最近の記事

ゆめうつつ

2020.9.30 カーテンの膨らみに目をやると、虫の影がわかった。 一人が声を上げると、連鎖的に我も我もとうるさくなった。 忙しいと壁を隔てていたら、何もうまくいかなくなっていた。いつか同じようなことが起こって、その時は膝を擦りむいて。それからどうにかなっていたけど、今回も転ばないといけないのかもしれなかった。昨日買ったリップは折れてしまったけど、もう無くしてしまったからどうでもいいか。 ごめんなさい。がずっと頭にちらついて日だった。 最悪な人であるけど、穏やかなモノ

    • 末広がり

      2022.11.3 出られません。 ここから先は知らない世界。 あったかい便座に触れている間、 どうしてこんなに緩んでいられるのだろう。 ここも誰かも跡が残っている場所。 スマホを見ながらタイピングをして時間が過ぎ去ることを待った。休憩時間になって、ここにきてご飯を食べながらイヤホンを片耳にして、Netflixをさぞあたりまえに開いている。『架空OL日記』と同じ立場にいながらも、同じような場面に出会えなくて安心をしていた。架空であるもの。そんな暗示をかけているから、

      • ランジェリー

        2018.3.16 泣きながら。 1週間前に出来上がった原稿に触れて、感想をくれた。電話口はとおく感じた。それから送られてきたメールを確認すると、口からではなく、手から生み出されたことばにわたしは、やられた。 あとがきには何を書いていいのかわからずでいたから、これを最後に文章を書けなくなった未来のことを書いてみた。日記に”あとがき”は似合わない。ふりかえっても、これから起こることに対処することが上手くなったりはしない。 n 通りの未来があった。 どんな未来が来ても、き

        • 抱擁

          2021.7.25 あなたのこと、一番好きではないけれど、大切な人。 架空の女の子だったあの子。 白い肌と、キュルンとしたかたちの髪と 消えてしまう存在の感覚。 追っているとその分遠のいてしまうから 歩きながら見ている。 時に近い場所まで来てくれると、その手を掴むことをしたくなるけど、そんなことをしたら消えてしまいそうで恐れてしまう。 いつまでも明るかった。 それなのに、黒いものがあった。 くろさは、明るい部分の影になった場所で、隠れるのには必要だった。だからその

        ゆめうつつ

          おまじない

          2024.8.23 終電を過ぎてから、タクシーを使わないで 歩いていたら、明るくなってきた。 そんな夜があったっていい。 途中、電話がかかってきて 泣いている友人の声をきいた。 会いたい。 あるうたを流して、歩いている間 どうも無敵になる。 あーいたい。 数時間前まで居たファミレスは当たりだった。 あんなに居たのに何も言われなかった。 もらった本を持ち上げて、開いてみたら 最後まで一気に駆け抜けた。 紙を破ったようなメモが挟まっていて、わたし宛のものだった。

          おまじない

          independence day

          2020.9.4 結婚することになりました。 私の恋人は、配偶者になります。 そんなツイートを見た朝。外が暗くて、雨が降って雷も鳴っている。その記事の最後にあった文章が好きだった。実際、私は配偶者を手にした。ものではないけど、人の婚姻者になったことは分かってない。 同居してから気づいたことは、思っていたよりも楽しいし時間を共有することはうれしいし、やっぱり寂しい時間はふとやってくること。玄関を開けたとき、自分とは違うサイズの靴が並んでいるのが何より嬉しかった。 キッ

          independence day

          檸檬

          2023.7.31 愉快犯。 テレビから聞こえた名前が、知っている人の名前だった。住んでいる近くで起こった犯人は捕まった。歯磨きをしたまま、駆け寄ってテレビの前で固まった。シャツに白いのが付いた。ドッペルゲンガーを見ているのかもしれない。名前も同じで、性格が違う知らない誰かであると知らぬ間に願っている自分がいた。 それから数ヶ月が経って、死刑となった。人も殺していたことを知った。あのときはきっとそんなことは頭に入ってこなかった。そんなこと、どうでもよかった。 それを知っ

