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ウガンダのハシビロコウ「スシ」くん情報

UWEC(ウガンダ野生生物保全教育センター)の魅力は、ハシビロコウだけではありません!などと言いながら、やはり、皆さんからスシくんに関心を寄せていただき、質問されると、嬉しくて、ついつい話過ぎてしまいます。直接お話できない皆さんの為に、こちらでも、少しスシくんの紹介をしたいと思います。パンデミックが収束した後のやりたい事リストに「スシくんに会いに行く」を加えてみませんか?

Uganda Wildlife Conservation Education Center (UWEC) 

ウガンダには野生のハシビロコウが生息していますが、スシくんは、野生ではなく、エンテベ国際空港から車で15分のUWECという施設で飼育されています。国際空港からたったの15分でスシくんに会えるなんて、なんて便利!と思われることでしょう。しかし、これには、理由があります。

1950年代、イギリス統治下のウガンダで、野生動物売買の為に、密猟者に捕らえられ、海外に連れ出されそうになった動物が、ギリギリの所、エンテベ空港で摘発され、保護される事が何度もあったそうです。そんな時、保護された動物はどうしたらよいのでしょう?子どもの場合は親がいなければ生きられませんし、怪我を負っている場合もあります。そんな動物達を収容し、保護する施設が必要でした。それがUWECの前身だったエンテベ動物園の始まりです。

1960年代以降、動物保護施設は、Entebbe Zoo(エンテベ動物園)として土着の動物以外の虎や熊なども集めて、レジャー施設として運営されていました。今でも、UWECとしてよりもエンテベ動物園として地元の人に認知され親しまれています。

1994年、ニューヨークの野生生物保全ソサイエティの援助を受け、ウガンダ政府により、野生生物の保全教育を主な目的とする施設が創設され、エンテベ動物園は生まれ変わりました。それがUganda Wildlife Conservation Education Center ーUWEC(ウガンダ野生生物保全教育センター)です。ヴィクトリア湖の湖岸の美しい自然環境がそのまま活かされたセンターを訪れた人は、鳥、昆虫も含む豊かな動植物の生態系の中で、野生に近い環境で動物を観察することができます。学習とレジャーの両方の要素が統合された場として、UWECは国内外から多くの訪問者を受け入れて来ました。

スシくん情報

タイトル写真は、2020年2月にナントンゴがUWECを訪れ、Behind The Scene(舞台裏)ツアーに参加した時に、ガイドをお願いした飼育員さんに撮影していただきました。この時に、飼育員さんから聞いた情報です。

1.スシくんは35歳、雄

2.スシくんは生魚を食べるのが大好きだから日本の寿司からスシと名付けられた。

3.スシくんは、UWECに来る前に、ペットとして民間の家で飼われていたので、人馴れしている。

4.UWECでは4羽のハシビロコウを飼育しているけど、1羽は、他のハシビロコウを攻撃してしまうので、別の場所に隔離されている

UWECを訪れた他の方々がインターネット上に載せている話と比較して、食い違う点もあります。特に年齢については、保護された時点で正確な年齢がわからなければ、諸説在っても仕方がないでしょう。性別についても外見から特定するのは難しいそうです。けれど、2と3については、UWECの他の職員の方のお話とも一致しているので、正しいようです。保護された時期と、スシと名付けられた時期と、名付け親についても、現在UWECに質問を投げかけていますが、回答があるかどうかはわかりません。スシくんだけが、人気者なのは、やはり3のペットとしての経験から、見学者の応対を一身に任されているからでしょう。悲しい生い立ちかも知れません。ですが、人間と触れ合う事をリラックスして楽しんでいる様子ですし、UWECや野生生物保全について周知する上で、重要な役割を担う運命のハシビロコウだと思えます。2012年に秋篠宮ご夫妻がウガンダを訪問された時に触れ合ったハシビロコウも、このスシくんだったと考えられます。

スシくんと触れ合うには

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上の写真はスシくんのお家のように見えますが、ハシビロコウのお部屋ではなく、見学の人がこの中に入れるようになっています。中から観察すると、

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同居するカンムリヅルと戯れるスシくんを見る事ができました。とても楽しそうです。しかし、タイミングによっては、他の見学者がスシくんのすぐ側でこんな楽しそうな事をしている所に遭遇するかもしれません。

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こうなると、自分も絶対にスシくんと触れ合いたいと思うのが人情です。悔しい思いをしない為には、特別なプログラムに参加する必要があります。ハシビロコウだけと触れ合うプログラムは用意されていませんので、他の動物ともたっぷり触れ合う覚悟で、申し込みましょう。UWECのウェブサイトを見てもハシビロコウと触れ合えるプログラムは紹介されていませんが、電話で質問すると、下記のどちらかに参加するとよいと教えて貰えます。因みに入園料は、15ドルです。

1.Keeper for a Day (一日飼育員) USD150要予約

UWECに「スシくんと過ごしたい」と問い合わせると、このプログラムを一番に勧められました。早朝から飼育員さんの指導のもと、色々な動物の餌の準備や、餌やり、掃除等を体験します。どの動物のお世話をするかは、明確ではありませんが、ハシビロコウを希望すると強く表明しておきましょう。

2.Behind The Scene(舞台裏) USD70

2時間のガイド付きツアーで、キリン、サイ、ゾウへの餌やり体験や、通常はスタッフしか立ち入れない場所から動物を間近に観察する事ができます。こちらでも、ハシビロコウを間近で見る事はできるけれど、タイミングによっては、ハシビロコウが活発ではないかも知れないとの説明でした。

上の写真の男性は飼育員のユニフォームのような服装で、5~6名の同じような年恰好の方々のグループでした。おそらく飼育員体験プログラムの参加者でしょう。交代で一人ずつ、スシくんの前に出て、お辞儀をしたり、そうっと触れたりしていました。ナントンゴも、日本から、「一日飼育員プログラム」を予約し、一緒に勧められたUWEC内の宿泊施設も予約して、朝から飼育小屋の掃除をする気満々で臨みました。(宿泊施設は、バンダというシャワー・トイレ付きの円形の小屋になります。)ところが、当日は朝から大雨だったので、飼育員体験は諦めて、午後からの「舞台裏見学」に変更しました。スシくんにお魚をあげる夢はかないませんでした。(一日飼育員プログラムなら必ずスシくんに餌やりができるという事ではなく、ナントンゴが勝手に膨らましたイメージです。)それでも、スシくんの展示場の中に入り、飼育員さんの監視のもと、5分間位でしたが、特別な時間を過ごす事ができました。スシくんのクラッタリングと呻くような声(地鳴き?)をすぐ近くで聞いて、一緒に歩いて、撫でさせてもらう事ができました。一生の思い出になりました。

「舞台裏見学」は、スシくんだけではなく、キリンや、ゾウと触れ合う事ができてお勧めだというお話や、宿泊施設のお話は、また後日書かせていただきたいです。

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