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その保険、本当に不要ですか?

本投稿は前回の記事(リベ大新入生が読んだ「お金の大学」)の続きです。

日本人は保険に入りすぎていると言われます。たしかにネットで公開されているマネー相談などを見ると、生活に余裕がない、お金がないと言いながら多額の保険料をおさめている人が多くみられますので、私は「ほとんどの保険は不要論」には概ね賛成の立場です。

「お金の大学」では、必要な民間保険は3つだけと書かれています。

①生命保険(※自分が亡くなったら、生活に困る家族がいる場合)
②火災保険
③自動車保険

多くの人が加入していると思われる医療保険はここには含まれていませんでした。たしかに、一定の貯蓄さえあれば高額療養費制度なども利用できるため、医療保険は不要な人が多いでしょう。

ただ、何事も例外があります。

医療保険を検討すべき人は誰なのか

結論から言うと、妊娠出産を考えている女性です。私も自分がその立場になるまでは、妊娠出産に関しての知識がほとんどありませんでしたので、それがなければ単純に「医療保険は不要だよね」という考えになっていたと思います。

一般的に、妊娠中に医療保険に加入しようとすると加入時に制限がつくことが多いです。加入時の制限とは「特定部位不担保」といって、簡単に言うと妊娠出産で起きたトラブルについては給付の対象外となってしまうことがあります。また、そもそも保険自体に入れないこともあります。

その理由は、保険会社側の立場で考えると分かりやすいです。加入にこれだけ厳しい条件を設けているのは、裏を返せば、妊娠出産時にはそれだけ多くのトラブルがあり、保険会社が損をしてしまうことが多いからです。

妊娠出産時のトラブルとは

もちろん個人差はありますが、普段どれだけ健康な人であっても、妊娠中は全く別の人間になったと考えても大げさではないほどです。

・切迫流産
・切迫早産
・妊娠悪阻
・妊娠糖尿病
・妊娠高血圧症候群

大きなトラブルがなかった私ですら、スラスラとこのくらいは出てきます。特に切迫流産や切迫早産で入院となると、張り止めの薬と安静しか対処法がありませんので、正産期が来るまで数ヶ月という長期入院になる可能性も低くありません。

また、出産時に吸引分娩や帝王切開になる確率は、自分が想像していたよりはるかに高かったです。私の通っていたクリニックではおよそ6~7人に1人が帝王切開でしたが、病院では4人に1人とも言われています。(クリニックでは受け入れられない、リスクの高い妊婦さんを受け入れている総合病院等は帝王切開の確率が高くなります)

それから、多胎児や逆子の場合はそれ自体とてもリスクが高いので、多くのケースが経膣分娩ではなく予定帝王切開での出産となります。当たり前ですが多胎児になるか逆子になるかは妊娠前には絶対に分かりません。

流産の手術も給付対象

私の場合は入院を伴うような大きなトラブルはありませんでしたが、一人目の出産後に二人目をなかなか授からず、流産を3回経験しました。このうち2回は繋留流産で、手術により子宮の内容物を除去する必要がありました。この手術に関しては高額なものではありませんでしたが、精神的にはかなり消耗していましたので、保険金の給付は気持ちを切り替える意味でもとてもありがたいものでした。

流産の確率も6~7人に一人と言われており、だれがそうなってもまったくおかしくはないのです。

※給付対象の手術は加入している保険により異なります。必ず約款をご確認ください。

"自分にとって"必要な選択を

私は、年齢的なこともありこれ以上子どもを産むことは難しそうなので、しばらくしたら補償内容を縮小して保険料を削減することを検討しています。私にとってはお守り的な意味合いがあるので、マネー的には合理的な判断ではないかも知れませんが、医療保険の解約は考えていません。もうすぐ40歳という年齢もあり、若いころには感じなかった健康面の不安も大きくなっているからです。

これから妊娠出産を考えている方は、医療保険が本当に不要かどうかよく考えてみてください。考えた上で解約をする(あるいは加入しない)という選択をすることは問題ありませんが、あとで困ったことにならないよう、自分にとって何が必要か必要でないかを考えて行動してくださいね。


※本投稿はご紹介した本の内容についての個人の見解です。また保険加入をおすすめるものでもありません。

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