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大人というかぶりもの

子どもたちに「起きて」と声をかけ
朝ごはんを用意して
いつもの時間に「いってらっしゃい」と見送る

子どもが出かけた後、乾燥機にかけていた体操着を取り出してたたみ、
体操着袋に入れてやる。

……こんなことをしながら、ふと「わたし、お母さんなんだなあ」と不思議な感覚にとらわれる。

わたしはいつまで経っても大人になりきれない大人で、また子どもの頃の記憶だったり思考だったりもわりと鮮明に残っている方だ。なので、大人であり親であるわたしと、ニュートラルなわたしとはずいぶん乖離しているように思えてならない。

子どもの頃見ていた「大人」の姿は、どこまでいっても大人だった。けれど実際には大人なんて生き物はいなくって、子どもと大人の間につなぎ目も境目もなくて、すごくシームレスな存在だったのだなと、大人と呼ばれる年代になってようやく気づく。

結局みんな、「大人」と呼ばれるかぶりものをかぶっているだけなのかもしれないね。

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