罪悪感
裏で作業をしながら、オーナーとお客様の会話を聞いていた。
日本から来た、キッチンハンド(調理補助)の若い女の子。厳しい職場で泣きながら仕事をしているという。
そんなに頑張らなくても良いよ、と本気で思う。母国に帰りたくないとか、ビザのためとか、入国したタイミングとか、第二言語に自信がないとか、まあいろいろあるんだろう。アジア人はまず飲食、という暗黙の空気感もたしかに存在する。
何も言わなかったけれど、わたしもそう思うときがあるけれど、" 厳しい環境で頑張れない人はダメ、頑張るべき" という共通認識がわたし達にはある。
だけど頑張って頑張って、その果てに何もかも失う人がときどきいる。
そして甘えることがダメとされる世界で、甘える能力を持った人だけが図太く生き残る。淡々と、長く、いろんなことを続けられる。
すべては理不尽なのである。
パートナーがほとんどうつ状態に突入した。事あるごとに、ごめんねごめんねと言う。
なにもできない。だけど気持ちはよく分かる。落ちているときは、罪悪感でいっぱい。
元気のない自分に、やるべきことをできない自分に、家族に負担をかけている自分に、寝てばかりいる自分に、募る罪悪感。
目の前にいるこの人に申し訳ない。この人がどう思っているか気になる。この人を悲しませたかも気になる。この人が、これからもそばにいてくれるのか、とてつもなく不安になる。
ひとりでいたら、失う不安はないのだと思う。失う不安というのはとても重い。
だけどしばらくひとりでいると、そのうち空気までもが重くなるように、この世界はできている。
あくまでも自分の体感だが、落ちているときにいちばん辛い症状は" 罪悪感" だと思う。
【散文余談】
勉強モードなので読書も映画もしばらく疎遠。
最近ハマっていたモノポリーのゲームもようやく飽きた。
仕事をふたつしているけれど、そのうちのひとつを最近辞めたくて仕方ない。
一年ぶりに子宮頸がん及び卵巣の検査。再発したら休める、と心の何処かで思っている。実はナチュラルハイで疲れているのかもしれない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?