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仙禽 雪だるま しぼりたて活性にごり酒

商品名:仙禽 雪だるま しぼりたて活性にごり酒
蔵元:せんきん(栃木県さくら市)
代表者:薄井一樹氏
酒米:山田錦(さくら市産)
アルコール度数:13度

この酒蔵の代表者は元ソムリエという異色の経歴。2008年に倒産し、新たな出資者などの協力を得て再生。業績はよくわからないが、おそらくは年々伸びているのではないだろうか?特に、雪だるまの商品は年々好調で、酒販店でもすぐに完売する人気商品になった。

ただ、ごめんなさい。この雪だるま、という商品は、「ささまさむね」と比較した場合、価格は高く、味は価格ほどのレベルではない、というのが店主の評価です。ソムリエ出身の代表は、酸味を大切にしているようだが、それならワインを飲んでもいいよね、という個人的に思う。

では、なぜ海老原商店で扱っているのか?それはデザインが素晴らしいから。居酒屋で「雪だるま」を飲んで、写真撮ってインスタにアップするとなかなか映える感じ。これでデザインがダサければ4000円払って買う人は少ないと思う。もっと安く良いにごりがたくさん売られているわけで。

なお、同じくせんきんで、「赤とんぼ、かぶとむし」のブランドがある。これは酸味が強すぎて、私個人としてはリピートは難しい日本酒。せんきんブランドで買うなら、年に1回、「雪だるま」のみ。味はまあまあ、デザインがとにかく素晴らしい。

なお、これは「せんきん」をディスっているわけではない。「デザイン」が素晴らしいということは、非常に優れた販売戦略なのだ。車だって、デザインが微妙であればいくら燃費がよくても売れないわけで。購買意欲をそそられるデザインというのは、人の味覚まで変える可能性を秘めている。

せんきん代表の薄井一樹氏のインタビュー記事。

「私が実家を継いだ当時は、ちゃんと造られていない日本酒がとても多い時代でした。数多ある日本酒の中で頭一つ抜き出るには『流通、いいもの造り、ブランディングとして商品に付随する物語』この3つが必要。どれも欠けてはいけないんです。

https://sakura-wks.com/blog/senkin/

流通とは、販売店の選定。ある程度ブランドを重視するのであればそれなりのお店に置いてもらわないといけない。いいものを造る、ことは大前提、そしてデザイン含めたブランディングということになる。この感覚を持つ酒蔵は今後伸びていくと思う。

なぜなら、すでに「雪だるま」シリーズは日本酒業界のなかでも一定の地位(ブランド価値)を築いており、酒販店でも、お店に置いておけば勝手に売れる商品に育っているのである。ただ、ささまさむね含めて、他に安く美味しい日本酒はたくさんある。しかしながら、高くても良いから雪だるまを欲しがる顧客が増える、これが商売だと思う。十四代に関しても、十四代よりも安く美味しいお酒はたくさんある。しかし、高額なお金を払ってみんな十四代を飲みたがる。これがブランディングである。もしかしたら、せんきんの「雪だるま」も5年後はプレミアになっているのかもしれない。

せんきんの薄井一樹氏、要チェックである。

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