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無痛分娩体験記(準備編)

私には二人の子どもがいますが、二人とも無痛分娩で出産しています。最近は言葉自体はよく目にしますが、実際に無痛分娩で出産した人はまだまだ少ないようです。無痛分娩を検討している方に、少しでもお役に立てばと思い記事を書くことにしました。

無痛分娩を選択した理由

一人目を妊娠する前から自分は無痛分娩を選択する気でいました。理由はシンプルに痛いのが嫌だからです。
考えてもみてください。ちょっと切り傷を縫うとか歯の治療ですら麻酔をするのに、出産だけ痛みに耐えて当たり前だなんて理不尽にもほどがありませんか?
3kg前後のものがあの狭いところからどうやって出るのか想像しただけで出産する気がなくなるくらいの恐怖がありました。

また、母親との折り合いが悪いため産後は自宅で手を借りずに育てるつもりでいました。そのため出産のダメージは最小限にとどめたかったという理由もあります。

お腹を痛めて産んだからこそ子どもは可愛いと思う人は「どうぞお望みどおり痛みに耐えて頑張って産んでください」と思いますが、二人無痛分娩で産んだ私でも子どもはもちろん可愛いです。

病院の選定基準

私が病院選定した基準は以下の三つです。

①麻酔科医が常駐していること(必須)
②近くに連携している総合病院があること(必須)
③無痛分娩を選択する妊婦が多いこと(可能ならば)

東京にほど近い地域ですが、それでも通える範囲で無痛分娩を扱う産院となるとそれほど多くの選択肢はありませんでした。その中でも絶対にクリアしておきたかったのは、麻酔科医が常駐する産院ということです。
麻酔は医師の技術の中でも特殊なものです。もちろん産婦人科医が麻酔をしてはいけないということはありませんが、これがクリアできない産院で無痛分娩をする気にはどうしてもなれませんでした。

また、クリニックで対応できない何かがあったときに受け入れてもらえる総合病院が近くにあることも重要でした。

③については、無痛分娩に一応対応しているけれども推奨はしていない、医師が無痛分娩に消極的な産院というのも存在します。せっかく無痛分娩を選択したのに途中で迷ったり後悔をしたくありませんでした。また、そのような産院は無痛分娩の取り扱い件数も少ないことから、医師の経験値も自ずと低くなりがちです。
私の通った産院では半数以上の妊婦さんが無痛分娩を選択していて、医師も無痛分娩での出産をポジティブに捉えている人でした。

無痛分娩のリスクについて

無痛分娩と聞くとリスクを思い浮かべます。色々ありますが私が自分の中で折り合いをつけたのは以下のリスクです。

①医療事故
②麻酔アレルギー
③吸引分娩や緊急帝王切開になる

①については病院選定基準のところで書きましたが、麻酔科医がいる産院を選ぶことで、医師の技量不足によるリスクはある程度回避できると考えました。また、車で5分のところに連携している総合病院もあるため、何かあったときにはすぐに対処してもらえる体制がありました。

そうなると、命にかかわるという意味で最も怖いのは②の麻酔によるアレルギーです。ただし、この麻酔アレルギーは無痛分娩に限ったことではありません。過去に麻酔アレルギーの既往歴があると、私の通った産院では無痛分娩はできませんでした。他の産院でも断られることが多いでしょう。その他の薬剤でアレルギー反応を起こしたことがある場合も、慎重になる必要があります。

私は過去に虫垂炎の手術を受けたこともありますし、怪我や歯の治療で麻酔を当たり前に使ってきました。その他の薬剤のアレルギーもなく、この点は恐らく大丈夫だろうと考えていました。

③のリスクについては、たしかに無痛分娩では吸引分娩や緊急帝王切開になる確率は少し高くなります。しかし、無痛分娩でなくてもこれらのリスクは少なからずあるわけです。無痛分娩で仮にそうなったとしても、無痛を選択しなかったら回避できたかというと、そうとも限りません。私はこのリスクについては誤差の範囲内と受け止め、母子ともに健康であればどんな出産になったとしても受け入れる覚悟を決めました。

無痛分娩のデメリット

無痛分娩には私にとって多くのメリットがありました。リスクについては自分で折り合いをつけていましたので、デメリットはお産に直接関係のない話ですが"外野の野次"です。
先述のとおり、私は母親との折り合いが悪いため直前まで無痛分娩で出産することは隠していました。計画分娩となったため、入院前に一応話をしましたがやはり良い顔はされず、挙句の果てに初の出産に挑む娘に対して母体死亡の話をしてくる始末です。

身内に限らず、このように無痛分娩に否定的な人は未だに多く存在します。無痛分娩を自分で選択したら、他人が何を言おうと堂々と自信を持って出産してください。その人が代わりに痛みに耐えてはくれません。

今回は無痛分娩準備編でした。
次回、実際の無痛分娩での出産がどうだったか?について書きたいと思います。


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