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コロナで月300万円の売り上げが吹き飛んだ。「BPM」の売り上げ回復までの道のり Vol.7

NEW STANDARD株式会社(旧社名:TABI LABO)所属
OMO型イベントスペース&カフェ「BPM」の店長をしている、阪田なおです。

普段、「BPM」というイベントスペース&カフェの運営をしているのですが、コロナの影響で、2期連続黒字運営していたところから2020年3月に赤字に転化。そこから試行錯誤を繰り返した結果、2020年9月には半年ぶりに売上目標を達成。翌10月も既に見込み値では売上目標を達成する水準になりました。

今回のおはなしは、「BPM」誕生秘話として、メディア「TABI LABO」を運営しデジタルを主戦場にしていた僕たちが、リアルな場をどのように設計し、黒字事業として成立させ、コロナを乗り越えたのかをざっくばらんにご紹介できればと思います。

前回は、新型コロナウイルスの影響を受けて、BPMをオンライン配信の場に特化した現状を皆さんにお伝えしました。

今回は、そんなBPMを運営していくための組織論について書いてみようと思います。

スタートアップのようにカフェを経営する、BPMの組織論

BPMにはレンタルスペースとカフェ事業の2側面があります。僕が全体統括として両事業をみつつ、各事業に3,4名ずつメンバーが在籍しています。合計8名の組織ですね。

社内の他の事業部と大きく異なる点は、事業責任者1名を除き、メンバーが全員アルバイト・インターンで構成されている点です。フルタイムで在籍しているメンバーが僕ひとりのため、情報や知見を型化し、システムに落とし込むことで“個”に依存しない組織づくりを進めています。

一方で、若いメンバーが中心の組織でもあるため、彼/彼女たちの将来のビジョンに合わせた育成設計を行い、“個”の成長を促進することを心がけています。

属人化を避ける為の組織設計

ただ、最初からこのような組織設計ができていたわけではありません。BPMを立ち上げた当初は、経営やマネジメント、ましてや組織について考える余裕もなく、ひたすら僕自身がプレイヤーとして動き回っていました。

特に最初の3ヶ月は行き当たりばったりで…PDCAではなくひたすらDDDDでした(笑)。それから事業が黒字化し、「Feel Your Heartbeat」というコンセプトが僕たち自身に浸透してきてようやく、モノ(=ブランディング)・カネ(=売上)における勝ち筋が少しずつ見えてきました。

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その時期は、僕と週5で入ってくれていたアルバイトメンバーで成果を上げていたのですが、社内の人事異動で彼が他の部署に異動することになってしまいました。正社員登用になることが決まっていたため、個人としては嬉しい反面、チームとして考えると非常に大きな痛手となりました。

「せっかく二人で成果を出してたのに、また人を採用して、いちからすべて教えないといけないのか…。」と落胆したと同時に、「今後は同じような事態には絶対陥りたくない」と思いました。このときに初めて、“個”に依存せずチームとして成果をあげられる組織をつくることを意識し始めました。

このような変遷を経て、レンタルスペース・カフェの各事業にメンバーを複数名配置することに決め、いまでは8名の組織になりました。

これまで個人の頭にしか入っていなかったノウハウや顧客情報などを全てシステムで一元管理し、情報がブラックボックス化しないようにオペレーションを設計しています。

組織ビジョンを作り、「fika」という題した1on1を毎週開催

いま、BPMでは「事業目標を継続的に達成できる組織」という組織ビジョンを掲げています。(今後、「Feel Your Heartbeat」を体現しながら、という要素を追加予定です。)このビジョンを「事業目標を達成できる」と「継続的に達成できる」という2つの要素に分解しアクションに落とし込んでいます。

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「継続的に達成できる」組織をつくるためには、「良いコンディションの維持」と「即戦力化」の2点が必要だと考えています。特に重要なのは前者です。メンバーにとって、モチベーションになる環境をつくり、それを維持すること。何でも言えるストレスが少ない環境をつくることをマネージャーとして意識していますね。

モチベーションに関しては、「fika」と題した1on1の時間を各メンバーと毎週設けており、いま考えていることや今後やりたいと思っていることをヒアリングしています。

「fika」は散歩したり、コーヒーを飲みながら、時には公園でサッカーボールを蹴りながらと、メンバーができるだけ自然体になれる状態話せるよう心がけています。これは、何でも言えるストレスが少ない環境をつくることにもつながっていますね。「彼女に振られて仕事が手につかない」、「彼氏が遠距離で今後どうしていいかわからない」といったプライベートな話を臨時fikaを開いて聞いたり、1時間話し込むときもあります。

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僕自身も、将来は教育の道に進みたいと考えているため、特に育成に関しては熱心に取り組んでいるんです。僕のなかでBPMにおける育成とは「彼/彼女たちの将来のビジョンに、現在を近づけること」だと捉えています。そのため、「fika」を通して彼/彼女たちのなりたい姿を一緒に描きつつ、そこまでの道筋を一緒に考えて並走することを心がけています。

一見、事業の目標達成とはかけ離れているようにも見えますが、「継続性」を担保するために必要な「モチベーション維持」の一環でもあるので、メンバー育成はBPMを成功に導くためには重要なファクターなんです。

これだけたくさんのカフェや会社があるなかで、「バリスタとして働きたい」「インターンとして働きたい」と思う人が、ハード面においてわざわざBPMを選ぶ理由ってそんなに多くないと思っています。だからこそ、他では得られないような体験や経験を僕らは設計し、提供しつづける必要があります。

世界のトップバリスタのようなラテアートはここでは教えてあげられないけど、これまで自分が見えなかったモノが見えるようになったり、出来なかった事が出来るようになる瞬間を、一緒につくっていきたいと思っています。

元記事:BPM店長日記 連載vol.7


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