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オノマチ

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2020年6月の記事一覧

話の短い「推し」について

 職場のPR動画を作ることになり、一人当たり2、3分でメッセージを、とお願いしてzoomで話してもらったところ、みんな簡潔にきれいにまとめてくれて、いい動画ができあがった。ただし、その場に一人、忘れて来なかった人がいて、放置でもよかったのだけれど、せっかくお願いしたことだし、と別撮りをすることにした。その際、2、3分で、こういうことを入れて(経験からの学び)、こういうことは入れないで(ストーリー)

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いわゆる「推し」について(2)

 『Mother』で、どんな心情でもきちんと見せてくれる不思議な女優さんに心を惹かれたあとも日々は平和に流れ、翌年2011年3月のある日、Yahoo!ニュースに「朝ドラヒロインに尾野真千子」という文字を見つけて、私は「うおー、あの人や!」と密かに気持ちを盛り上げていた。これであの女優さんも一躍有名になるんじゃないか、などと思いながら、4月から始まる『名前をなくした女神』というドラマに、その人が出る

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いわゆる「推し」について(1)

 「推し」という言葉は新しくて自分で使うのはやや気恥ずかしいが、でもそのものズバリのことであるので使わせていただく。その「推し」が私の心に本格的に住みついたのは、朝ドラ『カーネーション』なのだが、でもその前からチラチラと、その人は私の心にかかる存在になっていた。ここでは『カーネーション』以前に心の中でなされていた「種まき」についてまとめておきたい。

 1997年、河瀬直美監督が史上最年少でカンヌ

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いわゆる「推し」について(3)の序章

 ふとしたきっかけで今までにないタイプの女優さんに出会ってしまい、その人の演技を楽しみにしていた朝ドラ『カーネーション』がいよいよ始まった、というところから書かなくてはならないのだが、このドラマについては語ることが多すぎる上に、これまでもTwitterなどでさんざん個人的考察を重ねてきたので、改めて何を書こうか、と思うと色々と難しい。というわけで、さしあたって尾野真千子演じる糸子が登場する第6話(

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