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テッロ(Thello):イタリアとフランスを結ぶ高速列車、お得で快適な列車の旅

1.  イタリアとフランスを結ぶ鉄道テッロ(Thello)

永遠のライバルであり共に洗練された文化を誇るイタリアとフランス。

このイタリアとフランスを結ぶ高速列車テッロ(Thello)があることをご存知であろうか。

とはいっても、この列車は、フランスはパリより南の地域、イタリアはローマより北の地域のみで運行中である。

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この路線図のように、ミラノで交わる形で、北西からはパリ、ディジョン、そしてイタリアへ下り、ミラノ、ローマへ。

北東の出発点は、ヴェネツィア、そこからヴェネツィアの本土(Terra Ferma)を通ってミラノへ。

ミラノからは海岸沿いを走りつつ、ジェノヴァ、サヴォーナ、そして国境を越えモナコ、ニース、アンディーブ、カンヌ、終点マルセイユ。

筆者は、ミラノ・ニース間の列車を利用したため、今回は、それをもとにテッロの予約方法と利用方法を紹介したい。



2. 予約方法

テッロ(Thello)の予約は、公式サイトThello(thello.com)から行うことができる(英語、イタリア語、フランス語対応)。

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このnoteの他にも、「thello イタリア フランス」などと検索すれば、予約方法を書いたサイトや予約を行ってくれる旅行代理店のサイトも出てくる。

予約のコツとしては、

出発の2週間以上前に切符を予約すること

である。

例えば、これを書いている2019年11月12日の時点で、2019年11月14日でパリ・ミラノ間の列車を検索してみると...

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パリ・ミラノ間の所要時間10時間45分の夜行列車Thello 201便の値段は、125ユーロとあまり飛行機と変わらない。


ところが、これを書いている2019年11月12日からおよそ2週間後にあたる2019年11月28日で同じ区間を検索すると...

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全く同じThello 201便でも71ユーロまで値下がりする。


これをさらに3週間後にあたる2019年12月4日にしてみると...

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42ユーロとなっている。

ここまで値段が下がってくると、パリ19:15発、ミラノ6:00着ということで、ベストな就寝環境とは言えないものの、夜行列車で休むことができるため、お金を節約しつつ移動することができる。

もっとも、ミラノから海沿いを通ってマルセイユに行くルートはもっとリーズナブルである。

例えば、ミラノ・ニース間は、出発の約2週間前に検索すると、1日3本、値段は片道22-28ユーロ、所要時間4時間50分前後の便が検索結果に出てくる。

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飛行機でミラノ・ニース間を検索すると、同じ条件で検索しても値段は約2万円(12月ということも関係しているのか?)、所要時間は3時間。

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1万円を切るものもあるが所要時間がかなり長い上に乗り換え必要。


飛行機の方が所要時間は短いものの、ミラノ・ニースいずれも街中から空港へ移動する時間を考えると、乗り換えなしで、しかも飛行機に比べてかなり安く行けるテッロはお得である。

筆者は、ミラノ・ニース間往復44ユーロ、所要時間4時間50分の切符を購入した(2019年10月現在)。

自分の旅程にちょうど良い切符を見つけたら、クレジットカード決済で購入すれば良い。

登録したe-mailアドレスに、Web乗車券が送られてくるため、それをスクショしてきちんと読み取れる状態にしておけば、駅の改札でも車内でもそれを見せれば問題ない。

それでも心配な方は、念のためメールで送られてくる乗車券のファイルを印刷して持参していれば、安心である。


3. いざ列車の旅へ

筆者はミラノの中央駅からニース行きのテッロ(Thello)に乗車した。

ミラノの中央駅は、イタリアの各都市を結ぶ列車トレニタリア(Trenitalia)もイータロー(italo)も、そしてテッロも全て同じ中央改札から出ているため便利である。

といってもホームは広いため、時間に余裕を持って訪れたい。

中央駅内のバールなどは朝早くから空いているため、朝ごはんを食べても、また買って持ち込んでも良い。

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駅の電光掲示板にホームの番号が出ていなくても焦ることはない。

だいたい出発の10分前までには出る(よっぽどのトラブルがない限りは)。

きちんとした乗車券を持っている場合には、とりあえず改札の中に入ろう。

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車内は二等車でもこの通り、シートは綺麗で広々、折りたたみ式の机もある。

指定された号車と席だけは間違えないように、座れば旅の始まり。

席にはきちんとコンセントもある(ただしヨーロッパのCタイプ)ため、電子機器を触りつつ快適に過ごすことができる。

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発車後間も無く、車掌さんがやってきて切符のチェックとなる。

約5時間の旅の間、何回かチェックされた。

一応身分証としてパスポートの原本もしっかり持参していたが、一度もチェックされることはなかった。

だからと言っていらないわけではなく、抜き打ちでチェックされる場合もあるため、海外で本人確認ができるもの、すなわちパスポートは肌身離さず持っておきたい。

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またテッロのの中には立派なエスプレッソマシーンがあるバールが設置されていた。

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値段は少し高めだが、とても高いというわけではない。

コーヒー片手に海を眺めるということもできる。


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しかしながらこのテッロは、たまに天候の影響を受けて遅延することがある。

筆者の場合、行きは遅延はなかったが、帰りのニースからミラノへの便は、出発が約30分遅れた。

遅れることは日常茶飯事のヨーロッパの公共交通機関。

焦らず情報をしっかり見て待ちたい。

このミニマフィンは、帰りの列車の中で遅れてごめんねと配られた(もともとサービスだった?)チョコマフィン。


ケチらずに時間を優先した方が良い場合と、切り詰めて節約できる場合、旅を行う上では、その時の状況によってどちらかを選ぶ必要がある。

筆者の場合、費用と何よりも空港までの移動の手間を考えて今回はテッロを使った。

この列車、ミラノやヴェネツィアから南仏に行くにはとても便利である。

次の南仏行きにも利用してみたい。



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