          180円

          2024.7.31 甘ったるいジュースを片手に持って、自販機の前に立っている小学生のご一行。 お金を入れて出てきたアイスを食べている。 それを離れたベンチから見ていた。 数日後に、同じ自販機の前に立って見つけている。 高い。180円。小学生のときは150円程度だった気がした。スイミングスクールの2階にあって、帰りのバスに乗る前にひとつ買っていた。少ないお小遣いから出していたから、特別なもののようだった。今になって、この値段によって特別なものになりそうであった。 買ってみ

          邂逅

          2024.7.24 さみしい。 さみしい。 さみしいことは嫌だ。でもどういやであったのか、それがどうとかあんまり覚えていなかった。アルバイト中、どんと音が聞こえて気になった。花火だって確信しているように空にスマホを向けた。 同じ授業を受けていた人が祭りに行くと言っていたけど、これだったのかと引っかかる。誰と言っているのかとか、屋台で何買っているのかとか、気になっている。知らない人だけど 雨が降っている中で歩くことが好き。 ずぶ濡れになりながら、街を走った。 傘がなくた

          ルミエール

          2024.10.5 皿洗いから始めよう。 そうやって決めた日は、上手くいかない日だってことを知っている。 こんがらがっているのだ。それはわかっている。水場に立ちたくない。スプーンからの被害にあいたくない。 でた。家を出てしまった。なにもしていないのに、それから逃げるように怠惰なかっこうをして、ペダルを漕いでいる。ネギがはみ出たスーパーの買い物袋に憧れがあるため、そこまで漕ぐ。坂を下りながら風を全身に浴びる。この街がすき。だから意地でも実家へ戻らない。ネギ、買った。他に何を買

          ルミエール

          2024.4.19 昨日から続いた暴風雨は朝が来るまでどこかへ行った。 桜が散った。 ラジオの音量を捻って、パンを食べながら机に向かった。夕方あたりから花見をする約束があった。 1週間前、天気予報を確認してから散っているだろうけど、やるだけやってみようの兆しで計画した。案の定だった。LINEが届いた。 ワタシはご飯もの担当だった。もうひとりと合流してから、ライフと成城石井へ。エビのチリソースつけて食べるやつなかったっけ。いぶりがっこのポテトサラダ、うまそう。成城石井はいつ

          until you come to me

          2021.6.30 アイスを食べながら電車に乗ったらいけない。 そうとは知らずに、セブンイレブンで買ったものを片手に入ってしまったからどうしようもない。 食べ切ってから気づいたが寒い。 セブンイレブンのグリーンスムージーを片手に持ってJKが乗ってきた。もうひとりが持っているの、なんとも言えない色をしていた。 それが最適解なのかもしれない。 優先席に座っているおじさんが横柄に見えるけど、誰にもある権利を行使しているのだからそんなことはない。わたしの偏見。 シャッターチ

          until you come to me

          炎夏

          2024.7.12 雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨 土砂降り。雨が続いている。雨の字が続いているとよく降っているように見えた。つまらない授業。窓を見る。良い。そう思って写真を撮ると、シャッター音が思っていたよりも大きかった。注意されるかと思ったら、何もなかった。地震の映像を観るためにカーテンを閉める。電気を消す。遠い席からスクリーンをみる。この時間が好きだったりする。暗い場所にいると、自分と人との境界線が曖昧になっているようになる。一緒になる感覚ではな

          寄生虫

          2024.1.1 「水星」 街のざわめきさえもとりこんだ。 ラジオから流れる。嘘 スマホから流している。好きな音楽こそ流れてこない。 2024/ 1/ 1/ 16:10:43 人もいない。風の音しか聞こえない。遠くから重機の音が鳴っていて、私以外の人が存在していることを実感できた。 去年、いっしょに行った時に撮ったものを見返した。そこには私はいなかった。本当に行ったんだっけ。嘘かもしれない。何も存在しなかったのかな。それでいいのかな。 隣にいる花瓶から、花が落ちた。花

          星祭

          2024.5.7 曇り もやもやする。 もくもくしている。 ただひたすらにどうにかしたい。昨日の面接で、強くしねと感じた。横になりながらインターネット。吐いていく場所があることに気持ち悪さを感じている。この人の下で働きたくなかった。「ワタシ、あなたにシんで欲しいんです。どうしても!」そうやってカバンから刃物を取り出した。殺人未遂で逮捕されている。テレビで見ると手錠にモザイクがかかっている。未だにわからない。スマホで写真の欄から面接のための心得を見直す。くだらないの5文字が