見出し画像

コロナで月300万円の売り上げが吹き飛んだ。「BPM」の売り上げ回復までの道のり Vol.8

NEW STANDARD株式会社(旧社名:TABI LABO)所属
OMO型イベントスペース&カフェ「BPM」の店長をしている、阪田なおです。

普段、「BPM」というイベントスペース&カフェの運営をしているのですが、コロナの影響で、2期連続黒字運営していたところから2020年3月に赤字に転化。そこから試行錯誤を繰り返した結果、2020年9月には半年ぶりに売上目標を達成。翌10月も見込み値で売上目標を達成する水準(事業黒字ラインを超える売上)になりました。

今回のおはなしは、「BPM」誕生秘話として、メディア「TABI LABO」を運営しデジタルを主戦場にしていた僕たちが、リアルな場をどのように設計し、黒字事業として成立させ、コロナを乗り越えたのかをざっくばらんにご紹介できればと思います。

前回は、イベントスペースとカフェという2つの側面があるBPMの組織論をお伝えしました。今回は、カフェとしてのBPMの変遷について書いてみようと思います。

はじまりは、カフェを始めたい人のチャレンジの場

BPMのカフェ事業は、「カフェを始めたい人のチャレンジの場」として始まりました。

一人目のバリスタとして参画してくれたのは、スターバックスコーヒーで約10年ほど働き、都内のNeiborhood and coffeeの店舗立ち上げにも携わっていた秀平さんという方でした。秀平さんは将来的に高知県でカフェを開きたいと考えており、その想いと僕たちの運営コンセプトが合致し、BPMのカフェ事業に参画していただくことになりました。

画像1

秀平さんはコーヒーのスキルやお店のマネジメントに関する知見はあったものの、提供するメニューやレシピから考えてつくり上げるのは初めてでした。また集客もゼロベースで設計する必要がありました。BPMでは主に「自分でゼロからお店をつくり上げていくこと」や「人を集めて売上を立てること」を体験していただけたのかなと思っています。

結果として、BPMに10ヶ月在籍していただき、その後は高知県に移住し「愛景」というお店をオープンされました。僕も実際に伺いましたが、秀平さんの優しいケーキとラテを久しぶりにいただきホッとした気持ちになりました。

画像2

1年間のチャレンジを通して一定の成果を得られたものの、このやり方の課題も見えてきました。それは、BPMが事業として体現したいコンセプトと、委託でお願いするバリスタさんが体現したいコンセプトが必ずしも一致しない、ということ。

バリスタ支援という点を大事にすればするほど、そのバリスタさんが将来自分でやりたいカフェの世界観を最大限ここで試してもらうことになるため、BPMが考えているコンセプトと少なからずズレが生じてしまいます。その葛藤を経て、運営を始めてからちょうど1年という区切りで、自分たちでカフェを運営していくという決断に至りました。

「Feel Your Heartbeat」を体現する場に

改めて自分たちでカフェ運営を始めるにあたり、すべてをゼロからつくる必要がありました。メニュー、レシピ、価格、豆の調達、バリスタの採用…すべて手探りでしたね。

画像3

そんな中、以前バリスタさんが豆の焙煎をお願いしていた国分寺にある「Life Size Cribe」のオーナー・吉田さんに事情を全て説明したうえで、引き続き豆の焙煎とバリスタのトレーニングをお願いできないかと相談したところご快諾いただきました。

僕自身がカフェの店長にもなるので、ゼロから勉強し始め、毎日ひたすらコーヒーのトレーニングを行いました。年末年始もBPMに来て、同僚を呼び出してコーヒーを飲んでもらっていました。年明け初出社の日は、僕も同僚もコーヒーで胃がやられてて何も食べられなかったのを覚えています(笑)。

その後、安定したクオリティのコーヒーが提供できるようになり、バリスタも1~2名と採用できたタイミングで、「Feel Your Heartbeat」というコンセプトに基づいた施策を意識するようになりました。

画像4

僕らは「Feel Your Heartbeat」の発生条件を「発見・初体験・再確認・創出・共感・共創」と定義しているので、カフェのなかでそれらの条件をどのように表現するかを設計していきました。

例えば、「発見」を生み出すために、ドリップで淹れるコーヒー豆の種類を1⇒3種類に増やして、選べるようにしようとか。それぞれ詳しくない人でもわかりやすいように、「しっかりした味」「バランスのいい味」「さわやかな味」というカテゴリーに分けて選べるようにしようとか。

これまでなんとなくコーヒーを飲んでいた方にも「あ、エチオピアって名前だけ聞いたことあったけれど、爽やかな味なんだ!」といった、新たな発見を生み出せるような仕掛けを行っています。事業のコンセプトに基づいた施策が行えるようになったのが、現体制にした大きな意味だと思っています。

「OMO化」「BPM出身のブランド化」を推進していく

いまも、そしてこれからも、やるべきことは大きく変わりません。粛々と「Feel Your Heartbeat」というコンセプトに沿ったアクションを、メンバーが主体的に行うが重要だと思っています。

そのうえで、「OMO」と「BPM出身のブランド化」を推進していきたいと思っています。OMOを前提にした運営は収益の話にも関係しますが、ウィズコロナの時代において、カフェとしてのオンラインとオフラインの融合を進めたいと考えています。

画像5

イベントスペースという側面においては、オンライン配信に必要なハード・ソフト両面が備わり、案件化するケースも出てきました。しかし、カフェに関してはデリバリーの割合が増えてきたものの、1日の売上の10%程度にとどまっています。

いまは、カフェ事業の売上は良い状態をつくれていますが、今後新型コロナウイルスの影響が悪化したり、別の外的要因によって、お客様がカフェに来られなくなる日がくるかもしれません。そんな将来を見据えて、オンラインを起点にした施策を行っていきたいです。

画像6

また、「BPM出身のブランド化」に関しては、「P&G卒のマーケッターはみんなヤバい!」に近いような状態をBPMでもつくりたいと思っています。BPMのバリスタは一般的なバリスタとは異なるマインドセットやスキルが身につくと考えているので、いまのバリスタメンバーが卒業したときに、「BPM出身なの? ヤバいね!」と言われるようなブランドにしていきたいです。

そのためには、僕が頑張って、バリスタにそういった視点やスキルを身につけられる環境をつくり、言語化できるようにする必要があるので、まだまだやることは山積みですね(笑)。

元記事:BPM店長日記 連載vol.8


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?