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コロナで月300万円の売り上げが吹き飛んだ。「BPM」の売り上げ回復までの道のり Vol.6

NEW STANDARD株式会社(旧社名:TABI LABO)所属
OMO型イベントスペース&カフェ「BPM」の店長をしている、阪田なおです。

普段、「BPM」というイベントスペース&カフェの運営をしているのですが、コロナの影響で、2期連続黒字運営していたところから2020年3月に赤字に転化。そこから試行錯誤を繰り返した結果、2020年9月には半年ぶりに売上目標を達成。翌10月も既に見込み値では売上目標を達成する水準になりました。

今回のおはなしは、「BPM」誕生秘話として、メディア「TABI LABO」を運営しデジタルを主戦場にしていた僕たちが、リアルな場をどのように設計し、黒字事業として成立させ、コロナを乗り越えたのかをざっくばらんにご紹介できればと思います。

前回は新型コロナウイルス感染症による大打撃と、そこから回復するために「オンラインイベント」と「撮影」に特化したというエピソードをお伝えしました。

今回は、その新しいアクションに伴う具体的な事例や、アフターコロナに登場する「OMO型ライフスタイル」についてお伝えします。

業績回復に向けた舵切りの成果

前回お伝えしたように、現在ではレンタルの問い合わせ数・及びカフェ売上が、コロナ禍前の2月の水準まで戻ってきています。

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5月から強化し始めた「オンラインイベント」を目的としたレンタルは、現状イベント企画会社さんが主なクライアントです。「まさにオンラインイベントのニーズが増えているものの、適したスペースが無くて困っていた」との声も多く、早速6月には使っていただくことができました。アウトバウンド施策ではこれまでのノウハウを元にした運営の提案も行っているので、今後はただのスペース貸しだけでなく、僕たちが企画・運営から携わるケースも増えてくると思います。

「撮影」目的のレンタルのクライアントは、制作会社さんが多いですね。TVやCMの撮影用途が最も多く、特に6月は問い合わせの8割を占めました。

オンライン配信イベントのナレッジを蓄積する

今後の展望として、短期的には、毎月開催している「池尻ショートフィルム」のファンを増やし、他企業とコラボして、規模を拡大していくことを目指しています。また、スペースマーケットさんと取り組んだ「ウェビナーのためのウェビナー」や、NEW STANDARD社として大正製薬さんと実施した「リポDオンラインアカデミー」などのノウハウを元に、さまざまな企業のオンラインとオフラインを組み合わせたプロモーションのお手伝いをできるようになりたいと思っています。

上記を積み重ねつつ、それをBPMだけでなく、『TABI LABO』を中心としたメディア事業や広告事業、D2C・DNVB事業をかけ合わせてNEW STANDARD社として企業の全面支援を行っていくことが長期的な目標です。その結果として「OMOのスペシャリスト」という認知がされていけばいいなと考えています。

「Feel Your Heartbeat」といかにオンラインで提供するか

僕たちが「Feel Your Heartbeat=鼓動を感じろ」というコンセプトを掲げていることは以前お伝えしましたが、その手法においてこれまで以上に重要になるのが、オンラインとオフラインの組み合わせだと思います。

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たとえば「初体験」を「オンライン×オフラインの組み合わせ」で提供するために、これまでオフラインをメインで行っていた「池尻ショートフィルム」をオンライン開催にし、「ショートフィルムを見ながらZOOM飲みをして、映画の感想を語り合う」という新しい体験へとアップデートしました。

4月開催時には、ゲストとして俳優・ラジオパーソナリティとしてご活躍の別所哲也さんにもお越しいただき、視聴者と一緒に映画の感想を語り合うという、参加者全員にとっての”初体験”を生み出し、それによって”鼓動の高鳴り”を感じてもらうことができたと思います。

OMO型ライフスタイルへ

そもそもこれまで日本では、行動のベースはオフラインでした。ごはんを買うのも服を買うのもイベントを見るのも、そのお金を払うのも大半はオフラインを好んで使っていました。実際にBPMにカフェとしていらっしゃるお客様も、半数以上の方が現金でのお支払いです。

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そこから、新型コロナウイルス感染症によって「3密の回避」や「非接触」が必要となったことで、一気に行動のベースがオンラインに移行しました。言い換えると、いまの僕たちは、オンライン・オフラインそれぞれをベースとしたライフスタイルを経験したわけです。そのなかで、それぞれのメリット・デメリットを感じ、この先はそれらを組み合わせたライフスタイルが当たり前になります。その視点で考えると、オフラインでしか感じることが難しい(とこれまで思っていた)”鼓動が高鳴る瞬間”を、オンラインでも提供できるようにBPMが変化していかなければなりません。

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でもね、僕はぶっちゃけ思うんです。例えば、好きになった人と初めて手を繋いだときのあの感覚。ほのかに香るシャンプーの香りと、強く握り過ぎないようにと確かめ合うあの感覚は、リアルでしか体感できない。いまのオンラインでは全てを表現することは難しいと思っています。それこそが僕らのようなリアルな場所がある意味だと思うので、失われかけていたそんな“鼓動の高鳴り”を味わえる空間になれるよう、これからも精進してまいります。
次回は、BPMの組織作りの話をしたいと思います。お楽しみに。

元記事:BPM店長日記 連載vol.6


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