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病気になったとき、傍にいてほしいのは誰だろう。「さよならタマちゃん」という漫画。

「さよならタマちゃん」を、久しぶりに読み返した。

漫画家を目指しアシスタントととして暮らしていた30代の男性の、精巣腫瘍+肺転移の治療を、他の入院患者とのやり取りや奥さんとの関係を交えながら淡々と綴られたお話。そこには神の手も最新治療も奇跡体験もないけれど、柔らかなタッチで描かれている絵にリアルが垣間見える気がする。

この漫画を最初に手に取ったのは、まだ結婚していたころ。2013年の晩秋、元夫ががんと診断され、手術前にがんを小さくするための放射線治療+抗がん剤治療を勧められた時だったと思う。闘病体験記などを検索していて、たぶん出版されたばかりだったかな。普段本など活字を読まない元夫に、漫画なら読みやすいんじゃないかと思い買って渡したんだった。読んでくれたとは思う、たぶん。

幸いにも元夫は放射線治療も抗がん剤治療をほとんど副作用なしで過ごし、手術後いくつかのアクシデントにはみまわれたが無事に退院し、数年前に無事術後5年の完治を迎えた、はず。曖昧なのは元夫が自己判断で経過観察の通院をサボっていたことと、術後3年目でいろいろあって離婚したから。いろいろあったことについてはまたいつか書こうと思う。アルコール依存のことだけじゃなくてね。

アルコールの話はこちら↓


いまや日本人の2人に1人はがんに罹る時代。医学はどんどん進歩し、早期発見されればがんは死ぬ病気ではなくなりつつあると思う。最新がん統計

それでもがんと診断されれば本人も家族もショックだし、治療はつらい。つらい治療が続くなか、治ると信じながらも不安に襲われるとき、傍にいてほしいのは誰だろう。

さよならタマちゃんの主人公は奥さんだった。わたしの元夫が誰を思ったのかは今はもう分らない。そしてわたしも、そのとき誰を思うだろう。



さよならタマちゃんというタイトルだけに、体の一部を失うことをもう少し深く描いてほしかった。デリケートな内容ではあるけれど、知りたい部分でもある。


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