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オノマチ

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#カーネーション

『カーネーション』のファンミーティング抽選に外れた話

『カーネーション』のファンミーティング抽選に外れた話

 今BS12で絶賛再々再放送中の朝ドラ『カーネーション』、世間をキャーキャー言わせたけれど私にはどうでもよかった周防さんのパートが終わり、中年から初老にかけての糸子の惑いと変化が書かれる、オノマチ糸子の最終パートに入った。それに合わせて、ということもあるだろうが、おそらくは3月6日におおさかシネマフェスティバルで尾野さんが主演女優賞の表彰式に来阪することに合わせて、3月5日、岸和田で「おかえり糸子

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連続テレビ小説「カーネーション」放送10年・岸和田市市政施行100周年『おかえり糸子!カーネーション ファンミーティング』トーク書き起こし(2022.3.5.開催)

連続テレビ小説「カーネーション」放送10年・岸和田市市政施行100周年『おかえり糸子!カーネーション ファンミーティング』トーク書き起こし(2022.3.5.開催)

尾:尾野真千子さん
城:城谷厚司さん(カーネーションプロデューサー)
比:比留木剛史アナウンサー

 尾野さんはなんと、ミシンに初めて触るときに来ていた矢絣の着物にグリーンの袴、赤い足袋におさげ髪(両手に赤いうちわ)、という姿で登場した。雰囲気はあの時のまま!↓

比:最初にご挨拶を。
尾:色々笑って、いろんなこと忘れて帰ってください。
比:今日は女学生時代の衣装で。尾野さんのアイディアですか?

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『カーネーション』原口先生の魅力

『カーネーション』原口先生の魅力

 周防さんと糸子がきれいに別れたあと、時代は少し飛び、娘たちがそろそろ進路を決める年になる。美大を受けると言って、手伝いもせず絵ばかり描いていた優子は、結局画家になる覚悟は持てず、東京の服飾専門学校に行く。帰ってきた優子は、すっかり関東アクセントになり、ことあるごとに「原口先生」の名を口にする。そんなある日、その「原口先生」の実物が(←失礼な)、突然岸和田を訪れる。

 原口先生は、まず木ノ元のお

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『カーネーション』(第86話):「立ち直る」ということ

『カーネーション』(第86話):「立ち直る」ということ

 『カーネーション』は人の傷も喪失も包み隠さず描く。戦争に行った夫が赤痢にかかって死に、女手一つで髪結店を営んで息子二人を育てた安岡のおばちゃんは、勘助が心を失くして帰ってきてから悩み続け、その勘助がようやくお菓子屋で働けるようになったところに糸子の出過ぎた励ましで、勘助の傷が抉られてしまったことから、糸子に「あんたの図太さは、毒や」という呪いのような言葉を投げつける。その後勘助も頼りになる泰蔵も

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『カーネーション』第三週「熱い思い」

『カーネーション』第三週「熱い思い」

13)糸子は「働きとうて働くんや」と女学校のみんなに挨拶をすませ、安岡のおばちゃんに「なんちゃらいう外国のごちそう」であるカレーを食べさせてもらう。初めての物でも美味しそう!と飛びつく糸子と、ご飯だけでええ、と怖気づくヘタレの勘助の態度に性格が現れる。「朝や!」の爽やかな目覚めは「8時!?」とはえらい違いで、勢い込んで行った桝谷パッチ店は、お茶の順番やら縦縦横横やら、知らないことがいっぱいあって、

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『カーネーション』第2週「運命を開く」

『カーネーション』第2週「運命を開く」

7)奈津は何を言ってもすげなく「何にも」で返し、糸子は三角に夢中になっている。大好きなはずのお裁縫の時間は、「好きすぎるっちゅうのも困ったもんで」、学校で習うことなどとっくに超越してしまっている。女学校というのは宿題だの何だのと制約も多いところで、糸子は「早う大人になりたい」と思う。謡の教室のエピソードで「学費がないこと」を示し、相変わらず集金が嫌いな善作は糸子を遠くまで集金にやる。そこでついに糸

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『カーネーション』第1週「あこがれ」

『カーネーション』第1週「あこがれ」

 BS12で『カーネーション』の再放送が始まった。再放送はこれで3度目であり、いかにこの朝ドラが特別なものかがわかる。今回は、月曜日に一週間分、連続6回の放送なので、見終わったらもう頭の中がパンパンになるのだが、せっかくなので週ごとにあらすじをまとめていくことにした。「時は大正、岸和田に、生まれた一人の女の子、名前を小原糸子と申します。着物の時代にドレスに出会い、夢見て、愛して、駆け抜けた、これは

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立教大学公開シンポジウム 「終戦から70年 ドラマ『カーネーション』に見る私たちの過去、現在そして未来」 2015.8.27.

立教大学公開シンポジウム 「終戦から70年 ドラマ『カーネーション』に見る私たちの過去、現在そして未来」 2015.8.27.

(2015年にTwitlongerに上げたものをこちらに転載しました。)

司会は立教大学長有紀枝先生。
冒頭、「二人糸子のうた」に続いて『総集編前編』のオープニング。続いて、『総集編前編』より、糸子、おばあちゃん、勝さんの三人暮らしのシーンから「お昼にしよけ」までが流れる。

長)今日は夏休み中の大学ということで、何人が来てくださるのかとドキドキしていた。それを渡辺さんに言ったら「数少ないのは慣

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岸和田のだんじり祭中止

岸和田のだんじり祭中止

 岸和田名物、だんじり祭の中止が正式に発表された。まあこれは前々から言われていたことではあるし、この状況ではやむを得ないかとも思うが、それが75年ぶり、と聞くとしみじみと考えてしまう。言うまでもなく、前回の中止は終戦の年のことで、ある意味それと同等の状況とも言えるわけか、と思うからである。フランスのマクロン大統領は3月に« Nous sommes en guerre. »(我々は戦争状態にある)と

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糸子の自己肯定感について

糸子の自己肯定感について

 HSPの特性をあれこれ見ていく中に、「自信がない」「いつも不安を覚えている」というのがあり、いたく納得している。ただ、自信がないことと卑屈、というのはまた別物であり、同様に自信満々と傲慢も、似て非なるものであるような気がする。このことについて、我が心のヒロイン、糸子をモデルに考えてみたい。『カーネーション』の再放送時、Twitterを見ていたら「糸子は傲慢だ」という意見があって、どうにも腑に落ち

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