉄道はよく遅延する

4-1. 遅延は当たり前

タイトルの通り、イタリアの鉄道はしょっちゅう遅延する。

筆者がよく利用するのはミラノ・ローマ間の列車であるが、1時間以内の遅延ならばまぁマシな方。

一番ひどい時は4時間遅延した時もあった。

しかもミラノからローマよりも、ローマからミラノの列車の方が遅延する確率が高いことに気づいた。

これはローマがイタリアの首都であり、様々な地方から列車が到着する、様々な地方へ列車が出発するせいであると思うが、いつも電光掲示板の運行情報をハラハラしながらチェックするのである。

ひどい時には、発車時刻の2分前になってもホーム番号が出ない、その1分前になって10分の遅延というお知らせが出て、最終的に電車が動き出したのは40分後ということもあった。

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(2022年6月、その時に撮影した写真)

日本のように替えの電車に気軽に乗れるわけではなく(というか購入した切符と違う電車に窓口を通さずに乗った場合、罰金が取られる)、またその替えの電車も遅延しているので二進も三進も行かない。

このような状況が当たり前の環境なので、イタリアでは都市間を移動する場合には、乗り換え時間に十分な余裕を持って行動するのが良い。

理想を言うならば、1日に複数の都市を移動しない方が身のためである。


4-2. 60分以上の遅延の場合、チケット料金は払い戻される

イタリアの鉄道なんか使わない方が良いのかも、と思うかもしれないが、60分以上遅延した時には流石にチケット料金は払い戻しされるのでご安心を。

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イータローの公式ページには

・60分から119分の遅延の場合、チケット料金の25パーセント払い戻し

・120分以上の遅延の場合、チケット料金の50パーセント払い戻し

と書かれている。

その払い戻し方法というと、どうやらスムーズに現金を受け取れるわけではないようであり、その払い戻し金額分のチケットを受け取れるというものである。

イータローの公式ページから登録することができるマイアカウントを持っている人は、そのマイページ上に払い戻し金額分のポイントが加算され、次回の旅行から使える。

アカウントを持っていない人は、換金可能なバウチャーをもらうことができる。

イタリアには旅行に立ち寄っただけでしばらく来る予定がないという人にとっては、いずれの方法もハードルが高いかもしれないが、前者のイータローのマイアカウントを介して払い戻し分を受け取る方がいつでも確認できるし安心な気もする。

後者の場合は、オンラインで問い合わせすることができるみたいだが、とにかく電話やメールの問い合わせは時間がかかる上にいつつながるか、返事か来るか分からないのでかなり不安。

かといって駅の中に入っているイータローの窓口に直接行って聞く方法は確実だが、旅行で一時的にしかイタリアに滞在しない場合はなかなか行く時間を見つけづらい。

このような理由からマイアカウントを持っていた方が払い戻しの場合は確実だと筆者は思っているのである。


4-3. 本当にあったローマ・ミラノ間、4時間遅延の旅

最後に筆者が経験した4時間遅延の話を記していきたいと思う。

2022年4月上旬、筆者はローマの大学での用事を終え、20時台のミラノ行きの列車に乗ろうとしていた。

ローマ・テルミニ駅の改札をくぐり、すでに到着していた列車に乗り込んだ。

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(掲示板には10分遅れの表示)

発車時刻になっても列車は出発しない。

「10分程度の遅れ」というアナウンスが流れた。

出発予定時刻から30-40分以上経過したがまだ列車は動かず、テルミニ駅に止まっていた。

どんどん伸びる遅延時間のアナウンスが流れるたびに車内にはため息が流れる。

ようやく列車が動き出したのは23時を過ぎてからであった。

本来ならばこの時間にはミラノ中央駅に到着しているはずであった。

その後も途中減速したり止まったりしながら、最終的に列車が到着したのは翌日の深夜2時半。


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(ミラノに帰ってきた時、嬉しくて思わず写真を撮る)

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結果的におよそ4時間遅延し、乗客たちは疲労困憊。

不幸中の幸いなのか、別に幸いではないのか判断できないが、一応出発地のローマ・テルミニ駅には列車はホームに到着していたために出発まで待っている時間は着席して、しかも電子機器を充電しつつ過ごすことができた。

これがホームに電車さえ来ていない状態で待たされていたならば、ホームに立ちっぱなしか、はたまた構内の飲食店で時間を潰さなけらばならなかったかもしれない。

この遅延の時、筆者は普通車に乗っていたのだが、イータローからお詫びの印としてか、一等車の人に配られるお菓子とコーヒー・お茶が全員に配られていた。

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またこの乗車日から約20日後くらいに筆者のイータローマイアカウントにその切符の半額分のポイントが入っていた(次の予約で使うことができる)。

イタリアで遅延にあってしまった時は本当にどうしようもないので、ひとまず携帯の充電だけは切らさぬよう、またオフラインでも多少時間を潰すことができる紙の書籍を携えて旅に出かけた方が良いのかもしれない。


5.おまけ: ポイントも賢く利用(2023年2月追記)

イータローのアカウントを作り、自分のアカウントから切符を購入すると自然とポイントが貯まってくる。

2023年2月、急遽ミラノからローマへ行く用事が決まり、切符を検索したところ、やはり直前に切符を買うととても高いことにがっかりした(2023年2月3日で検索)。

「そうだ貯まったポイントは使えないかな」と思い、ポイントを使って検索し始めると直前であっても貯めていたポイントのうち、1200ポイントで切符が買えることが判明した(2023年2月3日、全く同じ日程で検索)。

因みに2023年2月の時点で3月の切符を検索しても1200ポイントだったので、時期によるポイント数の変動はないようである。


こうして検索してポイントで購入した切符がこちら。

この急遽ローマに行くことになった週は、行きは片道10ユーロのフリックスバスを使いポイントも節約したが、帰りはポイントで購入したチケットで実質無料でミラノまで帰ることができた。

直前の正規の値段でイータローの切符を買っていたら往復約180ユーロもかかっていたので大きな節約になった。


ちなみにこの1200ポイントのチケットは「Change Date/ Hour」と書いてあるところを押せばチケットの変更もできるようである。

同じポイントで販売しているチケットについてはポイントの差額も払う必要がないため、急な予定変更にも便利である。

イタリアの高速鉄道は、特にセールやエコノミー料金で購入した切符は変更不可なのでありがたいサービスである。


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以上、列車の旅をめぐる色々な話を書いたが、これらの情報は日に日に変わっていく可能性がある。

2022年夏秋の時点で正しいからといって、次の季節にはどうなっているかは分からないので、常に公式ホームページで正しい最新情報をチェックしていただきたい。







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