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創作集-空想

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#短編小説

悪夢と現実と、(後)

男が、ゆっくりと近付いてくる。
私は、跳ね上がる心臓を抑えつけながらゆっくりと後ずさる。
そうすると、突き当たりに当たった。
男は、ナイフを突きつけながら止まった。

「何ですか…何がしたいんですか…。」

「どこかで会ったことがあるか……その疑問にお答えしましょうか。」

「え……?」

男はあくまで表情もなく、瞬きすらしなかった。

「…私の母は、私が小学2年生の時に…自殺しました。
何故だか

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悪戯

ある日、箱が届いた。
「箱」が届いた。

最初、実家から仕送りが届いたのかと思ったが、仕送りが送られる時は、必ず前日には連絡をくれるので違う。そして配達員から渡された時、それなりの大きさの箱だったためそれなりの重さがあるのかと思って身構えていたら、拍子抜けするほどに軽く、腰を抜かしてしまった。

奇妙な事に、中を開けると、軽い、どころか何も入っていなかった。

宛名は、「○○株式会社」となっていた

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